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逃げた神々と迎撃魔王 第一部 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
ガウツ編

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余裕の正体

 クランハウスも決まり、『海竜の咆哮』はまず各パーティーに別れてダンジョン攻略を開始する。


 カローデン移籍籍の為に、クランの資金は底を尽きた。資金はカラッぽではないが、次の未踏ダンジョン攻略の為の予算を貯めておきたいという意見に、皆が賛成したからだ。


 腕慣らしに、攻略の済ませているダンジョンを巡る。

 大小様々なダンジョンがあるというより、ダンジョンの巣、ダンジョンの卵というかダンジョンの中にダンジョンがあるという認識が正しい気がする。


 きっと、カローデンの冒険者は気づいていると思う。他所から来た冒険者と、攻略の進め方が違うからだ。


『海竜の咆哮』は未制覇のダンジョン攻略を狙っているが、攻略の仕方については、少し検討した方がいいのかもしれない。


 ラクトには一応伝えておいた。

『海竜の爪』は俺の案を採用し、確かめるために攻略するダンジョンを選んだ。


 いきなりそんな事を言い出しても信じてもらえないだろうが、俺達のクランは『黒魔の瞳』の深層でダンジョンの仕掛けを体験している。

 ダンジョン同士が連動している可能性も納得してくれた。


 攻略済の小規模ダンジョンを『海竜の咆哮』それぞれのパーティーがクリアしてゆく。ラクトがクラン内に情報を伝えたので、関係がありそうなダンジョンを手分けして攻略する事になった。


 狙っているダンジョンが未攻略のダンジョンだとわかれば、カローデンの冒険者にも動きがあるはずだ。


「余裕があるはずだな。攻略しやすい所から進んでるとカラクリに気づけず攻略を断念する事になるだろうからな」 


 他所から来た冒険者達は一度攻略したダンジョンを攻略するより、行き詰まったなら別のダンジョンに挑むだろう。

 実力があれば尚更その傾向は強まるので、本命のダンジョンが他所者に攻略される可能性は低い。


 カローデンの冒険者はそれを知っているから他所者が大きな顔をしても笑ってみていた。腹黒いというのか、それもまた冒険者達らしいのかもしれない。



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