攻略計画
わたし達はダンジョン攻略の為に食料を買い込み、水袋を追加で人数分用意した。
『海竜の咆哮』の記録を参考に、ダンジョン内での滞在時間を参考にしている。
「クランと同じ日数で行けるの?」
もっともな事をアリルが聞いた。
『鋼鉄の誓い』はDランクパーティーに過ぎないものね。
攻略に参加したウロド達もDランクだったし、彼らには仲間達パーティーがCランクが二組いた上に、他にもポーター達も攻略拠点用のパーティーも別組で連れていた準備万全な攻略状況だったといえる。
「戦力的にはかなり落ちる。ただ、単独パーティーは小回りがきくからな」
『海竜の咆哮』が実際に動きを合わせる必要があったのは、ウロド達ではなくポーター達だ。
攻略の生命線を担う彼らを守りながら進むとなると、どうしても遅くなりがちになる。
そうなるとわたし達に出来るのは、移動速度を速めて無駄な戦闘は避けるって事になるわけね。
「他のパーティーに協力を仰ぎたい所だが、他所から来た鉄級冒険者に主導権を握らせてくれるはずないからな」
上級ランクは相手にされず、同じDランクパーティーならかえって足手まといになるのは明白なこと。
「パーティーとして力を借りるのが難しい以上、先行して露払いしてもらうくらいは出来るだろう」
依頼を受けてダンジョンへ向かうパーティーに浅層中層の戦いは任せて、深層に集中する。
設営はするけれど、出来るだけダンジョンの滞在時間は省略したい所がわたしたちの本音だ。




