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モニターに応募したら、系外惑星にきてしまった。~どうせ地球には帰れないし、ロボ娘と猫耳魔法少女を連れて、惑星侵略を企む帝国軍と戦います。  作者: 津嶋朋靖
第六章

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帝国の文明はなぜここまで退化したか?

『おまえ、帝国人を見て変だと思わなかったか? なぜ文明が、ここまで退化したのか』

「まあ、確かに変だなと思ったけど。マテリアルカートリッジを使い切って、地球の製品を作れなくなったのは分かる。だったら、この惑星の資源を利用して、もう少しマシな文明を築けると思うけどな」

『俺達のデータが取られたのは二十一世紀の初頭だ。その頃は、まだマルチプリンターはなかった。一方で、帝国人のコピー人間のデータは、二十一世紀の終わり頃から二十二世紀の初め頃に取られた。この違いは分かるか?』

「いや。何が違うんだ?」

『その時代には、マルチプリンターがすっかり普及していた。あんな機械が当たり前のように普及したら、どうなると思う?』

「さあ?」

『製造業は滅びる。プリンターさえあれば車でも時計でも、PCでも、欲しい物はなんでもプリンターで作れるからな。その結果、物を作る技術は忘れられていった。帝国のコピー人間は、そんな人間のデータから作られたのだ。科学知識はあっても、それを生かす技術がなかった。だから、文明がここまで後退した』

「いや、いくらなんでも、製造業が滅びるなんてことは……それじゃあ、プリンターはどうやって作る?」

『プリンターはプリンターで作ればいい』

「ああ、なるほど」

『ただ、マテリアルカートリッジだけは、プリンターでは作れない。そのために純粋な元素を精製する工場だけは残った。だが、それも必要な機械や機材は、すべてプリンターで作っている。もちろん、その工場もすべてAIが管理する無人工場だ』

「でも、プリンターでは作れない物もあると聞いたぞ。マテリアルカートリッジでは放射性物質は扱えないから、原爆はいらないにしても一部医療機器とか非破壊検査の機器は? それと非バリオン物質を使う重力制御は?」

『それも同じだ。プリンターで直接作れなくても、プリンターで作った機器を、AIが操作して作っている。人間の介在する余地はない』

「じゃあ、その時代の人間は仕事がないじゃないか? その調子だと、サービス業とかも全部AI任せなんだろう?」

『その通りだ。その時代の人間は、働かなくてもベーシックインカムで食べていける。仕事がある人間もいるが、ほとんど三十歳でリタイアだ』


 ううむ……それって理想社会ではないだろうか?

 しかし、これって……


「国民総ニートって、こと?」

『まあそうだな。職業経験のないニートばかりの社会。そんな奴らのデータから作られたコピー人間。それが帝国人の祖先だ。この惑星に降りたはいいが、生活はすっかりプリンター頼り。結果、マテリアルカートリッジを使い切ったら、文明は大きく後退した』

「リトル東京は、どうやっていたんだ?」

『そっちでは、プリンターで直接製品を作らずに、工作機械や土木機械を作った。それを使ってこの惑星の資源を使い製品を作っていた。今ではもう、プリンターにはほとんど頼らない生産体制ができている』

「帝国では、工作機械を作らなかったのか?」

『最初は作っていたらしい。しかし、誰もまともに使いこなせなかった。そのうち、帝国民の間では物作りを忌避する風潮が出てきてな。製品を作るなんて事は、卑しい奴隷がやる事と考えるようになっていった。今では、ナーモ族の奴隷なしでは、生活が成り立たない状態だ』

「帝国の人間は、その状況に危機感はないの?」

『あるさ。上層部の方ではな。だから、工業学校を作って、子供たちに物作りを教えようとしているのだが、肝心の講師がいない』

「そりゃあ、そうだろう」

『というわけで、おまえ、帝国に来て講師をやらないか?』


 何が、というわけか知らんが……

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