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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第七章

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幼女の皮を被った強欲守銭奴

「ミール?」

 ミールは、ミクに詰め寄った。

「そんなの、納得できるわけ、ないじゃないですか! 今のカイトさんと、前回再生されたカイトさんは別人です! 前のカイトさんが婚約していたとしても、そんなの今のカイトさんには関係ありません。その香子さんという女と、カイトさんが幼馴染だったとしても、二百年も経ったら、時効です」


 いや……時効とは、違うのだけど……


「そもそも、最初から自分の恋人になる男を、人工的に作るなんて間違っていますわ! 人工的に男性を作るのは良いとしても、その男性と恋人になりたかったら、一生懸命、誘惑して、(たぶら)かして……じゃなくて……誠心誠意尽くして、好きになってもらうべきです」

「ええっと……」

 ミールのあまりの権幕に、ミクは少し引いていた。

「あたしが言いたかったのは、だいたいそんな事だけど、なんであんたがそんなにムキになるのさ?」

 するとミールは、僕の腕にしがみ付いてきた。

「今のカイトさんは、あたしと付き合っているからです」

「ちょっ……ちょっとミール!」

「カイトさん。ご迷惑でした?」

「そ……そうじゃなくて……その分身体で、そういう事は……」

「あ!」

 ミールは、ようやく自分の今の姿に気が付いたようだ。

 だが、手遅れだった。

 ミクは、驚愕の表情で僕を見つめている。

「し……信じられない」

「ま……待て! ……誤解だ」

電脳空間(サイバースペース)では、いつもあたしを子供(ガキ)扱いしていたくせに……」


 いや、電脳空間(サイバースペース)の僕へのクレームを、この僕に言われても……


「こんな幼女と付き合うなんて……」

「だから、誤解だって!」

「お兄ちゃんの馬鹿! ロリコン! 犯罪者!」

「だから、違うって……」

「何が違うのよ!」

「いいから、落ち着いてこの子をよく見ろ。なんか、変だと思わないのか?」

「ん?」

 ミクは、目を凝らしてミールを見つめた。

「ああ! この子、人間じゃない!」


 やっと気が付いたか……


「猫耳だ! 猫耳! 本物だ! 本物!」

 

 ミクは嬉々として、ミールの猫耳を弄り回した。


「ちょっと! やめて下さい。耳は敏感なのです。ああ!」

「そんな事言わないで、触らせて。モフモフ」 


 気が付いたのは、そっちかい!


「ち・が・う・だ・ろ」


 僕はミクの頭をガシッ掴み、ミールから引き離した。


「もっと、他に気が付く事はないのか? 君は陰陽師なんだろ」

「ん? もっと他に、気が付くこと……?」

 ミクは、再びミールをジッと見つめた。

 心なしか、ミールは怯えているように見える。

「ああ! この子!」

 まさか、今度は尻尾に気が付いたとか言い出すのでないだろうな。

「式神だ! この子、式神だよ」


 今頃気が付いたか。


「そう、この子は式神なんだよ。だけど、操っている術者は、れっきとした大人なの。だから、僕はロリコンではない」

「そっか、姿は子供、魂は大人なんだね」

 どっかの名探偵みたいなフレーズだな。

「というよりも……」

 Pちゃんが横から口をはさむ。

「一見、可愛い幼女に見えますが、その実態は幼女の皮を被った強欲守銭奴です」

「誰が、強欲守銭奴ですか!」


 また、いつもの喧嘩が始まった。


 それはおいといて僕はミクの方を向いた。 


「しかし、なぜすぐに式神だと分からなかった? ミールは赤目を見て、すぐに式神だと見破ったぞ」

「そんな事言ったって、あたし他の人が操る式神なんて、見るのは初めてだったし……」

「初めて? 他にいなかったの?」

「うん。それに、地球で式神を出した時は、こんなに、はっきりとは現れなかったし」

「地球でも、式神を出せたのかい?」

「うん。でもね、赤目はあたし以外の人には見えなかったし、アクロは出しても十秒で消えちゃったし、オボロはあたしを乗せる事ができなかった。この惑星に降りて式神を出して見たら、全然違うから驚いたよ」


 やはり、地球では魔法の発動を抑制する要素があるのか?


「あのう、ご主人様」

 Pちゃんの方を振り向いた。

 ミールとの喧嘩は終わったようだ。

「先ほどの方が、私に礼を言って帰って行きましたが……」

「え?」

 Pちゃんの指差す方向を見ると、功夫(カンフー)少女の乗っていた竜車が遠ざかっていくのが見えた。

「ご主人様にもお礼を言いたかったようなのですが、立て込んでいるようでしたし、あの方も急いでいたようですので」

 ああ、すっかり忘れていた。

 Pちゃんはメモを差し出した。

「カルカに来たら、この店に立ち寄ってほしいと。お礼をしたいそうです」

「いや、お礼なんて別にいいのに」

「お兄ちゃん。その字」

 ミクがメモを指差した。

「ん? これが何か?」

 漢字で店の名前が書いてあるが、画数がやたら多い字だな。


 なんて読むのだろ……漢字!?


 この惑星で……漢字?


「お兄ちゃん。これ、日本で使っている漢字じゃないよね」

 かと言って、大陸中国で使っている簡体字でもない。

 台湾で使っている繁体字(はんたいじ)だ。

「あの女の子、行方不明になった《天竜》の人じゃないのかな?」

 そう言えば、《イサナ》は台湾船に追い抜かれたとブレインレターで見たけど……

「台湾て、宇宙開発やっていたっけ?」

「あたし達がデータ取られた時代には、ロケットを打ち上げてはいなかったけど、台湾国家宇宙センターという宇宙機関があったよ」

「そうなのか?」

「交流会の時に聞いたんだけどね」

 僕がカーテンの裏に隠れていた時か……

「その時にね、あたし向こうの船の男の子にプロポーズされちゃったんだ」

「知ってる。ブレインレターで見た」

「ああ、それも見たんだ」

白竜(パイロン)君て言ったっけ? 今になって、断ったことを後悔しているのか?」

「え? あたし断っていないよ。お友達でいようって言っただけだけど」


 だから、向こうはそれで断られた思っているんだって……


「ねえねえ、お兄ちゃん。白竜(パイロン)君でハンサムだったでしょ」

「ああ、ハンサムだったね」

「ねえねえ、ヤキモチ焼いた?」

 ヤキモチ焼かせたかったのか?

「焼いてない」

「本当は焼いているんでしょ」

「だから焼いてない」


 頭痛の種がまた一つ……

ミク「お兄ちゃんの馬鹿! 変態! なろう主人公!」



と、言わせるのは辛うじて思いとどまった。

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