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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第十章

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脱出

『百十一、百十、百九』


 カウントダウンが進む。


「ミール。縛った人達を、解放してくれ」

「いいのですか?」

「戦いは終わった。これ以上、殺す必要はない」

「そうですね」


 四人の分身達(ミールズ)は、艦橋内で縛り倒されている帝国兵の縄を切っていった。


「俺の手錠も外してくれよ」


 矢納さんの方に視線を向けた。


「あなたはダメです」

「なぜだあ! おまえ、憎悪は捨てたのだろ! あれは嘘か!」

「憎いから殺すのではありません。僕が死にたくないので、僕の命を付け狙うあなたを殺すのです」

「分かった! 俺も、おまえへの憎悪は捨てる」

「それを僕に信じろと」

「信じろ」

「無理です」

「……」


 そうしている間に、残り時間が八十秒に。そろそろ僕らも脱出しないと……

 ショットガンで窓ガラスを割り、脱出口を作った。

 

「芽衣ちゃん。行くよ」

「はい」

「待て! 北村。俺をここに置いていく気か?」


 矢納さんを一瞥した。嫌な人だけど、やはり直接手を下すのは嫌なものがある。

 ここに置き去りにすれば、勝手に死んでくれる。

 情報を聞き出そうかと思ったけど、どうせたいして重要な事は聞き出せそうにないし……


「矢納さん。連れて帰っても、最後はあなたを僕の手で殺す事になります。それなら、ここで死んでも同じでしょう。僕もできれば自分の手は汚したくないので」

「待て待て! 俺は飛び切りの情報を持ってるんだ」

「飛び切りの情報?」

「聞きたくないか?」


 ううむ……そんな事を言って、ガセネタを掴ませるつもりかもしれないし……というか、この人の事だから、九十九%ガセだろうな。しかし、もしかすると……そうだ! 連れ帰って、ミールに分身を作ってもらえれば……


「いいでしょう。あなたを殺すのは、情報を聞き出してからです」

「へへ。恩に切るぜ」


 まあ、本音は隙を見て逃げようと言う魂胆だろうけど……

 

 矢納さんの手錠に手を伸ばしたその時。


「うぐ!」


 突然、矢納さんの顔が苦痛に歪む。

 そのまま、前のめりに倒れた。


「矢納さん」


 返事がない。見ると首の後ろに人形のような物がしがみ付いている。

 

 これは!?


 人形はむくりと起き上がった。いや違う、人形じゃない。人型ドローンだ!


「この船にも、ドローンを数体隠しておいたのよ」


 この声は! 成瀬真須美!


「北村君。約束は守ってもらわないと」

「殺す前に、尋問はしないとは言ってませんよ」

「そうだったわね」

「成瀬さん。矢納さんに何をしたのです?」

「毒針を刺したの。でも、公式には君が殺した事にしておいてね」

「なぜ? エラはともかく、矢納さんは英雄でもないでしょう」

「知っているでしょ。矢納はまだ二人いるの。私に殺されたと知ったら、残りの二人から警戒されちゃうでしょ」

「シンクロニシティで、分かってしまうのでは?」

「だから、背後から刺したの。他の二人がシンクロニシティで、この事を知っても、何が起きたのか分からないでしょうね」


 確かに。


「それより、時間が無いわ。早く脱出して」


 言われなくても脱出するさ。


 僕と芽衣ちゃんは、無言で艦橋(ブリッジ)の窓から飛び出した。

 程なくして、水上航行している《水龍》の姿を見つける。

 その甲板上では、ミールが手を振っていた。

 その足元では、ミクが蹲っている。

 


 《マカロフ》が爆発したのは、僕達が《水龍》の甲板に降りた時。

 一キロぐらい離れたのに、かなり大きな轟音が聞こえてくる。

 《マカロフ》の船体は真っ二つに折れて、瞬く間に水中に没した。


「うええ、気持ち悪かった」


 ミクは、甲板の上で大の字になっていた。


「ミク、大丈夫か?」

「死ぬかと、思った。もう潜水艦はいやだよう」


 ミールの方に目を向けた。


「ミールは大丈夫だったの?」

「あたしは元々、船には強いですから……でも、進路反転百八十度は二度とゴメンです」


 だろうね。


 さてと……


 僕は艦橋から持ってきた人型ドローンを甲板に下ろした。

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