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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第八章

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魔力切れ?

 ロボットスーツを三時間活動させられるだけの電力を蓄えた超電導物質に、プラズマが当たればどうなるか?

 奴は、そこを理解していなかったようだ。

 外部電源にプラズマが直撃したのを確認すると、僕は真っ先に爆風を凌げそうな物陰を探して飛び込んだ。

 外部電源が大爆発したのは、その直後。

 

 残時間 二百七十秒


 いけない。ロボットスーツを省電力モードに……これで、しばらく電力は持つ。


 物陰に隠れたまま、ドローンからの映像を見ていると、エラと三人の騎兵も爆風を受けて落馬していた。

 そのまま死ぬか重症を負ってくれないかと期待したが、それは甘かったようだ。

 二人の騎兵は動けなくなったが、エラはしっかりとした足取りで立ち上がった。

 大した怪我を負った様子もない。

 

 ん? 生き残っていた一人の騎兵が、エラの背後から忍び寄っていた。


 フリントロック銃をエラに向ける。


 なるほど、これが後ろ弾という奴だな。


 エラへの日頃の恨みを晴らす絶好のチャンスというわけだ。


 今、撃てば目撃者はいない。エラはさっきの爆発で死んだと報告すれば済むと考えての行動だろ。


 日頃から部下を苛めて、恨みを買っていたエラには相応しい最後だな。


 いやダメだ。あの騎兵、手が震えている。


 あれじゃあ、弾は当たらない。


 案の定、弾はエラを掠めただけだった。


 当然、怒り狂ったエラの電撃を浴びせられ騎兵は倒される。


 だが、暴行はそれで治まらなかった。

 

 エラは騎兵の鎧を剥ぎ取り、直接殴り付けた。


 鎧で分からなかったけど、あの騎兵、ミーチャと同じ年頃の少年。


 顔も女の子のように可愛い。


 あいつの趣味か。


 泣き叫ぶ少年に、エラはさらに暴行を加えた。


 こ……これは酷すぎる。


「止めろ! エラ・アランスキー! お前の相手は、この僕だ!」


 エラは、僕の方をふり向いた。


 その手は、泣き叫ぶ少年の髪を掴んでいる。


「なんだ。誰かと思えばカイト キタムラじゃないか。生きていたのか」

「その子から手を離せ」

「それは出来ぬな。こいつは、上官に銃は向けた。反逆罪だ」

「それはお前が、その子を苛めるからだろう」

「笑止。軍隊で部下を苛めるのは、上司の義務ではないか」

「下らない冗談に、付き合う気はない。今すぐ、その子を離せ。さもなくば……」

「さもなくば、どうする? 聞くところによると君は、女は殺さないそうだな。私は女だが、どうするのだ?」

「それには、若干訂正がある。僕が殺さないのは、可愛くて()()女だ。お前はそれに、該当しない」


 途端にエラは怒りの形相を浮かべた。


「き……貴様……今『若い』のところを、強調したな!」

「それは、気のせいだ」

「黙れ!」


 エラは僕に向かってプラズマボールを放つ。


 しかし、プラズマボールがぶつかる寸前にロボットスーツは消滅した。


 すぐに別の場所に、ロボットスーツが出現する。


「どこを見ている。僕はここだ」

「おのれ。何時の間に」


 エラは、再びプラズマボールを放った。


 しかし、今度もロボットスーツはプラズマボールがぶつかる寸前に消滅。


「どこを狙っている」「ここだここだ」


 二体のロボットスーツが現れた。


「こ……これは?」


 どちらを攻撃すべきか、エラが迷っている間にロボットスーツは十体に増えた。


「そうか! これは高速で動き回って、残像を作る分身の術だな」


 んなわけない。


 時代劇愛好者らしい思い違いだが、本物の僕は、さっきから物陰に隠れている。

 さっきから、エラが戦っているのは、蛇型ドローンが投影している立体映像だ。


「くそ! いったいどれが本物なんだ!」


 エラは必死になって、立体映像に向かってプラズマボールを撃ちまくっていた。


 僕の方も必死だ。プラズマがぶつかる前に映像を消さなきゃならない。


 ぶつかったら映像だとばれる。


 その操作を、僕は手元のウェアラブルコンピューターを使い手動でやっていたのだ。


 そうしている内に、エラが撃ち出すプラズマボールの数が目に見えて減って来た。 

 

 僕は通信機のスイッチを入れる。


「ミール。エラの様子が見えるかい?」

『はい。よく見えます』

「奴の魔力残量は、分かるかい?」

『それは無理です。あたしが魔光を見られるのは、魔法回復薬を飲んでから一時間ほどですから』

「そうか。無理を言って済まない」

『でも、あの様子だと間もなく魔力切れです』


 ミールがそう言った後あたりから、エラはプラズマボールを出さなくなった。


 魔力切れ?


「クソ! 薬……薬を……」


 エラは、懐に手を入れて何かを探す。


 そこに薬があるのか?


「ミール。今だ」

『はい』


 隠れ場所から、ミーチャが飛び出してきた。


「大尉殿」

「ん?」


 エラは声の方を向く。


「ミーチャではないか。貴様こんなところで何をしていた?」

「申し訳ありません。廃墟の中で道に迷ってしまいました。そしたら、大きな音が聞こえたので、ここまで来ました次第であります」

「そうか。まあ、とにかくいいところへ来た。薬を出せ」

「はい」


 ミーチャは、薬袋をエラに差し出す。


 さあ飲め。


 それは回復薬に似せて、プリンターで作った眠り薬。


 エラはミーチャの差し出す薬袋に手を伸ばす。


 さあ、受け取れ。そして飲んで眠ってしまえ。


 エラの手が薬袋まで十センチのところまで来たとき、突然エラの掌が光を帯びた。


「バカメ!」


 エラの掌に、小さなプラズマボールが発生して、薬袋を焼き切った。


 まだそんな魔力が残っていたのか


 分身のミーチャは、咄嗟に離れて無事だっだようだが……


「大尉殿! 何をなさるのです?」

「黙れ! 貴様、ミーチャではないな」

 

 見破られた?




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