結婚報告?
「わたし達、結婚したの」
わたしの発言に、サンドラさんがやれやれとニルトの腹を小突く。
「子供かい」
わたしの様子からすぐに察して、サンドラさんは呆れたようだ。
「まったく前から狙ってたのは知っていたけどさ、早すぎだろ」
サンドラさんがそう言ってまたニルトを小突く。仲間達もまったくその通りと頷く。
「レーナはかわいいからな。誰にも取られたくなかったんだ」
ニルトはずっとわたしを見守っていた。わたしを一目見て、ずっと惚れていたと告白されたからね。
「子供が産まれて育つまで、またベルク商会の護衛をやる事になったんだ」
「それであたしにレーナと子供の面倒を見ろ、と。いいけどね」
サンドラさんはあてにされて満更でもない様子だ。
「ヒルテ、あたしの隣の部屋を用意出来るかい?」
「はい」
ヒルテさんは早速部屋の準備に向かう。
「ガウツのやつが頑固なせいで、レーナと暮らせなかったからね」
お父さんはベルク商会に、ずっとお世話になるのを嫌がっていた。
サンドラさんはよく山小屋にやって来てわたしのために文句言っていたっけ。
ずっと娘のように接してくれていたので、サンドラさんにお世話になるのはわたしは嬉しい。
ニルト達はサンドラさんにわたしの事をお願いすると、さっそく仕事のために役場へ登録に向かった。




