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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第八章

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捕われの身

 意識が戻るまでに、どのぐらい時間がかかっただろう。

 とりあえず、僕はまだ死んではいないみたいだ。

 ただ、身体が動かせない。

 誰かに左右の二の腕を押さえつけられ、さらに腰の辺りに何か重いものが乗っかっている感覚がある。

 耳には何かヘッドフォンのような物が付いている感覚が……翻訳ディバイスだろうか?


 目を開くと、猟奇的な笑みを浮かべたエラ・アレンスキーの顔が眼前にあった。


「ひ!」

 

 背筋に猛烈な悪寒が走る。


 どうやら、地面に大の字に横たわっている僕に、エラがのし掛かっているようだ。

 左右の二の腕は抑えつけられ、腰の上にはエラが跨っていた。


 エラが帝国語で何かを喋る。


 すぐにヘッドホンから日本語訳が流れた。


「目を覚ましたか。カイト・キタムラ」


 今度こそ殺される!


 奴を跳ね除けようと腕に力を込めたが……


「うわわわ!」


 電撃による激痛が、僕の身体中を駆け巡った。


「抵抗したければするがいい。その都度、君は私の電撃に悶絶するのだよ」

「な……なぜ……殺さない?」

「殺す? そんなもったいない事、誰がするか」

「もったいない?」


 するとエラは、僕の顔に舐めるような視線を走られせた。


「お前、可愛いじゃないか」


 ゾク!


「美形ではないだと? この嘘つきめ。こんな可愛い顔をしているくせに」


 エラは僕に顔を近づけてきた。


 何をする気だ?


 ベロ! 


「ひ!」


 頬を舐めている! 僕の頬をべろべろと……


「やめろ! 止めてくれえ!」

「ふふふ……その嫌がるところが、ますます可愛い」

「男に向かって、可愛いなんて言うな!」

「可愛いものを、可愛いと言って何が悪い。矢納が君を殺したがる理由もよく分かる。あいつは、不細工だからな」

「矢納さんが?」

「君は矢納の部下だったそうだな。君があいつの下に配属された時、職場の女たちが君にチヤホヤするのが、そうとう気に入らなかったらしい。それで、散々君をいびったそうだ」

「そんな事が……」

「そんな事にも気が付かないほど、君は天然だったそうだな。それが余計に矢納をいらだたせたそうだ」

「……」

「どうだ、理不尽だろう? 矢納が憎くないか? そんな理不尽な理由で君を苛めた矢納が憎いだろう? なんなら私の手で、あいつを消し炭にしてやってもいいぞ」

「はあ? 何言ってるんだよ? 矢納さんは、あんたの味方で僕は敵だろ」

「そんな事は関係ない。可愛い男を苛めていいのは私だけ。私以外の奴が、私の男に手を出したらぶっ殺す。例え味方であってもな」

「そもそも、僕はあんたの男じゃない」

「君の意思など関係ない。私が自分の男だと決めたら私の男だ」

「ふざけるな! 僕は誰のものでもない!」

「強がっていられるのは今のうちだ」


 電撃の激痛が僕の身体中を駆け巡った。


「うわわわわわわ!」

「ふふふ、良い声だ。もっと聞かせろ。うふふふふ」


 激痛に耐えきれず、僕の意識は再び暗転した。


 次に意識が戻った時、口の中で生暖かい何かが蠢く感覚が……


「ん! んぐぅ」


 エラは僕から唇を放した。


 次は鼻の頭を舐めてくる。


「やめろ!」

「キスの方が良かったか?」

「よくない」



「カイトさんから離れなさーい!」


 ミールの声!?


 声の方に首を向けると、戦斧を構えたミールの分身が飛び掛かってくるのが見えた。

 だが、次の瞬間、プラズマボールが分身を消しさる。


「さっきから、カ・モ・ミールが、しつこく君を取り返しに来ている。あの女、よっぽど、君に惚れているようだな」

 

 周囲に目を向けると、分身達(ミールズ)が僕を取り囲み、攻撃する機会をうかがっていた。


「エラ! ミールに見せつけるために……」

「そうさ。君にキスをしたら、今まで遠巻きにしていた分身が一斉に飛び掛かって来た。よほど頭に血が上ったようだな」


 エラは、また顔を近づけてきた。

 頬を舐められる。  


「カイトさん! 今、お助けします」


 長剣を構えたミールの分身が飛びかかってきた。


「無駄だ」


 エラが叫ぶと同時に放ったプラズマボールを食らって、ミールの分身はたちまちのうちに消滅した。


「ミール! 逃げろ!」

「そんな事、できるわけないじゃないですか!」

「え?」

「カイトさんは、いつもあたしを助けてくれました。初めて会った時も、シーバ城で捕まった時も、カイトさんはいつもあたしを助けてくれました。今度は、あたしがお助けする番です。だから、お願いです。絶対に絶望しないで下さい。カイトさんを助けるために、あたしも、Pちゃんも、ダモン様も、キラも、そしてナ……匿名希望の方も動いています」


 匿名希望……成瀬真須美か。


「だから、最後まであきらめないで下さい。絶対に助け出します」


「言いたい事は、それだけか? カ・モ・ミール。お前の能力でどうしようと言うのだ?」

「確かに、あたし一人の力では、あなたに勝てません。でも、あたしには助けてくれる仲間がいます。友達が一人もいない寂しいあなたなんかには負けません」

「違う! 私は友達がいないのではない! 作らないだけだ! 必要ないからな」

「まるで作ろうと思えば、作れるような言い方ですね」

「喧しい! 友達なんていても、煩わしいだけだ!」


 エラはプラズマボールを撃ちまくった。


「黙れ! 黙れ! 黙れ! 私は寂しくなんかない!」


 最後の一体を消し去っても、まだエラはプラズマボールを撃ち続けた。

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