接続者を探せ
カルル・エステスの居場所は分かった。
問題は、どうやって犠牲を出さずに救出するか?
僕は古淵に意見を求めた。
「ここは下手な小細工は無しで、力押しでいくのがいいと思います」
「力押し? 具体的にどうするのだ?」
「はい。今まではカルル・エステスさんの居場所が分かりませんでした。従って救出対象を巻き込む恐れがあるため、艦砲射撃などができなかったのです」
「確かに地下二階なら、砲撃の影響は少ないが、それでも威力を加減しなきゃならないぞ」
「もちろんです。したがって、砲撃で破壊するのは要塞の上部のみに限定します」
「しかし、それでは屋上に固定された対空砲は破壊できるが、要塞内部の兵士が生き残って対空ミサイルを持って上がってくるぞ」
「ええ。ですから、砲撃の前に偵察ドローンを大量に送り込みます。対空砲だけでは対処しきれない数を」
「なるほど。そうすると、要塞内にいる兵士たちは防空任務のために、屋上に集まってくるというのだな」
「そうです。屋上に集まってきたところを、砲撃で殲滅。その後で、ロボットスーツ隊が突入してカルル・エステス氏を救出します。ただ、問題が……」
「ワームホールかい?」
「ええ。要塞へ向かうドローンやロボットスーツが、背後から攻撃される危険があります」
まあ、それの対策は僕も考えてある。
ワームホールを開くには、接続者が近くにいる事が必要。
そして、このあたりの海域には接続者を乗せた小舟が潜んでいるはずだ。
ならば、作戦開始前にそれを探し出すまでの事。
《はくげい》の甲板上から、十機の偵察ドローン《採雲》が飛び立ったのは、ミクがカルルを発見してから一時間ほど後のこと。
水平線から登ったばかりの太陽から差す光を浴びながら、ドローン群は上昇していく。
一定の高さまで登ると、各ドローンはそれぞれの方向へと散って行った。
「接続者は、見つかるでしょうか?」
ドローン群が遠ざかっていく様子を見送りながら、芽依ちゃんはつぶやいた。
「まあ森田さん。見つかっても見つからなくても、今日中には作戦を実行しましょう」
「橋本さん。もし、接続者を乗せた船を見落としていたら、私たちは作戦実行中に背後から攻撃されるのですよ」
「それは……その時は臨機応変に……」
ううむ『臨機応変』というと聞こえがいいが、『行き当たりばったり』という事なのだよなあ。
ここで古淵が間に入ってきた。
「お二人とも、偵察ドローンが接続者を見つけられなかった場合の作戦案は、すでに練ってありますので心配はありません」
「さすが古淵さん。抜かりない」
「古淵さんが、味方に戻ってもらえて心強いです」
矢部は? ……いや聞かないでおこう。
「さて、艦内に戻ろう」
最初の接続者が見つかったのは、僕達が艦内に戻ってから三十分後のことだった。




