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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第十七章

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疑似人格構築(レム・ベルキナの事情)

 地球のどこかにある警備厳重な刑務所の一室で、一人の年老いた囚人に対して残忍な処置が行われた。


 それは刑罰などではない。人体実験のようなものである。


 と言っても、身体を切り刻むような事をしたわけではない。


 人の記憶を読み取り電子データ化する機械、ブレインスキャナーにより、老人の記憶を根こそぎ吸い上げたのである。


 機械を使う前に老人には、記憶を吸い上げられた後は廃人になると告げてあった。


 そのために処置が行われている間、老人は恐怖に震えていた。


 処置が終わった後、ブレインスキャナーに縛り付けられたその老人は、虚ろな目をしてただ前方を見つめていた。


「プラートフさん。終わりましたよ」


 この処置を執り行った若き脳科学者、レム・ベルキナに声をかけられて老人は振り向く。


 声には反応するようだ。


「プラートフさん。ご気分はいかがですか?」


 プラートフと呼ばれた老人は、少し考えてから答える。


「お腹が空きました。ご飯はまだですか?」


 その後、医師が診察を行い、老人が認知症である事が確認された。


「ベルキナ博士」


 助手の一人が、詰問するように問いかける。


「ここまでやる必要があったのですか?」


 それに対してレム・ベルキナは、頭をかきながら悪びれもせず答えた。


「まいったなあ。本当に痴呆老人になっちゃったよ」

「『まいったなあ』って! 『ブレインスキャナーのリミッターを外しても、それほど危険はない』って、博士は言ったじゃないですか」

「言ったねえ」


 レムは他人事の様に返事をした。


「プラートフには、ちょっと脅しで『廃人になる』と言うだけだって言っていましたよね?」

「そのつもりだったのだけどね。リミッターを外しても、脳に障害が残る可能性は一万人に一人くらいだったのだよ。まさか、こいつがその一人になるとはね」

「どうするのです? これは問題ですよ」

「大丈夫だよ。政府にはブレインスキャナーを使用した場合、脳に障害が残るかもしれないと言った上で、許可をもらっているのだから」

「しかし、政府にはリミッターを外すとは言っていないのですよね?」

「外さないとも言っていない」


 助手は黙り込む。これ以上この男に、何を言っても無駄だと思ったからだ。


 それに助手にも分かっていた。この男も内心では、元大統領に復讐したいと思っている事を……

 

 こういう結果になる事を、彼は心の奥底で望んでいたのだろう。


 それから数日後。レム・ベルキナは、プラートフ元大統領から抽出した記憶データをもとにして、疑似人格を作り上げていた。

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