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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第十七章

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手の内を晒すべきではない

 さて。


 僕はレオの身体を持ち上げ、軽く左右に振り回した。


「何をする? やめたまえ!」

「先生。接続者がワームホールを開くときは、一点を凝視する必要があるようですね?」

「ワームホール? 何を?」

「今さらとぼけても無駄ですよ。こうやって振り回されたら、視点を固定できないでしょう」

「分かった! 認める! 私は君達が言うところの接続者だ。認めるから、振り回すのはやめてくれ。気持ち悪い」

「ワームホールは開きませんか?」

「開かない。約束する」

「良いでしょう」


 僕は振り回すのをやめた。


 このまま甲板上で吐かれでもしたら、掃除が大変だからね。


 だが、僕は口約束を信じるほど甘くはないよ。


 振り回すのはやめたが、頭を押さえつけて視線を艦首の方向に向けさせた。


「なぜ、私の頭を押さえる?」

「いえね。僕は口約束は信じませんので。あなたがワームホールを開くなら、こっちの方向へ開いてもらおうかな、と思いましてね」

「なぜだ? こっちの方向にワームホールを開いたら、何が起きるのだ?」

「僕の背後で。兵士がグレネードランチャーを構えています」

「なに?」

「甲板上にワームホールを開いたら、直ちにグレネードランチャーを撃ちこみます」

「なるほど。グレネードランチャーか」


 レオは押し黙った。


 しばらくして、艦首前方三千メートル付近に光点が現れる。


 ワームホールだ。期待通りの位置に開いてくれたな。


「くくくくく」


 レオは笑い声を隠さなかった。

 

「先生。ワームホールを開きましたね」

「開いたさ。だが、君も私の言っている事など、信じてはいなかったのだろう」

「ええ、信じていませんよ」

「手の内を晒すべきではなかったね。あの距離では、グレネードランチャーは届くまい」

「ええ、届きませんね。でも、いいのですか? あそこは海の上ですよ。兵士が出てきても、土左衛門になるだけ」

「くくく。心配はいらないさ。あそこから出てくるのはドローンだよ。これよりドローンの飽和攻撃でこの艦を葬りさる。無傷で手に入れられなかったのは残念だが仕方ない。まあ、降伏するというのなら、命だけは助けてやらなくもないが、どうするかね?」

「降伏? しませんよ。必要ないので」

「必要ない?」

「先ほど『手の内を晒すべきではない』と言いましたね」

「言ったがどうした?」

「まさにその通り、僕はそう簡単に手の内を晒したりはしませんよ」


 そう言ってから僕は、レオを抱えたまま後を振り返った。


「な?」


 後には誰もいなかった。


「これはどういう事だ? グレネードランチャーはどうした?」

「あれは嘘です」

「なに?」

「そういう風に言えば、グレネードランチャーの届かない範囲に、ワームホールを開いてくれると期待していたのですよ」

「期待?」

「甲板の上に開かれたら、こっちもショボい攻撃しかできないので。三キロも離れた場所に、ワームホールを開いてくれて助かりましたよ」


 そう言ってから、僕は再びレオを抱えたまま振り向く。


「な! これは!」


 甲板の上には、さっきまでは無かった物があった。


 《はくげい》の主砲、八十ミリ電磁砲(レールキャノン)が。


 僕が後を振り向いている間に、甲板の装甲が開きせり出してきたのだ。


()ー!」


 いつの間にか司令塔の上に立っていた長津田艦長の号令が響くと同時に、電磁砲(レールキャノン)は火を噴いた。

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