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逃げた神々と迎撃魔王 第一部 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
おまけの番外編

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辺境伯の四男坊⑥

 僕はレガト達のパーティーに加わる事になった。もっと嫌われているかと思っていたのが馬鹿みたいなくらい、レガトは普通に接して来た。


 理由を一応聞いたのだが、トロールの駐屯地での指揮ぶりを買ったと言う。


 あれは結構無茶な案件だった。なにせ働き手がズリッチとマーズク達の六人に、騎士二人しかいない。ゴブリン戦隊六名は、交代で見廻りと安全確保のためだけ動いていた。


 時折レガトのパーティーメンバーが魔法で開拓を手伝ってくれたけれど、僕は街が恋しくなって心が折れそうになった。


 自業自得だから仕方ないと言っても限度がある。それでもやり抜いてみせた事でレガトだけではなく、父上もシャリアーナまで評価を見直してくれたのだ。


 レガトはそういう意味でやはり領主向きな気がする。罰する時は罰するし、罪を償い使える人材なら使う。上に立つものとして向いているし公平な分、怖い存在だ。


 僕を登用したもう一つの理由は、シャリアーナの躍進のためだとわかる。

 元々公爵令嬢とは言っても三女、可愛がられていても、期待されていなかった少女が自分の才覚でのし上がって来た。


 入学式の席次をみれば彼女の実力の程がよくわかる。公爵家とはいえ三女では本来侯爵家の長男より下になりがちだ。


 何故なら、公爵の跡継ぎにはなれず、婚姻も三女となると、派閥の下級貴族の所へ出される。よくて伯爵クラスがいいとこだ。


 そうなれば席次は伯爵家の次男辺り相当になり、上級貴族のいる貴賓席にはいられない。


 シャリアーナの席次は六番目。僕は自分の事より嬉しくなったものだ。トロールの駐屯地で、僕も大変な思いをしたけれどシャリアーナも苦労している。なんでもレガトの基準がおかしいせいで、大物を何度も倒す羽目になったらしい。


 公爵令嬢とか、レガトの頭にはない。だからたかが辺境伯の四男など、何それ? そういう男だった。


 それが事実だとわからせられたのが、皇第二子との面会だ。ふてぶてしいにも程がある。

 レガトに限らず、金級冒険者のアリルさんやレガトのお母さんはレガトよりおかしい。


 舐めているわけではないけれど、身分などまったく気にしていないのがわかった。


 実力行使で抑えに来ても返り討ちに出来るからこその余裕なのだろう。脳筋のリグと違って、僕の胃はとても痛かった。


 レガト達の態度を見てると、僕がおかしいのかと思ってしまう。皇子がアリルさんへ告白するという爆弾発言したのに、当のアリルさんはあっさり断るし、レーナさんは逆に煽るし、現婚約者のノイシアはわなわなしている。


 シャリアーナは他人事みたいに、ここにいる意味ないとボヤく。

 側近の人達の考えではアリルさんをダシにしてシャリアーナを呼び、ベネルクト皇子の第二夫人としての打診をするつもりに見えたんだが。


 中央の政治に疎い僕でも跡目争いの布石に来たのくらいわかるのに、肝心の皇子は婚姻に関してだけ、大丈夫かこの方って感じた。


 そしてシャリアーナも上昇志向が強かったのに、絶好の機会に鈍すぎる。

 レガトはふてぶてしい態度が、シャリアーナにも影響を与えていた。


 もっとも彼女の場合はふてぶてしさよりも、何故か貫禄が出て一層魅力が増しているように見えるから不思議だ。









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