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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第八章

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作戦会議

 エラの薬がここにある。


 という事は……


 さっき、ドローンを落とすのに、エラはかなり魔力を消費したが……


「北村君。ちょっと壁を借りるわよ」

「え?」

「これは私のウェアラブルカメラの映像よ」


 成瀬ドローンが、テントの壁……というか布に向かってレーザーを照射した。

 やがて映像が現れる。


 プロジェクションマッピング!


 映像にはエラの様子が映っていた。

 食事中のようだが、物凄い勢いで大きな肉の塊に齧り付いてる。

 足元には、すでに食べ終えた肉の骨がいくつも散乱していた。


「これは!?」


 ミールに視線を向けた。


「魔力切れのようですね。しかも、食事で魔力を回復させようとしているという事は……」


 ミールはテーブルに置いた薬袋を指差した。


「薬は、これで全部ということかしら?」


 成瀬ドローンがテーブルに飛び乗る。


「そこまで期待しない方がいいわね。少なくとも一個か二個は緊急用に、肌身離さず持っていると考えた方がいいわ」


 しかし……


「こんな大事なものの管理を、他人任せにするものかな?」


 何気なく呟いた僕の疑問にキラが答えた。


「いや、あの女ならありうる。あいつは整理整頓が、まったくできない女だ。自分で薬を管理すれば、絶対にどこかで無くす」

「そうなの?」

「実際、私があの女の下にいた頃は、身の回り品々の管理は私がやっていた。その時あいつは『私が管理すると絶対に無くす』と自分で言っていたぐらいだからな」

「そうなんだ」

「一度あいつの部屋に行ったことがあるが、酷い部屋だった。『散らかっている』などという言葉では表現できない。得体のしれない物品が積み込まれ、人一人がやっと通れる空洞があるくらいだ」


 それは、津嶋朋靖の部屋より酷いな。

 

 まあ、それはともかく……


「そんな大事なものを管理させている子を、虐待したのがあいつの運のつきだな。奴が隠し持っている薬を使って回復できるのは、精々一回か二回。そこを突いて攻撃しようと思うけど、みんなの意見は?」

 

 僕はミールに目を向けた。


「あたしは賛成です」


 Pちゃんに目を向けた。


「私も賛成です」


 キラを見た。


「私もそれでいいと思う」


 ダモンさんを見た。


「基本的にはそれでいいが、わしはもう少し慎重にブランを練った方がいいと思う」


 そうですね。


 成瀬ドローンの目を向けた。


「慎重にやるのは賛成だけど、時間はあまりかけない方がいいわ。利敵行為になるので、今の居場所は言えないけど、後二時間ほどすると矢納と矢部がこっちへ来てしまう。エラは倒すなら、その前にするべきよ。それにエラは、今のところミーチャはどこかに隠れているだけで、近くにいると思っているわ」

「今が好機という事か」

「そうよ」

「成瀬さん。その前に一つ聞きたい事がある?」

「なあに? 北村君」

「何故、矢納とエラを排除しようとするのです?」

「私が嫌いだから……と言ったら、信じる?」

「いいえ。あなたは、公私混同するよう人には見えない」

「やはり分かっちゃったわね。実はあの二人を粛清する命令が出ているのよ。私への命令者が誰かは言えないけど、あの二人は組織の中のガン細胞のような物。摘出手術が必要という事よ」

「そこまで言う? エラってかなり強いでしょ。帝国軍に必要な戦力じゃないの?」

「強いけど、必ずしも必要ではないわ。むしろ害悪の方が大きくなってきた。少年兵はミーチャみたいな孤児だけじゃない。中には貴族の子もいる。なので、エラに虐待された少年兵の親から抗議が殺到しているのよ」


 そうだろうな。


「ミーチャも親はいないけど、ミーチャを護衛に着けてもらっていたお姫様が、ミーチャが虐待された事を知ってカンカンよ。弟のように可愛がっていたミーチャを自分から取り上げた上に苛めるなんてって」

「弟? 着せ替え人形の間違えでは?」

「あら? なんで知っているの?」

「本人が言っていた。お姫様が、僕に嫌な事をするって」

「ははは。私が入ってくる前に、聞いてしまったのね」

「ひょっとして、粛清を命令してのは、そのお姫様では?」

「ノーコメント」


 図星だな。


「だけど、それならどうして裁判にかけないのです?」

「エラは性格があれだけど、一応英雄なのよね。ナーモ族やプシダー族の魔法使いを何人も倒しているし、リトル東京では多くのドローンを撃墜している。ロボットスーツも二体倒した。そんな英雄を裁判にかけると、色々と問題なの。だから、戦場でさり気なく戦死するように仕向けるのが私の受けた命令」

「エラは分かりましたが、矢納さんを粛清する理由は?」

「君も地球で、あいつのパワハラに苦労したのなら分かるでしょ。あいつの性格の悪さ」

「性格が悪いと殺されるんですか?」

「そういうわけじゃないけどね。詳しく言ってる時間はないけど、帝国内でのあいつの行いが、だんだん目に余るようになってきたのよ。しかし、おおっぴらに悪さをしたわけじゃないから、裁判にかけにくい。だから、エラのついでに粛清しようということになったの」


 あの人はついでか……


「しかし、洗脳しているのに、どうして思い通りにならないの?」

「矢納は、洗脳なんかされてないわよ」

「なんだって!?」

「あいつは自由意思で、帝国に寝返ったのよ。君に復讐するために」

「そこまでする?」

「それだけ根性が腐っているのよ。帝国内でも評判悪いわ」

「まあ、二人を排除する理由は分かりましたが、そのために僕と手を組むことに関しては問題ないの?」

「必要なら、やってもいいと言われているわ」


「一応納得しました」


 それから三十分後。僕らは作戦を開始した。


 テーブルの上の成瀬ドローンが僕の前に歩みよる。


「それじゃあ、私は一度ドローンのコントロールを切るわね。あなた達が攻撃を開始したら、一般の兵士たちはエラから引き離すようにするから。それと、エラを誘導してほしいところとかある?」


 僕は航空写真の一か所を指差した。


「分かったわ。エラがそこへ行くように仕向ける。では後程」


 成瀬ドローンは座り込んで活動を停止した。

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