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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第六章

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極楽か? 地獄か?

 ピシ! ピシ! ピシ!


 床に、亀裂が走った。


「え? いや、これはちょっと……」

 それをやってしまったカルルの方、が驚いていた。

 床に穴をあけて『どうだ。俺の方がつおいんだぞ!』と、やりたかったのは分かる。

 その前に、僕がなんのために床に穴をあけたのか、奴は考えるべきだった。

 この下の地下牢にミールがいる。

 だから、床が崩壊しないように、慎重に力の配分を考えて穴をあけたのだ。

 だが、その時の振動で、床全体がもろくなってしまっていたようだ。

 そこへカルルが、最後の一押しをしてしまった。

 そのため、僕より大きな穴を空けて力を誇示するだけのつもりが、床全体が崩れてしまい、カルルのロボットスーツは瓦礫ごと下へ落ちてしまった。

「おい、カルル」

 返事がない。ピクリとも動かない。

 ロボットスーツを着ていれば、このぐらいで気絶するはずは……あ! そういえば、あいつバイザー開いたままだったっけ。

 額を瓦礫に打ち付けて気絶したな。


 結局こいつ、何しに出てきたんだ?


 いや、カルルはどうでもいい! ミールは!?

 下を見ると、地下牢は完全に瓦礫に埋もれていた。

 地下牢と通路を隔てる壁も少し壊れている。

 もし、ここにまだミールがいたら……

「カイトさん!」

 通路からミールが駆け込んでくる。

 

 よかった。無事だった。

 

 さらに、その後ろから、戦闘モードになった十二人の分身達(ミールズ)が入ってきた。

「どうしたのです? いったいこれは……」

「カルルがバカやって、床を崩してしまったんだよ」

「カルルが? 今どこに?」

「そこに、埋もれている」

 ミールは、赤いロボットスーツの近くに歩み寄り、棒切れで恐る恐る突いてみた。

 ピクリとも動かない。

 ミールは、僕の方を向く。

「カイトさん。今のうちに、トドメを刺しておきますか?」


 それも、いいかもしれないが……


 こいつも磁性流体装甲(リキッドアーマー)で覆われているだろうから、下手な攻撃は通じない。

 無防備な顔面は、瓦礫に埋もれているので掘り起こす必要がある。

「下手に刺激して、目を覚ましたら面倒だ。ここは逃げよう」

「はーい。それじゃあ、そっちへ飛びますから受け止めて下さい」

「飛ぶ?」


 ミールって飛行能力あったのか?


 下を見ていると、四人の分身達(ミールズ)が集まって、互いの手を合わせ屈み込んだ。

 その合わせた手の上に、ミールが片足をかける。

「では行きます。いっせーのーせ!」

 分身達(ミールズ)が一斉に立ち上がると同時に、合わせていた手を上げた。

 その反動で、ミールが飛び上がってくる。

「カイトさーん!」

 穴から飛び出してきたミールを、僕はお姫様抱っこで受け止めた。

 途端に、ミールは僕の首に手を回し、顔を近づけてきた。

 そういえば、僕もバイザー開いたままだった。

「うぐ!」


 唇に、柔らかい感触が伝わってくる。

 

 しばらくして、ミールは唇を放してニッコリ微笑んだ。

「ミール……」

「カイトさん。戻ったら、将来の事を、ゆっくりとお話しましょう」

「う……」


 僕は極楽に登ったか? アリ地獄に落ちたのか? どっちだろう?

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