表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第十二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

298/690

見たけど、見なかったことにしよう。

 潜水艦《海龍》を出た僕達は、そのままシェルター内の会議室に向かった。

 会議室に行くと、キラとミーチャが先に来ている。

 部屋に入ってきた僕達にキラが手を振ったが、ミーチャの方は机に向かって一心不乱に何かを書いていた。絵のようだな。


「キラ。何か分かったかい?」

「ああ。ミーチャ、絵はそのぐらいでいい。みんなに見せて」

「はい」


 ミーチャは立ち上がって、僕らに画用紙を見せた。

 そこに描かれているのは、一隻の船。

 上手いものだな。細部まで描きこまれている。ミーチャにこんな才能があったんだ。

 だけど、水しぶきまで、描かなくていいのに……


「わあ、ミーチャ上手! 今度はあたしの似顔絵描いて」

「え?」


 ミクに催促されて、ミーチャの顔が少し引きつった。

 どうも、ミーチャはミクが苦手みたいだ。無理もない。この前、女装させられたからな……


「ミク、会議が終わってからね」

「うん。そうするよ」


 僕達は、長テーブルを囲んで席に着いた。


「それで、ミーチャ。その船はなに?」

「はい。帝国海軍の中にいた鉄の船です。船名は《アクラ》」


 装甲艦か。という事は、これが成瀬真須美の乗艦?


「僕は《マカロフ》に乗っていて、並走している《アクラ》を見ていたのですが、《アクラ》にはサーシャさんが乗っていたのです」

「サーシャさん? 君の孤児院の先輩だったね」

「はい。それでさっきサーシャさんに聞いたのですが、《アクラ》の船内にプリンターがあるのを見たというのです」


 やはりそうか。


「《アクラ》には日本人はいたかい?」

「はい。ナルセさんと、ヤナさんと、それと後二人」


 矢部と古淵だな。やはり乗っていたか。


「矢部と古淵という名前じゃなかったかな?」

「そうです。それと、その……ヤベという人が……サーシャさんに……エッチな事を……」


 こんなところまで来てセクハラを……病気だな……


「私も、リトル東京にいた時は、矢部さんには散々やられましたから……」


 芽衣ちゃんが思い切り嫌そうな顔をした。


「分かった。ミーチャ、キラありがとう」


 僕はミールの方に顔を向けた。


「ミールは、何か分かったかい?」

「はーい。ダサエフを尋問したところ、リトル東京から盗まれたマテリアルカートリッジは、内海にある孤島に運び込まれたそうです」

「孤島?」

「ええ。島の名前はベイス島と言っていました」

「ベイス島の位置は分かるかい?」

「そこまではダサエフも知らないようです」


 どこにある島か分からないけど、《アクラ》の中にレアメタルカートリッジがあればその島には行かなくて済む。

 なかった時は、成瀬真須美たちから島の位置を聞き出すしかないな。知っていればだが……


「わかった。ありがとうミール」


 Pちゃんの方を向いた。


「逃走中の帝国艦隊の位置は分かったかい?」

現在イサナの方で探してくれています。しばし、お待ちを」


 Pちゃんがそう言い終わった時、扉が開き香子が入ってきた。


「香子。寝てなくて大丈夫か?」

「大丈夫よ。海斗。ちょっと疲れただけだから。それより、さっき《イサナ》から通信があったわ。その時にあんたに見せてほしいと、データが送られてきたわよ。衛星写真の様だけど……」


 香子は芽衣ちゃんにデータカードを渡した。

 受け取った芽衣ちゃんは、Pちゃんの頭からアンテナを外してデータカードを差し込む。


「それでは、P0371。映像を映して下さい」

「はい。芽衣様」


 室内照明を暗くしてから、Pちゃんは壁にレーザーを照射してプロジェクションマッピングを映し出した。

 そこに映ったのは……え?


 裸の男たちが絡み合っている漫画……


 いかん!


「見るなあ!」


 映像を見入っているミクとミールの目を僕は慌てて手で塞いだ。


「カイトさん。なぜ目隠しをするんですか?」「お兄ちゃん。いいところなのに……」

「ダメだ! これは18歳未満閲覧禁止!」


 映像を見て茫然としていた香子は、ハッと我に返った。


「キャー! カード間違えたあ!」


 香子は、Pちゃんの頭からカードを乱暴に抜き取った。


「香子様。そのように乱暴にカードを抜き取っては、中のデータが壊れてしまいます」

「いいのよ。こんなデータ消えちゃって……て言うか、消して! 消滅させて! 積み荷を燃やして!」


 香子は乱暴にカードを床に叩きつけてから、別のカードを差し込んだ。


「か……海斗! 誤解しないでね。このカードは私のじゃないのよ。相模原さんが、シーバ城を脱出する時に忘れていった物だから……」

「香子……その……僕は何も見なかったから……」


 見たけど、見なかったことにしよう。それが平和のためだ。


 そうしている間に、Pちゃんは別の映像を壁に映していた。

 今度は間違えなく衛星写真。

 カルカの近くを流れている大河が映っている。


「ミール。この川の名前は?」

「マオ川です。内海に通じている川ですよ」


 マオ川の一ヵ所に赤い矢印があった。


「Pちゃん。矢印の辺りを拡大して」

「はい。ご主人様」


 映像を拡大すると、停泊中の船団が映った。帝国艦隊だ。ほとんど木造帆船だが、その中に一隻だけ小さな装甲艦がいる。

 ミーチャの描いた船を上から見ると、こんな感じだ。

 という事は、この船が《アクラ》に間違えないな。

 

「Pちゃん。この映像はいつ撮られたもの?」

「今から、三十五分前です」


 では、まだここにいるな。

 映像を動かすと、町が映っていた。

 どうやら、川の途中にある港町に停泊しているようだ。


「あれ? ここは……」

「レイホー。この町を知っているの?」

「ここはマオ川の途中あるロータスという港町ね。何度か行った事あるよ」


 ロータス!?


「《水龍》と《海龍》の速度で、ここまでどのくらいかかる?」

「だいたい、巡航速度で十八時間ほどね。行くなら、母さんの許可取ってくるけど、どうする? 出航準備にも時間がかかるから急いだ方がいいね」

「分かった。頼む」

「じゃあ私、出航準備してくるね」


 レイホーが部屋から出ていく。


「海斗」


 香子に呼ばれて振り向いた。


「そのデータが送られてきた時に聞いたのだけど、あいつが、電脳空間(サイバースペース)から出てくる気になったわ」

「あいつって?」

「あんたよ」

「え?」

電脳空間(サイバースペース)のあんたが……」


 電脳空間(サイバースペース)の僕が? どういう心変わりだ?


「カトリさん! 本当ですか!?」 


 横で聞いていたミールが目を輝かせる。


「ええ、本当よ。ミールさん」


 ミールが僕の背後から抱くついてきた。


「じゃあ、このカイトさんは正式にあたしのですね」

「ええミールさん」


 香子は、芽衣ちゃんの方を振り向いた。


「芽衣ちゃん。聞いての通りだから、P0371に入れたあのプログラムは解除して」


 それを聞いて芽衣ちゃんは慌てた。


「きょ……香子さん。なぜ虫除けプログラムの事を……」

「さっき、電脳空間(サイバースペース)の芽衣ちゃんに聞いたわ。私のためにやったのは、嬉しいけど。知ってしまった以上、そんな恥ずかしいプログラム放置できないでしょ。解除して」

「ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんさない!」

「それはいいから、プログラムを……」

「ごめんなさい! 解除できないんです」

「どういう事?」

「香子。実は……」「カトリさん。実は……」


 僕とミールで代わる代わる香子に説明した。


「暴走した?」

「ああ。虫除けプログラムを解除した途端に僕に抱きついてきて……」


 香子は大きくため息をついた。


「ミールさん。悪いけど、私の分身が今後も迷惑かけるけど、許してあげてね」

「仕方ないですね。まあ、ライバルは他にもいますから、Pちゃんがいてくれた方がいいかもしれません」

「あのさ、香子……電脳空間(サイバースペース)の僕は、なぜ出てくる気になったの?」

「分からない。でも、どうもレムに興味を持ったみたい」


 レムに?


「じゃあ、私は《イサナ》にカートリッジを送る手配をするから」


 香子は部屋から出て行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ