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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第八章

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共闘継続

「そう。逃げられちゃったのね」


 みんなのところに戻ってから、成瀬ドローンにこの事を話してみた。


「直前までは、車内にいた形跡があったのだけど、いったいどうやって逃げたのだか……」

「ここで、そんな事を考えても意味はないわ。私が直接矢納から聞き出してみる」

「そうですか。ところで、矢納さんは、取り逃がしたけど、共闘関係はどうします? まだ続けますか?」

「北村君は、どうしたい?」

「僕の方のメリットが大きいと思うけど。少なくとも敵を分裂させておけるし……それとも、そっちには他にも僕の知らないメリットでも?」

「あったとしても、それを教えると思う?」

「いいえ」

「とにかく、私としては君との共闘を続ける事を希望するわ。君は?」

「その前に、言っておくことが」

「なに?」

「僕達は、明日の朝にはカルカシェルターへ入ります。それを妨害する気なら、共闘関係はここまでだけど、どうします?」

「難しいわね。少し相談させて」


 ドローンが沈黙した。相談相手というのは恐らく『中の人』だろう。

 僕らは『洗脳』と言っていたけど、どうもこれは本来の意味での『洗脳』とは違うみたいだ。

 比喩だと思うが、『憑依』という言葉を成瀬真須美は使っていた。

 もちろん、悪霊が憑りついたという意味ではないと思うが、それに近いことだとすると、他人の人格を送り込まれて、多重人格のような状態にされたのだろうか?

 元の人格は残っているけど、送り込まれた人格の方に主導権を握られて抵抗できない状態?

 もし、そうなら、人格を統合すればあるいは……


「あの……北村さん」


 芽衣ちゃんに話しかけられて、僕は我に返った。


「ああ! ゴメン、考え事をしていて……なに?」

「あの……北村さんの車には、ブリンターは積んであるのでしょうか?」

「え? ああ、あるけど……」

「よかった。プリンターさえあれば、あたしのロボットスーツも修理できるのです」


 そうか、僕のロボットスーツも、必要な交換部品はプリンターで作っていたからな。芽衣ちゃんのロボットスーツが、ダメになったのはブリンターがなかったからか。


「カルカシェルターの中に、プリンターはなかったのかい?」


 芽衣ちゃんは首を横にふった。


「ここに来ればプリンターがあると期待したのですが、三十年前の戦いで破壊されてしまったそうです」

「そうだったのか」

「車は近くにあるのですか?」

「車は……いや、車のところへ戻ろう。その方が早い」

 

 成瀬ドローンが再び起動したのは、丁度全員車の近くに戻った時だった。


「ゴメンね。待たせちゃって、奴は君をカルカシェルターの中に入れたくなかったみたいだけど、ここは譲歩するそうよ」

「それなら、共闘は継続ということでいいでしょう」

「ただ、実を言うと奴も帝国軍を完全にコントロールできるわけじゃないの。その理由は話せないけど、ドーム周辺の帝国軍一個中隊を撤退させるのは無理だそうよ。だから、君たちが入ろうとすれば、妨害にくると思うわ。それは大目に見てね。一個中隊程度なら蹴散らせるでしょ」

「確かに……ただ、僕も手加減はしませんよ」

「いいわよ。私も隊長には、撤退するように忠告はしておくわ。忠告を聞かないようなら、殺しちゃっても構わないわよ」

「いいのですか? あなたにとっては味方でしょ」

「私、命を粗末にするバカは、見捨てることにしているの。じゃあ、後程」


 成瀬ドローンはそれっきり動かなくなった。コンタクトを絶ったのだろう。


 僕は芽衣ちゃんの方を向いた。


「一応聞くけど。ドームの他にカルカシェルターへの出入り口はないの?」

「ある事はあるのですが、場所がはっきり分かるのはドームだけなのです」

「しかし、ドーム周辺が帝国軍に囲まれているのに……」


 僕は着脱装置を指差した。


「よくこんな重い物を、持ってこれたね」

「途中までは、空を飛んで来ましたから。なんとか帝国軍の囲みを突破したあたりで、ICパックがダメになって……」

「そうだったのか」

「ねえ、お兄ちゃん」


 ミクが話に割り込んできた。


「朝まで待たないで、今すぐシェルターに駆け込めないの?」

「僕とミクだけなら、行けるよ。でも、車ごと帝国軍を突破するのは危険だ。僕らがこの道を通ってくることは、ばれている。すでに道路の途中に爆薬が仕掛けられているそうだし、途中で狙撃されるかもしれない」

「そっか」

「今は、蛇型ドローンを走らせて、狙撃兵と爆薬の位置を確認している。明るくなってから、そいつらを片付けて一気に突入するんだ」


 僕はPちゃんの方を向いた。


「Pちゃん。爆薬は見つかったかい?」

「はい。ミーチャさんの言っていた辺りにありました。ところで、ご主人様。共闘を続けるのは良いとして、あの子はどうします?」

「ミーチャの事か?」

「そうです。エラ・アレンスキーがいないなら、もう帝国軍に帰してもいいかと思いますが」


 それも、そうだが……


「いや、ミーチャはしばらく、手元においておこう」

「どうしてですか?」

「今から戦う帝国軍の中に、ミーチャがいたら攻撃しにくい」


 帝国軍との戦いになって、その戦場跡からミーチャの死体でも出てきたらトラウマだぞ。


「甘いかな? ミール」


 僕はミールの方を見た。


「甘いかもしれませんが、あたしもあの子の死体が戦場に転がっているところを見たくありません」


 決まりだな。

 ミーチャは手元におくことにした。

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