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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第十七章

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第794話 ニャガン沖上空

 海岸線上空を通過したところで、僕は後を振り返った。


 そこには、夕闇迫るニャガンの町並みが広がっている。


 早朝から作戦を開始したが、終了に半日かかってしまったな。


「ここまで来れば、大丈夫ですね」


 え? なにが?


 それを言った古淵の方を振り向いた。


「いえ、ここまで来ればワームホールからの奇襲を受ける心配はないという事です」

「なぜだ?」


 もちろん、ワームホールからの奇襲は、常に警戒しているが……


「ここから先は海ですからね。町中と違って、観測者が隠れる事はできません。町上空を飛行中は、町中に隠れている接続者によって、至近距離にワームホールを開かれる危険がありましたが、もうその心配はないでしょう」


 なるほど。ということは……


「ニャガンの町には、接続者がいるのか?」

「ええ。この町には四人の接続者がいることを、観測チームが確認しています」

「人数まで、分かっていたのか?」

「人数どころか、顔も名前も住んでいる家も、勤め先まで分かっていますよ」


 うわ! 個人情報全部調べ上げていたのか。


 個人情報保護法違反……あ! この惑星に、そんなものないか。


 あったとしても、スパイには関係ないし。


 しかし……


「そこまで調べる必要あるのか?」

「そりゃあありますよ。観測チームの目的は、接続者から出ているプシトロンパルスを観測する事ですからね。本人に気づかれないように、至近距離に接近する必要がありますから」


 それもそうだな。


「ニャガン基地を作った直後の数日は、その四人の接続者からデータを集めていました」


 まあ、手近なところからやった方が効率がいいしな……


「ただ、この人の場合は……」


 古淵はカルルを指さす。


 カルルは、僕と古淵の間に生じている反重力場で、プカプカと宙に浮いた状態で眠っていた。


「接続者本人とさりげなく会って、こっそり観測するなんて事をやっていたそうですが……」


 カルルは僕と違って、コミュ力あるからな。しかし……


「まさかと思うが、秘密基地の場所が敵にばれたのは、それが原因じゃないだろうな?」

「いや、さすがにそれは無いと……思いますが……」


 一瞬言葉につまった。無いとは言い切れないんだな。


「ちなみに、カルルはどうやったの?」

「ストリートアーティストですよ」


 ストリートアーティスト? ああ! 似顔絵描きか。


「接続者の住居や職場の近くの道端で、さりげなく似顔絵描きをやっていたのですよ。隠し持った観測機器で情報を集めながら。その時に接続者本人が、似顔絵を頼みに来たことがありましてね」


 その時にさりげなく世間話でもしながら、データを集めていたのか。


「他にも、接続者が経営する商店に買い物に行ったり、風邪を引いたときに接続者の経営する病院へも行ったりしていましたね」


 カルルがうなり声を上げたのはその時……


 目を覚ましたのか?


 まずいな。カルルにも、目隠しをしておくべきだったか……


「カルル、気がついたのか?」

「ああ……その声はカイトか?」


 声は? あ! まだ目を開いていない。


「カルル。そのまま目を開かないでくれ」

「なぜだ?」

「今から説明するから、よく聞いてくれ」

「分かった。目を開かない。その前に俺はどこにいるのだ? 宙に浮いているような気分なのだが……」

「宙に浮いているんだ。ここはニャガン沖海面上空五十メートル」

「という事は、俺の身体は九九式機動服(ロボットスーツ)の反重力場で浮いているのか。それで、なぜ目を開いてはいけないんだ?」

「カルルの監禁されていた部屋に、ブレインレターがあった」

「なに? 俺は接続者にされてしまったのか? しかしブレインレターは、まだ届いていないと聞いていたが……」

「だが、部屋にあったぞ」

「ううむ……もしかすると、意識を失っている間にやられたのかもしれないな」

「そうか。切腹をした後、しばらくは意識を失っていたのか?」

「切腹? 誰が?」

「いや、おまえが切腹したと聞いたが……」

「はあ? おれが切腹?」

「違うのか? じゃあ、腹の傷はどうしたのだ?」

「これは、隙を見て逃げようとして、切りつけられた傷だが……」

「なに?」


 どういう事だ? 話が違うぞ。

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