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逃げた神々と迎撃魔王 第一部 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
レーナ編

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元銀級

 サンドラさんの宿屋を燃やし、意気揚々と村人達がやってくる姿が見える。

 わたしとレガトは離れた所から遠見の魔法で扇動者を探している。


 サンドラさんの言っていた三人の役人、それに村人の中に老けた冒険者の姿がある。逃げ足の早い元銀級冒険者。


 侯爵は失敗を許しそうにないけれど、立ち回りがうまいのかもしれないわね。お父さんの亡くなった一因の責任を取ってもらう、いい機会だ。


「レガト、あとはわたしに任せて、念のためサンドラさん達を守って」


 子供だけど、レガトなら出来る。

 わたしは息子にサンドラさん達の護衛を頼む。わたしを心配するレガトは少し不安そうだったけれど、素直に言う事を聞いてくれた。


 私怨を晴らす姿なんて子供に見せるものではないものね。

 わたしは山小屋の入口の門へ陣取ると、村人達が入れるように魔法で門の鍵を開けた。


 罠を用意しておいたけれど、近づけば自動発現する罠から手動にかえた。

 死にたくないなら帰ればいい。


 それでも奪い殺しに来ている連中に手加減なんてしなくていいわよね。欲望丸出しに、わたし達をレガトの前で犯すつもりの輩なんて絶対逃さない。


 門が開いたことで警戒した元銀級冒険者をわたしは音のない空間に包む。

すぐに違和感を感じ逃げ出そうとするあたりは衰えても流石だわ。でも肝心の逃げ足は劣化が隠せないようね。


 魔法の鎖で体力と魔力を奪いながら縛りつけておく。

 取るもの取らず逃げるということは、生きる事に執着しているはずなので、詳しい話しを聞き出せるかもしれない。


 他のものも個別に捉え侵入した村人に気づかれないように間引く。

 全員が中に入ったあと、山小屋の入口を閉ざし外壁の門も封印した。そして盛大に炎が上がる。


 山火事にならないように、外壁を囲うように結界の幕を張るのを忘れない。炎に燃える外壁をよじ登っても、結界に阻まれ逃げられない。


 十数名の村人と共に、領主の手の者と、元銀級冒険者の仲間が炎の檻で灰になった。



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