レガト誕生
わたしはサンドラさんの宿屋で、ヒルテさんと一緒に働く事になった。
新しく若い娘が働き手になったためか、領兵隊の人達が異様に盛り上がっていた。
残念ながらもう結婚して、お腹に子供もいるんだけどね。
噂を聞きつけて、ベルク商会以外にも行商人がやってくるようになったけれど、そこまで大騒ぎするものなのか、わたしにはよくわからなかった。
騒ぎはわたしのお腹が目立って大きくなる頃には収まる。
ガッカリしていたのに、何故か変わらず利用してくれる人が多かった。
ニルトの心労が、かなりたまったようだったけれどね。
レミールさんから子育てのための支援用品が届く。
レミールさんも、わたしの事を娘だと思っているのだと少し悔しそうにしていたようだ。
優しい人達のおかげで、わたしは無事に子供を産む事が出来た。
元気な男の子で、レガトと名付けられる。
わたし、お父さん、ニルトの名前から一つずつ取った。
元気な男の赤ちゃんを見てニルトがお喜びをしていた。
「あたしもいよいよお婆ちゃんかぁ」
と、サンドラさんは複雑な表情をして嘆き気味につぶやいていた。




