表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第七章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

157/690

酒場3

 男たちは、おっさんの周りに集まった。

 おっさんが徐に葉巻を咥える。

 すると背の低い男が、マッチの火をおっさんに差し出した。

「あたし、タバコきらーい!」

 その様子を見ていたミクが顔をしかめる。

 男たちにも、ミクの声が聞こえたようだが、日本語は分からないようだ。


 当然か……いや、そうとも言えんな。リトル東京ができてから五年は経過している。

 エシャーですら、片言の日本語が分かるんだ。ナーモ族や帝国人の中に、日本語の分かる人がいる可能性だってないとは言い切れない


 幸いこの中にはいないようだ。二~三人がこっちをチラっと振り向いたが「何を言ってるんだ?」というな表情だった。

 だが。これからは少し気を付けないと……

「こら。ミク。そういう事を口に出して言うものじゃない」

「だって、タバコって臭いんだもん」

「だからと言ってな……」

電脳空間(サイバースペース)のお兄ちゃんは、カルルがタバコを吸うと『臭いから余所で吸え』とか『煙吸ってもいいが吐き出すな』とか言ってたよ」

「う……」

 電脳空間(サイバースペース)の僕は、そんな嫌味な奴なのか?


 おっさんが大きく煙を吐き出す。

「それで、ゴランの隊は見つかったのか?」

 おっさんの質問に、さっき火を差し出した小男が答える。

「見つかった事は、見つかったのですが……酷い有様でした」

「酷い有様だと?」

「ほぼ全滅です。それも尋常な殺され方じゃありません。無数の銃弾を食らって挽肉みたいな死体になっていたり、大きな岩に潰されたように……」


 ああ! こいつら昼間出会った馬賊の仲間だな。ゴランて、あの頭目の名前か。

 となると、この店にこれ以上いるのはまずいな。

 

 その事をみんなに小声で伝えると…… 

「カイトさん。あたし達、別に顔を見られたわけじゃないから、大丈夫ですよ」

「それもそうか」

 僕もPちゃんもあの時は、フルフェイスのヘルメットを被っていたし、ミールは分身体だった。いや、分身体の顔は見られているが……

「ミール。ダモンさんの娘は?」

 あの時の分身体は、ダモンさんの娘の姿。

「部屋で大人しくしています。まさか子供をこんなところへ……」

 と、言いかけて、ミールはミクの方を見る。

「幼児をこんなところへ連れてくるわけないじゃないですか」


 本当はミクも連れてきちゃダメだぞ。


「お兄ちゃん。心配しなくても、昼間の奴らは皆殺しにしておいたから平気だって」


 女の子が、そういう物騒な事言うんじゃありません!


 しかし、まあそれなら心配する事も……


「ボラーゾフの仕業か?」


 ボラーゾフって対立組織のようだな。そっちたど思ってくれると助かるのだが……


「いえ、違います」


 無理だったか。

 

「実は一人だけ、生き残った者がいるのですが」

  

 え? 


 小男は、頭に包帯を巻いた男を指差していた。


「ミク。生き残りがいるじゃないか」

「いけない。アクロには、動く奴を潰せと命令したから。死んだふりしていた奴を、見逃したかも……赤目と違って、あいつは融通きかないから」


 再び、おっさんたちの方に、聞き耳を立てた。


「化け物を見たとか、言ってる事が変なのですよ。頭を打って、妄想を言っているのではないかと……」

「構わん。話をさせろ」

「はい。おいビーチャ。さっきの話をお頭に聞かせろ」

 ビーチャと言われた男が、おっさんの前に進み出た。

「最初は、変な乗り物に乗った三人組に襲われたんです。たった三人だから、たいした事はないと思っていたのですが、あいつらには、俺たちの銃はまったく効かなくて、逆に奴らの銃は、たった一発で馬も人もまとめてズタズタに……」

「そんな銃があるかよ」

 男の一人が茶々を入れる。

「黙っていろ! 話を聞いているのは俺だ」

「すみません」

 おっさんに一喝されて男は黙り込む。

「ビーチャ。お前が見たのは、恐らくショットガンという武器だ。俺は五年前、リトル東京包囲戦のときに、その銃を見ている」


 リトル東京包囲戦! ブレインレターで見た二度目の戦い……


 あ! このおっさん。見覚えがあると思ったら、アレクセイ・ドロノフ!


 まずいぞ。あいつ、前の僕を見ているはず……


「ビーチャ。話を続けろ」 

「へい。しばらくそいつらと戦っていたのです。で、レフが奴らの仲間のガキを人質にとったのですが、そこへ別の邪魔が入りまして……」

「別の邪魔?」

「へい。変なドラゴンみたいな動物に乗って現れたガキで、そいつが化け物を召喚して……」


 これ以上、ここにいない方がいいな。

 僕だけでなく、ミクもあのビーチャという男に顔を見られている。

「この店を出よう。ミクはあいつに顔を見られているはずだ」

 僕達は席を立ち、ガーデンテラスの出口へ向かった。

 ミクの顔が見えない様に、僕とミールとPちゃんとキラで男たちの視線を遮るようにして移動する。

 その間、ダモンさんに会計を済ましてもらった。

 先頭にいたPちゃんの足が、出口に差し掛かった時……

「おい! 待ちな。兄ちゃん達」

 おっさんに呼び止められた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ