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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第八章

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ミク、碧空に散る

 ミクを追尾していた二機のドローンのうち、一機が方向を変えて僕に向かってきた。


「邪魔だあ!」

  

 射程距離に入ると同時に、バルカン砲のトリガーを引く。

 ほぼ同時に、相手も撃ち返してきた。

 互いの曳光弾が交差する。

 しばらくして、相手のドローンは火を噴いて落ちていった。

 こっちも数発食らったが、損傷は軽微。機能に問題はない。


 よし! 次のドローンを……あれ? ドローンがいない。

 

 どこだ? まさか、ステルス?


 いや、見つけた。

 火を噴いて墜落していく途中だ。

 誰が、こんな事を……?


 まさか!?


 通信機のスイッチを入れる。


「ミク。もう一機を落としたのはお前か?」

『そうだよ』

「どうやって?」

『オボロの(いかずち)で』

「そんな事、できたのか?」


 考えてみれば、僕はミクの式神に、どんな能力があるのか、まったく知らなかった。

 オボロは、空を飛べるだけかと……


『もう、お兄ちゃんてば、あたしの実力分かってないんだから。オボロの能力なら、あんなドローンの十や二十どうってことないのに』


 そうだったのか……?


『だから、残りの四機は、全部あたしが落としてやるから任せて』


 そうか、任せていいのか……いや、何か大切な事を忘れているような……


「カイトさん!」

 

 突然、ロボットスーツのバイザーが開かれた。

 分身達(ミールズ)の一人が、開閉ボタンを押したらしいが……


「ミール。どうしたんだ?」

「すぐに、ミクちゃんを呼び戻して下さい! このままでは危険です」

「どうして?」

「あの子の魔力消費、半端じゃないのですよ。空を飛ぶだけでも大変なのに、今の雷魔法で、信じられない量の魔力を使いました。もう一度あんな無茶をしたら、魔力が尽きて、式神が消えてしまいます」

「え?」

「地上で消えるならいいですが、あの高さで消滅したら……」


 大変だ!


 通信機を入れた。


「ミク! すぐに戻ってこい!」

『もう、お兄ちゃんたら、まだあたしの実力を信じないの?』

「実力は認めるから……とにかく、今は戻ってこい!」

『あたし、聞いていたよ』

「え?」

『あいつと、お兄ちゃんの通信』

「そ……そうか」

『あいつなんでしょ? お兄ちゃんに『自殺しろ』なんて言った嫌な男って』

「おい……ミク……」

『ごめん。あたし、地球にいる時に、お兄ちゃんのSNS見ちゃったんだ』

「そうか。それは分かったから、とにかく戻って……」

『イヤ! あたし逃げない』

「ミク……」

『あいつだけは許せない。お兄ちゃんに『死ね』なんて言ったあんな奴、絶対に許さない!』

「よせ! ミク! 本当に危険なんだ!」


 ダメだ。ミクの奴、通信機を切った。


 どうすれば……


 ミールの魔法なら……?


「ミール。空を飛べる分身って……本当に作れないの?」


 ミールは首を横にふった。


「無理か」

「せめて、近くに鳥がいれば、鳥の分身を作れるのですが」

「そうだ! ベジドラゴンを……」

「さっきから、あたしの本体が竜笛を拭いているのですが、近くにベジドラゴンはいないようです」

「くく……」


 レーダーを見ると、ミクのオボロが、四機のジェットドローン目がけて突進していた。

 こうなったら菊花を……

 ミクぐらいの体重なら、菊花のリフトファンで何とか支えられるかもしれない。

 いや、支えられなくても、落下速度を緩和できる。

 他に方法はない。


 ドローン群とミクの衝突予想空域に菊花を向けたその時、Pちゃんから通信が入った。


『ご主人様! 新手の飛行物体が、戦闘空域に向かっていきます』

「なんだって!?」


 レーダーのレンジを広げると、猛スピードで戦闘空域に向かう物体がいた。


 くそ! これでは、菊花でミクを受け止めても、今度はあいつに落とされる。


 空に閃光が瞬いた。

 

 これが、朧の(いかずち)なのか?

 

 閃光が治まった後、四機のドローンは砂漠に落下していく。

 ミクのオボロだけが、空中に残っていた。


『お兄ちゃん、見てくれた?』


 通信は回復したが、ミクの声にはどこか元気がない。


「ああ。見たぞ、よくやってくれた」

『あたし凄いでしょ』

「ああ……すごいぞ」


 まだ、大丈夫なのか?


『へへへ……ほめてほめて! あれ?』

「どうした? ミク」

『な……なんか急に力が……抜けて……』


 まずい!


「ミク。そっちに菊花が向かっているのが、見えるか?」

『キッカ? ああ! お兄ちゃんのジェットドローンね。見えるよ』

「菊花が近づいたら、それに飛び移れ。おまえの重さなら、菊花のリフトファンでも持ち上げられる」


 正直、持ち上げられる自信はないが……今はそれしかない。


 さっきにのドローンが来る前に、地表に不時着させることさえできれば……


『え? なんで? あたしにはオボロが……あれ? オボロが消えそうだよ。お兄ちゃん! 助けて! オボロが消えちゃう!』

「菊花がそっちに行くまで、オボロを持たせるんだ!」

『うん、分かった。オボロ。もう少し頑張って!』


 バイザーに、菊花からの映像を表示した。


 オボロの姿が映る。

 もう、糸なんかではなくてちゃんとした竜の形に見える。

 やはり、出現消滅を繰り返しているのだが、消滅時間の方が長くなっている。

 消える兆候だ。

 間に合うか。


『警報! 後方よりアンノウン接近』


 なに!?


 レーダーに切り替えると、さっき現れた飛行体が菊花の真後ろから急速接近してくるところだった。

 

 くそ! もう来たのか。


 対応する間もなく、菊花は追い抜かれる。

 再び、映像に戻した時、その飛行体は真っ直ぐオボロに向かって飛んでいた。

 次の瞬間、眩い光が発生してオボロも飛行体も包み込まれる。


 光が治まった時、オボロも飛行体も姿がなかった。


「ミクゥゥゥゥ!」 

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