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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第十六章

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来てくれだなんて、誰も頼んでいない! 

 正直言うと、矢部の持ってきた通信機を作動させて本当に大丈夫なのか不安があった。


 異星人のメカだ。迂闊に動かすと、何が起こるか分かったものじゃない。


 リトル東京で作動させたら、町が吹っ飛んだり、全住民が洗脳されたりという事態だってありうる。


 まあ、だからと言って《海龍》で作動させたら僕らがそうなるわけだが……


「矢部さん。入るよ」


 矢部を監禁しているのは、二畳ほどの広さの部屋。


 通路から声をかけると、直ぐに返事があった。


「ああ! ちょっと待って下さい」


 着替え中だったのか?


「え? このままでいい。しかし……」


 ん? 矢部は何を言っているんだ? この中には矢部しかいないはずなのに、誰かと会話しているみたいだが……


「分かりました。北村さん。扉を開いて下さい」


 言われなくてもそうするが……


「ただし、何を見ても驚かないように」


 何を驚くというのだ?


 僕は扉の横についているテンキーに、十桁の暗証番号を打ち込んだ。


 鉄の扉が横にずれていく。


「矢部さん。あんたスーホから、通信機を預かっているそうだな。それを……うわ!」


 なんだ!? こいつは?


 そこにいたのは馬だった。


 いや、馬じゃない。馬の胴体に人間の上半身が付いている生物……タウリ族か!


 驚くなというのはこの事か。


 しかし、こんな狭い部屋によく入りこめたものだな?


 いや、不思議でもなんでもない。


 これは立体映像だ。


「矢部さん。通信機を作動させたのか?」

「すみませんね。やる事なくて退屈だったので、スーホさんと話をしていたのですが。で、北村さんが来たので通信を切ろうとしたら、挨拶をしたいのでそのままにしてくれと」


 監禁中の奴が外部と連絡するなんてとんでもない話だが、まあ手間が省けた事だしいいか。


 しかし、タウリ族はでかいな。


 通路側から見ると、首から上は壁に隠れていて顔が見えない。


「ああ、ちょっと待って下さい。立体映像の大きさを調整しますから」

 

 映像が小さくなり、大型犬ぐらいの大きさになった。


 スーホの全体像が現れる。 


 こうしてみると、馬みたいな胴体だが上半身は人間。


 耳だけ馬耳になっているのかと思ったが、耳は人間と同じだった。


 栗色の髪は七三に分けており、黒縁メガネ? の向こうにある瞳の色は黒。


 顔はアジア系に近い。


 ジャケットのような服を纏っているので、体毛はどうなっているのか分からないが、おそらく髪と同じ色なのだろう。


「スーホ。久しぶりじゃのう」


 ジジイが僕の前に出しゃばってきた。


「クラではないか。君もこの船にいたのか?」


 クラ? スーホは、ジジイの事をそう呼んでいたのか。


「ワシは優秀じゃからな。どこでも、必要とされるのじゃ。こいつらにも『是非に』と頼まれて来たのじゃ」


 ゴラア! ジジイ! 来てくれだなんて、誰も頼んでいない! 密航してきたくせに……


「ところで、北村氏に会いたいのだが、そこにいる地球人男性がそうかね?」


 まあ、この中には僕とジジイしか男性はいないが……


「おお、そうじゃ。このクソ生意気な若造が、そうじゃ」


 ジジイ……いい度胸だ……後で覚えていろ。


「君か。君のことは矢部から聞いている」


 どういうふうに聞いたのか気になるが……


「スーホさんですね。お目にかかれて光栄です。僕がここの責任者である北村海斗です」


 とっさにこんな事を言えるとは、僕もコミュ力上がってきたな。


「こちらこそ。私の事は知っているのかね?」

「スーホさんの事は、こちらの矢部さんとこちらの……」


 は! ジジイのフルネームなんだったっけ?


 しかし、ここでジジイとか呼ぶのは体裁悪いし……


「……こちらの博士から聞いております」

   

 うん。博士なら問題ないな。


「そうか。聞いていたか」

「事情も伺っております。ただ、我々が監視者として送り込まれたのかは、まだ確認が取れていません」

「そうか。君にも分からないのか」

「ええ。それとスーホさんの頼みは、お仲間の救出でしたね?」

「そうだ」

「僕の一存では何も決められませんが、この事はリトル東京の方へ報告させていただきます」

「助かる。聞いての通り、私自身の存在はレム神から隠しておきたいのでここから動けない。その通信機をリトル東京へ持って行ってほしい」


 それからいくつかの打ち合わせを済ませ、翌日僕は艦隊を離れる準備に入った。

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