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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第四章

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侵略者は、おまえらだろ……

 結跏趺坐(けっかふざ)したミールが呪文を唱える。

 そこまでは、さっきミールが自分の分身を作った時と同じだった。

 違うのは、縛られて地面に転がされているドロノフが光り出した事。

 しばらくして、もう一人のドロノフが現れた。

「ひょっとして、僕の分身も作れるの?」

「ええ、できますよ。作りますか?」

「いや、いい」

 僕はドロノフの分身から、猿ぐつわを外した。

「ドロノフ。質問に答えてくれるか?」

「なんなりと」

 隣で、猿ぐつわをされている本物が『うう! うう!』とうなり声を上げている。

「今、村に帝国軍は何人いる?」

「一個中隊、百人ほどです」

「司令官は?」

「ダサエフ大尉」  

 僕はドロノフを縛っていた縄をほどき、テーブルの前に立たせた。

 テーブルの上には、さっきドローンで撮影したばかりの、村の航空写真が広げてある。

 まだ、かなりの建物が焼け残っていた。

 ドロノフに、マジックペンを持たせる。

「分かる限りでいいから、食糧、武器、弾薬の置き場所。人員の配置を書き込んでくれ」

「お安いご用です」

 本物のドロノフが、さらに大きな唸り声を上げる。

「静かになさい。分身を作った以上、お前はもう用済みです。このまま殺してもいいのですよ」

 ミールに脇腹を蹴られて大人しくなった。

「殺すのはよそうよ。後味が悪いから」

「はーい」

 でも、この娘も戦場にいたって事は、人を殺した事あるんだろうな。

 いや、僕だってさっきの戦いで死者は出ていないけど、重症を負わせた兵士はこの後で死ぬかもしれないし、川に投げ込んだ奴らは溺れたかも……

 しばらく、夢で魘されそうだな。

「こんな物で、どうですか?」

 ドロノフが、作業を終えたようだ。

 航空写真には、いろいろと書き込んであるが、字が読めない。

 何語だ?

 帝国語なんだろうけど……

 翻訳ディバイスのカメラで写してみると、自動的に日本語に翻訳された。

 しかし、なんだろうこの文字は? アルファベットに似ているが……

「ドロノフ。この文字は、なんという文字だ?」

「帝国文字です」

 まんまかい……

「君たちは、地球人だろ?」

「違います」

「違うのか?」

「私の祖父母は地球人ですが、私はこの惑星の住民です」

 三世だったのか?

「つまり、自分は地球人とは、認識していないのか?」

「はい。あえて言うなら地球系タウ・セチ人と認識しています。ただし、この事を知っているのは私を含めて、少数の者だけ。ほとんどの者は、我々はこの惑星で発生したものと思いこんでいます」

「なぜ、一部の者しか知らないんだ?」

「分かりません。私が知っているのも、父がうっかり口を滑らせたからです。なので、普段は知らないふりをしています」

 どうやら、帝国人は自分達が地球人だという事を隠したいらしい。

「この惑星には、帝国人の他に地球人はいるかい?」

「います。リトルトーキョーの日本人どもです」

 なんか、日本人を憎んでいるみたいだな?

「奴らは、五年前に突然この惑星に降りてきました。そして、現地の獣人どもを手懐けて、我が帝国の領土を犯している侵略者です」

 おいおい……

「侵略者は、おまえらだろ……」

「とんでもない。我々は侵略などしておりません。宇宙は、神が人間のために作ったものです。したがって、汚らわしい獣人どもに、この惑星を支配させるなど、神の意志に反すること。獣人どもを駆逐して、この惑星を人の住む楽園にする事が我らの使命です」

 なんつー勝手な理屈……

「ですから我々は、侵略者なんかではないのです。獣人ども追い出して、本来我々のものである土地を、取り戻しているのです」

「そういうのを……」

 僕は書類を束ねて、即席ハリセンを作り、地面に転がってるドロノフを叩いた。

「侵略者って言うんだよ!」

「ンゴー!」

 猿ぐつわされて喋れないドロノフは、なぜ自分が叩かれるのか理解できず、ただうなり声をあげて抗議するだけだった。

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