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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第五章

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助手席に座るのは?

 一夜明けて、日が登ると、村の凄まじい惨状が嫌でも目に入ってきた。

 帝国軍に殺された村人の死体が放置されているところへ、さらに帝国兵百人の死体が重なったのだ。

 昨日までの僕なら、これを見ただけで吐いただろう。

 どうやら昨夜のうちに、かなりの耐性ができたみたいだ。

 あんまし、こんな耐性はつけたくないものだけど、今は吐くどころか、強烈な空腹感に襲われている。

 そんなわけで、僕は今トレーラーの屋根で凹面鏡を朝日に向けて肉を炙っていたところ。こんな死体だらけのところで、よく炙り肉など食えるものだと自分でも思うのだけど、腹が減るものは仕方ない。

 しかし、やっぱりこんな死体だらけのところで食うのは気分がよくないな。

 こんな事なら、車を村の中に移動するのは食事の後にすればよかった。

「ご主人様、いますか?」

 Pちゃんが屋根に上ってきた。

「ああ、ここにいましたか。ロボットスーツの修理終わりました」

「そうか」

 昨夜は、ロボットスーツもかなり損傷した。

 着脱装置に戻すと、ディスプレーに『修理中』のメッセージが表示されてしまい、数時間は使用不能になってしまったのだ。

 まだ敵の残党がいるかもしれないのに……

 その後、ドローンを飛ばして偵察してみたが、幸いなことに近くに帝国兵は残っていなかった。

 キラ ガルキナを除いて……

 どうやら、彼女は生きていたようだが、もう脅威となりそうもないので放置することにした。

 ミールとPちゃんには内緒で……

 自分でも、甘いとは分かってるけどね。

「ところで、ご主人様。お腹が空いたのなら言ってくださいよ。私がお料理用意しますから」

「いや、非常食は料理とは言わんだろ」

「非常食じゃありません。ここの食材を使います」

「いや、それはダメだ」

「どうしてですか?」

「この村は、帝国軍に襲われて、ただでさえ食糧がないんだ。僕がこの村の食糧に手を付けるわけにはいかないよ」

「それなら大丈夫です。帝国軍は、かなりの食糧を残して行ってくれました」

「え? そうなの?」

「しかも、ほとんどが小麦粉やお米です。ナーモ族はこれの料理法を知らないので、さきほど私が大なべを借りて、お粥を作ってみなさんにお配りました」

「米があったの?」

 それなら、久しぶりに白いご飯が食べられるかな。

「カイトさん」

 ミールが巾着を手にして、屋根に登ってきた。

「はい、これ受け取って下さい」

 ミールが差し出した巾着の中には、さらに小さな袋が入っていた。

 開けてみると金貨、銀貨、銅貨が袋ごとに分けられて入っている。

「魔力の源の代金です」

「いいのかい? こんなにもらって」

「適正価格ですよ。それに、昨日のお食事代もありますし」

「いいよ。食事代は」

「よくありません。カイトさんは、リトルトーキョー目指しているのでしょ。だったら、食糧もそれだけ必要なはず。失礼ながら、備蓄食料を見せてもらいましたが、全然足りませんよ」

 僕はPちゃんの方を振り向いた。

「Pちゃん。帝国軍の残した食糧は分けてもらった?」

「ええ。お米と小麦粉を三袋ずつ、ここから、リトル東京まで、水素補給の休憩を含めて三週間ほどですから、十分足りるはずです」

 ミールみたいな大食漢を基準にするなら別だが……

 ちなみに、ミールが昨日あんなにたくさん食べたのは、魔法を使って消耗していたからだそうだ。ナーモ族が、みんなあんな大食漢というわけではないらしい。ミールだって、魔力の源さえ使えば、あんなに食べる必要もないらしい。

「この車が、かなり速いというのは分かりますが、それでも三週間て……Pちゃん、ひょっとして帝国の勢力圏を突っ切る事を前提に計算していませんか?」

「え? Pちゃん、そうなのか?」

「ええっと、帝国の勢力圏は、私のデータにありません。私は最短距離を、直線コースでいく予定だったですが、帝国の勢力圏に入ってしまいますか?」

「当然です。入らないと思っていたのですか?」

「困りましたね。ミールさん、帝国の勢力圏を迂回できるコースを教えてもらえませんか?」

「教えるなんてけち臭い。あたしが、直接道案内してあげますわ」

 え?

「ミールさん。まさか、私たちと同行しようというのですか?」

「当然じゃないですか。同行しないと、道案内できません」

「いえ、そこまでしていただかなくても、地図に書いていただければ」

「あたしが、同行した方が確実です」

「でも、ミールさんだって、この村にお仕事が……」

「ありませんよ。だって勤め先の王家を、帝国に滅ぼされちゃったし。今のあたしは、日本語で言うところのニートなのです。だから、手は空いているのですよ」

 ニートの意味が、ちょっと違うような気がするけど……

「Pちゃん。せっかくだから、道案内を頼もうよ」

「しかし、ご主人様。ミールさんを乗せるとなると、食糧がますます足らなくなります」

「それなら大丈夫ですよ。途中で食糧を調達できる場所とかは分かっていますから。Pちゃんは、どこで食糧を調達できるか知っていますか?」

「データが、ありません」

「では、決まりですね。あたしも、この旅に同行します」

 あのう、決定権は僕が持っているんですけど……

「いいでしょう。ミールさんの同行は認めます。ただし……」

「なんでしょう?」

「ミールさんの座席は、後部シートです。助手席はだめです」

「何を言っているのです。道案内するのはあたしですよ。助手席は、あたしが座るのが当然でしょ」

「ダメです。ご主人様の隣に座るのは危険です」

「なぜ危険なのですか?」

「ご主人様はああ見えて、かなりスケベです。助手席なんか座ったら、セクハラされちゃいますよ」

 おい! 人の事を変質者みたいに……

「それなら大丈夫です。あたしの方から、セクハラしますから」

「なんですってえ!」

 いかん。逃げよう……

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