ラグーンへ
ロドスでいくつか依頼をこなした後、わたし達はラグーンへ向かった。
お父さんがいたパーティー『海竜の爪』のリーダーが今は辺境伯という領主様になって、ラグーンのギルドマスターと兼任していた。
サーラズ王国では王命は絶対、領主の命令は強制みたいな所だったけれど、帝国では強制や命令は金級冒険者以上になると生じる。
そのかわりに金級になると名誉称号や、報酬の増加、貴族階級権限など、いくつもの特権が得られる。
人口が多いので冒険者など履いて捨てる程いるという考えもあるし、本当に優秀なものを身分など関係なしに積極的に取り入れるつもりがあるともいえた。
「お父さんも街づくりを手伝ったって言ってたけど、凄い城壁だね」
ラグーンの様子はベルク商会を通して、お父さんとレミールさんがが話していた。
「公都ロドスは別として、サーロンド侯爵の領都サロンよりは大きいし、立派だと思う」
ニルトが領都を比べて感想を述べた。ラグーンは街づくりが始まって、せいぜい十年程しか経っていないはずだ。
それが他国の歴史ある侯爵の領土より発展しているのだから、辺境伯についたラクトの才覚が政治的に向いていた証だった。
ラズク村と比べてみると、領主の力量差がよくわかるものね。




