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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第十一章

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救助か? 掃討か?(天竜過去編)

 (マー) 美玲(メイリン)はじめ玄武隊のアバターはまだ消えていなかった。

 しかし、映像にノイズが入り、今にも消えそうだ。


「《玄武》の状況はどうなの?」


 アーニャの問いかけに馬 美玲が答える。


「分からない。さっきから、船長が何も言ってくれなくて。船体はなんとか持ちこたえたけど、操縦室をやられたかもしれない」

「キャビンは大丈夫なの?」

「分からない。一度、宇宙機とのリンクを切って中の様子を見てくるわ」


 馬 美玲のアバターが消えた。


「アーニャ! 助けに行こう」

「待って。白龍(パイロン)君。《青竜》と《白虎》にも生存者がいるかもしれないわ」

「う」


 どうすればいいんだ? どの船も離れている。全部助けに行くのは……


「みんな! 大変!」


 (リーウ) 魅音(ミオン)の指さす先の宙域を拡大する。

 敵の宇宙機二機が、ボロボロになったエアバックを切り離しているところだった。


「しぶとい奴め。まだ生きていたのか。よし! 俺がやっつけてやる!」


 飛び出そうとした(ワン)を、(チョウ) 麗華(リーホワ)が制止する。


「待ちなさいよ! デブ! あんなのほっときなさいよ! 救助が先でしょ。馬 美玲を見捨てる気?」

「誰も見捨てるなんて言ってねえ! だが、あいつらを放置すると、救助を妨害されるかもしれない。だから、俺が足止めするから、おまえらはその間に馬 美玲達を助けに行ってこい」

「だ……だったら、最初からそう言いなさいよ。分かったわ。私達は救助に行くから、あんたは奴らが邪魔できないように、その巨体で壁になってやりなさい!」

「おいおい……宇宙機の大きさは、みんな同じだと言ったのはおまえだろ」

「五月蠅いわね。人の上げ足取って、そんなに楽しいの?」


 いつもは自分が上げ足取るくせに……


「普通はそんなの事をしても楽しくないが、おまえの場合は楽しい」

「なんですって」

「おっと、こんな事をしている場合じゃない。行ってくるぜ」

「待ちなさい!」


 再び、王を呼び止めたのは趙 麗華ではなかった。


(ヤン)さん。止めないでください」

「止めはしないわ。でも、君一人だけでは足止めにならない。白龍君も一緒に行って」


 え? 僕……


「残りのメンバーは《玄武》の救助に向かって。《青竜》と《白虎》も心配だけど、こういう時は生存率の高い者から優先すべきです」

「よし! (チャン)! 俺について来い」


 敵に向かって加速を開始した僕達に、楊さんが呼びかけてくる。


「二人とも、撃破できなくてもいいわ。足止めできればいいのよ」


 そんな事は、僕も王も分かっていた。


 その時、僕の横に馬 美玲のアバターが出現する。


「どうだった?」


 僕の質問に馬 美玲は首を横にふる。


「ダメ。キャビンの中は真っ暗で、加速が止まっているから無重力状態で……リンクを切って戻ったのに、危なくてGシートから離れる事もできなかった。だがら、母船の状況はさっぱり分からないの。ただ、空気の漏れる音が聞こえて、耳がつーんとしたから、多分気圧はかなり下がっていると思う」 


 そんな……


「とりあえず、手探りでリンクを繋ぎ直したら、ここに出たの。あんた達は、何をしているの?」

「敵の生き残りがいたんだ。今から、王と迎撃に」

「そっか。でも、二人だけじゃ足りなくない?」

「他のみんなは、《玄武》の救助に向かった」

「そっか。みんな助けに来てくれるんだ」

「当たり前だろ」

「うん。でも……間に合わないかもしれない」

「どうして?」

「みんなが来るまで……キャビンの空気がもたないと思う」

「そんな事……最後まであきらめないで! 必ず……みんなが助けに行くから」

「そうだね。最後まで希望は捨てないことにする」

「本当は僕だって、そっちへ行きたいんだから」

「そっか。でも、敵の生き残りは放置しちゃダメだよ。救助活動しているところへ、砲弾撃ちこまれたらシャレにならないから」

「分かっているよ」


 馬 美玲は王の近くに寄って話しかけた。

 声は僕にも丸聞こえだけど……


「ねえ、王君。ちょっと聞きたいのだけど?」

「なんだ?」

「趙 麗華の事を、どう思っているの?」


 こんな時に……いや、こんな時だからこそ聞きたいのかな?


「どうって? 嫌な女だなと思っているが」


 だよね。今更「好き」だなんて言っても手遅れだろうな。


「でも、面白い女だなとも思っている」

「面白いの?」

「おちょくると面白い」


 脈なしだな……


「実は趙 麗華が王君の事好きだとしたら?」


 ストレートな質問だな。


「そんな事あるわけないだろう」

「そうかな?」

「今時、ツンデレか? ないない。あんなの漫画の中だけの話だ。ツンデレなんて実在したら、だだの迷惑小娘だしな」

「そっか」


 馬 美玲は僕の傍に戻ってきて囁いた。


「こりゃあ、ダメみたいだね」


 自業自得とはいえ、趙 麗華も可哀そうに……王の事は諦めるしかないな。


「あれ? あれ?」


 馬 美玲が慌てだした。


「どうしたの?」

「BMIを強制切断するってメッセージが」

「ええ!?」

「どうやら……もう私ダメみたい」

「そんな!」

「ねえ、章君」

「なに?」

「私も……恋が、したかったな……」


 馬 美玲のアバターが消えた。


「そんな……」


 王の緊迫した声が聞こえてきたのはその時。


「敵が撃って来たぞ」


 レーダーには、こっちへ向ってくる砲弾が映っている。


 こっちからも、電磁砲(レールキャノン)を撃ち返す。


「章。今度は、おまえが盾になってくれ」

「え?」

「おまえ、早く救助に行きたいのだろ」

「うん」


 僕は王の前に回り込んだ。


「俺は、ここを突破したら残り奴を片付けに行く。お前は予備機を起動させて、馬 美玲を助けに行け」

「分かった」


 レーダーの中で敵の砲弾が爆発した。

 こっちの砲弾は、着弾までまだ時間がある。


 エアバック展開。


「さあ来い!」


 砲弾の破片が僕の機体に降り注いできた。


 エアバックでは完全に勢いを殺し切れなくて、ホイップルバンパーにガンガン刺さってくる。


 程なくして、エアバックは完全につぶれてホイップルバンパーを貫通された。


「王。僕の機体はここまでだ。後は頼む」

「任せておけ」


 僕は機体とのリンクを切った。

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