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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第九章

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脱出計画 (過去編)

 海斗を失って数日たち、香子はすっかりやつれていた。

 あの日以来、何を食べても吐き出してしまうのだ。

 点滴でなんとか命を繋いでいる状態。

 しかし、いつまでも落ち込んではいられなかった。

 補給基地を失い、リトル東京との連絡が途絶えた今、シーバ城が落ちるのは時間の問題。

 一刻も早くここから脱出しないと……


「大丈夫かね?」


 ダモンが心配そうに言ったのは、彼の執務室での事。


「ええ。ヘリコプターを操縦するくらいでしたら……なんとか……」


 ここ数日、シーバ城に取り残された三機のヘリコプターが、シーバ城を取り囲む帝国軍に爆撃を加えて、侵攻を阻んでいた。

 だが、それもそろそろ限界が近づいている。


「香子君。ヘリコプターで、城の人間を何人逃がす事ができる?」

「それは……」


 計画では、三機のうち一機に燃料を詰めるだけ積み、途中でその燃料を他の二機に補充して、燃料を積んできた一機は遺棄する事になっていた。

 城に残して行けない物資と、日本人をすべて乗せると、城のナーモ族を乗せる余裕は精々一人か二人。


「王妃と王子、そして、侍従と女官を一名ずつ乗せて欲しいのだが……無理かね?」


  香子はため息をついた。


「難しいですね。王子様と王妃様だけならリトル東京にお連れできますが……」

「国を再建するために、王子に教育をしなければならない。侍従と女官も連れていってほしいのだが……」

「ううん……」


 香子は頭の中で計算を始めた。計算をしている間に、お茶が運ばれてきたが、香子は気が付かない。


「香子君、お茶が冷めるよ」

「あ! 頂きます」


 香子は何気なく茶を飲んだ。飲み終わってから、茶碗の様式がおかしいことに気が付く。

 ナーモ族の使う茶器は、両側に取っ手がついているが、これは取っ手のない東洋風茶器。


「ダモンさん。このお茶碗、日本人が持ってきた物ですか?」

「いや、これは私が、三十年前にカルカ国の都で買った物だが……」

「カルカ国?」


 地球でも地域が変われば、陶磁器の様式だって変ってくる。この惑星だって、様式の違う茶器があったっておかしくない。しかし……


 香子は茶碗の裏を見て、これを作ったのが地球人だと確信した。

 そこには漢字で『竜』と書かれていたのだ。


(まさか!? 《天竜》?)


「ダモンさん。カルカとは、どこにあるのですか?」

「カルカは……」


 ダモンから、カルカ国の場所と、その国が滅びた経緯を聞いて確信した。

 カルカに《天竜》の人達がいる。


 しばらく考えたのち、香子は計画を変更する事にした。


 ヘリコプター三機のうち、二機をリトル東京に帰して、一機を《天竜》捜索のために旧カルカ国へ飛ばすことにしたのだ。

 こうすれば、ヘリコプターは二機ともリトル東京へ到着できる。

 ただし、運べる人数が減るがそれは構わない。自分を始め一部の人員はカルカへ向かうのだから。それに、カルカから、リトル東京に戻るプランも立てた。

 《天竜》の人たちがいるなら、きっとプリンターもあるに違いない。

 地図で見たところ、カルカから水路を通って内海に出られる。

 カルカのプリンターで船を作り、内海に出てひたすら西を目指せばリトル東京に到着できるはず。

 問題は、自分の他に誰を同行させるか。

 仲間達に話したところ、同行を申し出たのは芽衣だけだった。


 しかし、それでは困る。

 後、四人こっちへ来てくれないと、ナーモ族四人をリトル東京に送れない。

 だが、その計画を知ったダモンが意外な事を言った。


「カルカに行くなら、むしろそっちへ王妃と王子を連れて行ってほしい」


 旧カルカ国の西に、カルカから逃げてきた人達や亡命帝国人、亡命プシダー族が集まってできた町がある。

 そこの有力者には伝手があり、彼らなら王子と王妃を匿ってくれるはずだというのだ。


 こうして、脱出計画が決まり、その準備をしている時、芽衣が香子に妙な話を持ちかけてきた。

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