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逃げた神々と迎撃魔王 第一部 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
おまけの番外編

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冒険者の娘 ④

 わたし達の窮状はレガトという少年が、わたし達の知らない間に解決していた。しかも解決した事を、わたし達には黙っていて誇ろうとしない。


 自分達で誘いに乗ってしまった愚かさや、それを察して領主様に直訴しようと動いてくれていたスーリヤ達にも感謝している。


 ズリッチ兄妹達は、全員牢獄行きになった。幼くても罪は罪、許されない事をすれば罰せられる。

 領主様側からすれば、自分の裁量で行っていた支援を、当事者の家族が勝手に悪用したのだから、その家族丸ごと処分する事も検討したそうだ。


 子供の小遣い稼ぎ程度の被害で大袈裟な、と庇うようなら実行されていたそうだ。でも領主様の気概を知る二つの農家は、どちらも馬鹿な事をしでかした自分の子供達に厳しく当たった。


 農村をはじめラグーンの街は領主様に対して、一緒に一体感を持って開拓して来た自負がある。

 その恩恵の結果が甘やかされて育った子供たちというのならば、皮肉な話しだ。


 中央貴族達との見えない戦いの最中に、これ以上味方に足を引っ張られるのは御免だとズリッチ達は相当絞られる事になった。



 わたしは彼らを恨むよりも、自分の未熟な判断力を悔やむばかりだった。

 あの時に簡単に受けてなければ、わたしたちは苦しまなかったし、ズリッチ達だってこんな結末にならなかったから。


 でも悔いても、今更のこと。ズリッチ達には逆恨みされるとしても構わないから、反省材料にして先を見る事にしようと決意した。


 レガトから戦力を求められた時に、スーリヤとアミュラを推したのも、恩を返すわけじゃなくて、今後のわたし達にいてほしいと思えたからだ。


 スーリヤは元騎士の娘だったから腕は立つ。きっとレガトの片腕となれるくらいに強くなる。その座はわたしじゃなくてもいい。


 ハープとホープもレガトにとって良い友人になると思う。

 二人とも調子に乗りやすく冒険者っぽくてレガトが楽しそうにしているからね。


 わたしは何が出来るだろうか。最近は一人になると色々と考えてしまう。


 シャリアーナ達が加わって、レガトの思考を別の立場から補助する人が増えた。

 貴族という事を毛嫌いするレガトだけど、シャリアーナはただ嫌なだけの貴族と違ってひたむきで頑張り屋で、尊敬出来る人だ。

 頭も良いからスーリヤと別な形の補佐の出来る人になると思う。


 レガトって冒険者が冒険者っぽい行動取るのが好きだけど、嫌いながらも貴族が貴族しているのも喜ぶ。

 シャリアーナはそう意味で、貴族らしく上昇志向が強い。

 だからレガトは冒険者にとっては凄く名誉な発見を、あっさり譲ってしまったのだと思う。

 

 わたしの時もそうだったけど、レガトは時折天然で人をたらし込む気がする。

 ヒルテさんにもそうだけど、一番ほしいと思ったものをさり気なく提示して、無償で贈られたら女の子は落ちると思っていないの。

 駆け引きや心理は読むのに、何故か女の子に対しては鈍い。

 

 頼れる人達が次々加入しているというのにいつまでもわたしに頼る気持ちとか、もうね‥‥だよ。




 



 

 

 

 

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