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逃げた神々と迎撃魔王 第一部 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
おまけの番外編

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不死者殺しへの道 ⑥

 私は旅装を整えて帝都から移動して、東の都と呼ばれる公都テンベクトへ向かった。東の都までは馬車だと、八十日はかかる。


 早く移動するには帝都から船でインディス川を下っていき、スラキクトという港街から船でカロディス湖へ北上すれば二十日前後で済む。


 ただ西側に比べて帝都から東は物価が高く、船賃代も西の倍は取られるらしい。開発途上の土地が多く、実りの多い西部に比べると、東部は帝国が出来た頃にはすでに都市があった所が多い。そのため、独立税収の権利を持っている貴族が多いせいだと言われているのだ。

 

 要するに帝国へ参入するかわりに、自領の税率や法は独自に決めさせろという話だ。代を重ね歴史を積む事に改善されていったけれど、いまだに過去の事例を持ち出して、好き勝手にやる貴族ばかりなのが実情だった。


「手間をかけるけど、私達も東部の情報は少ないの。時間をかけていいから、このさい徹底的に調べて来てくれるかしら」


 私も勇者召喚の事など調べたい事はたくさんあった。公爵夫人の依頼を引き受けて、滞在用の費用や調査費用をもらう。


「あと、ベルク商会から数名出して支援用の拠点を東の都に築かせるわ。費用が乏しくなったら、商会で融通して」


 私をかなり信用してくれて、全面的に協力してくれた。ベルク商会の移動のため、護衛も新たに雇う事になった。

 男女二人ずつの冒険者達と、私は臨時でパーティーを組むことになった。

 

 私より少し年上の夫婦達の二組なので道中は安心だったけれど、まるで私が身を持て余した女のようで、少し不愉快だった。


 いや、まあ兄とレーナも、旅路ではいちゃいゃベタベタうっとおしくしていたから慣れてるわよ。


 

 公都テンベクトまで来ると、パーティーは解散した。二組の夫婦冒険者はベルク商会の別の仕事を受けて、帝都へ戻っていった。

 私と組ませたのは、公爵夫人が欲しかった人材育成のつもりだと思っていたので、教えられる事は教えておいた。

 

 ロドスやインベキアの都に比べると、テンベクトの都は落ち着いた景色の美しい都だと思った。北西に見える山がテキルト山で、北東には一面湖が広がる。


 皇帝が代替わりをすると、毎回決まって帝都をどこにするかの話しが持ち上がる。候補はロドスかこのテンベクトになる。


 インベキアが帝都として選ばれ続ける理由は、有用なダンジョンが二つも近くにあって、豊富な水源に挟まれ商いにも向いた土地だからだろう。


 ロドスはその点は不利だ。『不浄の闇』とか、冒険者が楽しいだけで、富を産むダンジョンではない。

 テンベクトは逆に帝都よりは水運に恵まれていて、ダンジョンもあり、テキルト山からは良質な鉱石や山の恵みを得られる。


 見た感じでは、雄大にそびえ立つテキルト山が、湖面に映えるだけでも選んで良さそうなくらい、美しい都だと思う。


 ただ、それは上辺だけのことだ。帝都と違って隣国のナホビアとは近い。だから、ナホビアの商人や黒ずくめではないけれど宗教家らしきローブ姿の信徒がたくさん通りを歩いていた。

 

 これは、骨が折れるわね。私はそう思った。どんな組織にも派閥はあるだろうけれど、ここで見る信徒達は大人しく善良に見えてしまうからだ。


 帝都に比べて目立つので、人さらいなどすぐに見つかってしまう。私は焦らずに念入りに調査を行う。

 幸いベルク商会の拠点となるお店が繁盛し始め、私は用心棒的な扱いでお店の人達の宿舎に泊まる事が出来た。


 ついでに商人の情報も知れて、お隣のお国事情を労せず入手出来た。

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