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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第八章

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虫よけプログラム

 周囲はすっかり闇に包まれた。

 車は廃墟の陰に隠して、今夜はここで夜営する事にしたのだ。


「しかし、カイトさん、大丈夫ですか?」


 ミールが心配そうに言う。


「なにが?」

「傷の手当をしなくて」

「仕方ないよ。ロボットスーツが、脱げないんだから」


 ロボットスーツの着脱装置。僕が今まで使っていた物は、九九式との互換性がなかった。

 先に芽衣ちゃんのスーツを修理してしまおうと思って、新しい着脱装置は芽衣ちゃんに使ってもらうと、修理完了まで十二時間となってしまったのだ。

 つまり、十二時間後まで僕はスーツを脱げない。

 まあ、脱ごうと思えば脱げない事もないが、九九式はかなり複雑な構造になっているので着脱装置に戻さないで脱ぐと、今度は装着できない。

 とりあえずヘルメットだけ脱げるので食事には困らないが……


「それに応急手当ならしてもらったし、大丈夫だって……」

「大丈夫ですか? まだ、どこか痛むのでは?」

「大丈夫、大丈夫」


 本当は、あちこちまだ痛むけど……


「だけど、そんなスーツを着たままでは眠れませんよ」

「いや、このスーツは着たままでも、快適に寝られるそうだから、ミクとキラが起きてきたら、交代で寝させてもらおう」


 ミクは車に戻った途端、後部シートで爆睡してしまっていた。式神を使いまくって疲れたのだろう。

 キラもダモンさんの様態を見ていたのだが、いつの間にか眠ってしまっていた。

 ダモンさんも命に別状はないようなので、そのまま寝かしてある。

 その横では、ミーチャはまだ寝ていた。薬が強すぎたのかな?


「あの、カイトさん」


 ミールが着脱装置を指差した。今は、その中で芽衣ちゃんのスーツが修理されている。


「よく分からないのですけど、この装置をプリンターで作れないのですか?」


 そういえば……


 僕はPちゃんの方を向いた。

 さっきから、Pちゃんは椅子座ったまま目を閉じてジッとしている。その頭に着いているアンテナが一本外され、代わりに繋がれたケーブルが一台のパソコンに繋がれていた。

 芽衣ちゃんがそのパソコンを使って何か操作している。


「芽衣ちゃん。Pちゃんは、今動けないのかい?」

「すみません。休止状態です。何か用があったのですか?」

「じゃあ、芽衣ちゃんに聞くけど、ブリンターで着脱装置は作れないの?」

「作れますけど、時間がかかります。プリンターが着脱装置を作るよりも、私のスーツが治る方が早いです」

「なんでそんなに……?」

「この着脱装置は、大量のナノマシーンが使われているのです。装置本体を作った後に、ナノマシーンを別に作って装置内に入れるのですが、ナノマシーンは作るのに一体あたり五秒かかります。それが一万体必要なので、全部終わるのに十三時間かかります」

「便利なようで、便利じゃないんだな。ところで、Pちゃんはどっか壊れちゃったの?」

「いえ。壊れたわけじゃありません。点検と、それと少し、プログラムを変更しようと思いまして」

「ああ! 様付で呼ばせるのを止めさせたいのだね」


 一瞬、芽衣ちゃんの動きが凍りついた。

 次の瞬間、僕の正面に駆けより僕の右手を握りしめる。


「違うんです! 違うんです! あれは私がプログラムしたのじゃありません」


 いや、そんな涙流して訴えなくても……


「P0371が自分で学習して、誰にどんな敬称を付けるか自分で判断した結果です! 決して、AIに『芽衣様』と呼ばせて、悦に浸りたいとか思ってプログラムしたわけじゃありません。信じて下さい!」

「わかった! 信じる! 信じるから涙拭いて」

「はい」

「しかし、別にいいんじゃないの? Pちゃんに取って芽衣ちゃんは生みの親みたいなものだし、『芽衣様』と呼ぶのが最適だと思うけど……」

「そうでしょうか?」

「それを言うならPちゃんに『ご主人様』と呼ばれている僕はどうなる?」

「そうですね……考えてみれば『様』をつけるなって言われたら、AIの方が困っちゃいますね」

「そうだろ。それで、様付を止めさせるのではないとしたら、何をやっていたの?」

「虫よけプログラムを解除しようと思いまして」

「虫よけ?」

「北村さんに、他の女性が近づくのを妨害するプログラムです」

「なんですって!?」


 ミールが詰め寄って来た。


「じゃあ、Pちゃんがいつも、あたしとカイトさんの愛を妨害するのは、あなたのせいでしたの?」 

「ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい! 全部、私が悪かったのです!」

「まあ、いいです。解除してくれるのですよね。それならこれからは……」


 いきなりミールが僕に抱き着いてきた。

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