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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第八章

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桜色のロボットスーツ

 声の方に目を向けると、桜色のロボットスーツがこっちへ走ってくるところだった。

 ロボットスーツは、何か大きな荷物を持っている。

 僕の近くに、その荷物を置いた。


 これは!? ロボットスーツの着脱装置。それに外部電源?


 荷物を降ろしたロボットスーツは、ナイフを手にしていた。


「北村さん。今お助けします」


 ロボットスーツは手にしていたナイフで、僕を縛っていたロープを切ってくれた。


「ありがとう。君は……」

「私です」


 ロボットスーツのバイザーが開いた。

 大きなメガネをかけた若い女の子。


「芽衣ちゃん!」

「私のこと、ご存じでしたよね? ミクちゃんから、聞きましたけど……」

「ミクから! ミクと、どこで会ったの?」

「あ! 言い忘れました。さっき、北村さんのドローンが敵と交戦していたとき、私も助けに行こうと飛び出したのです。でも、私のロボットスーツ、かなりガタが来ちゃっていて……通信機も、送信機能がダメになっていて、北村さんと連絡が取れなくて」


 それじゃあ、あの飛行体は芽衣ちゃんのロボットスーツだったのか!?


「でも、受信だけは出来たのです。だから北村さんの通信を傍受していたのですが、そしたらミクちゃんが危ないって分かって、急いで向かったのです。間一髪でミクちゃんを受け止めたのですが、無理をし過ぎたせいか慣性制御装置の調子が悪くなって、仕方なく基地へ引き返したのです」

「それじゃあ、君がミクを助けてくれたのか?」

「すみません。北村さんが心配しているって分かっていたのに、連絡もできなくて」

「いや、良いんだ。君のおかげでミクが助かった。ありがとう」

「そんな、お礼を言われるような事なんて……」


「お兄ちゃん!」「カイトさん!」「ご主人様」


 ミールとPちゃん、そしてミクが僕の方に駆けてきた。


「カイトさん、あたし達の友情の勝利です」


 ミール……ありがとう……君がいなかったら、僕は絶望していたかもしれない。


「ご主人様、遅くなって申し訳ありません。ダモン様の手術に時間がかかりました。ダモン様でしたら、大丈夫です。今、キラさんが見てくれています」


 Pちゃん、治療を優先しろと言ったのは僕なのだから、謝る事ないのに……

 

「お兄ちゃん、やったよ。あのオバン、ボッコボッコしてやって、埋めてやった」


 だがら女の子が、そういう物騒な事を……


 ミクが僕の眼前に駆け寄ってきていた。

 思わず僕は、ミクを抱きしめていた。


「え? お兄ちゃん、どうしたの? もしかして、ミールちゃんから、あたしに乗り換えるの?」

「バカ! そんなんじゃない」

「お兄ちゃん、どうしたの? 涙なんか流して。どっか痛いの?」

「違う」


 ミールがミクの肩をポンポンと叩いた。

 ミクはミールの方を向く。


「ミールちゃん。どうしたの?」

「カイトさんは、ミクちゃんを女として抱いているのではありません。小動物を可愛がるような気持ちで抱いているのです」

「なによ! 小動物って!」

「カイトさんは、ミクちゃんが死んだと思って、凄く泣いたのですよ」

「え! そうだったの! ごめん! お兄ちゃん、心配させて」

「いいんだよ。生きて帰って来てくれたのだから……」


 そこで、僕はミクを離した。


「もう、心配かけないでくれよ」

「うん、ごめんね。お兄ちゃん」

 

 そこへ芽衣ちゃんがミクの肩をポンと叩いた。


「なに? 芽衣ちゃん」

「ミクちゃん、今言った事はどういう事ですか? 北村さんが、誰からミクちゃんに乗り換えるって……」

「それはミールちゃん……あ!」


 ミクは『しまった』て、顔をした。


「ミールちゃん? 誰ですか?」

「あたしですけど、何か?」


 芽衣ちゃんがミールの方を向く。


「ナーモ族の女の子? どういう事です? P0371」


 Pちゃんが、芽衣ちゃんの前に来て頭を下げた。


「申し訳ありません。芽衣様。私の力不足でした」


 芽衣様? そうか、Pちゃんにとって芽衣ちゃんは親のようなものだからな。


 それからPちゃんは、塩湖に降りてから今までの経緯を芽衣ちゃんに説明した。


 聞き終わった芽衣ちゃんは、疲れたように溜息をつく。


「本当に申し訳ありません。芽衣様」

「もう、いいですよ。P0371」

「いいのですか? 芽衣様」

「あんなプログラムを、あなたに入れたのが間違えでした。生データから作られた北村さんが、誰と付き合うかなんて、私が強制していい事ではなかったのです。北村さんが、ナーモ族の女の子を選んだのなら仕方ありません。私には、それを止める権利はないのです。でも……」

 

 芽衣ちゃんは僕の方を振り向いた。


「北村さん。一度、香子さんと会って下さい。恋人ではなく、幼馴染としてでもいいです」

「もちろん、僕は香子とは会うつもりだよ」


 でないと、このモヤモヤした気持ちが治まらない。


「ぜひ、お願いします。そうすれば、香子さんも少しは元気になってくれるかも」


 そんなにひどいのか?


「あ! それとP0371。私に『様』を付けるのはやめてください。私の事は『芽衣さん』でいいです」

「どうしてですか? 芽衣様」

「様をつけないで! AIに自分を『様付け』で呼ばせて喜んでいる痛い女の子と、北村さんに思われちゃうじゃないですか!」

 

 いや、思ってないから……ていうか、Pちゃんにずっと『ご主人様』と呼ばせていた僕も、痛い奴と思われていないだろうか?


 その時、Pちゃんのアンテナが激しく動いた。


「ご主人様、芽衣様、ドローンの大群がこっちへ向っています」


 矢納さんのドローンだな。


「様を付けないでえ!」


 いや、芽衣ちゃん。今はそれどころじゃないって……

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