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逃げた神々と迎撃魔王 第一部 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
おまけの番外編

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夜魔の王女⑥

 本当にまったくリグのくせに生意気なのよ。レガトの隣のベッド使うくらい、いいじゃないの。せっかくの機会なのに脳筋(リグ)が邪魔する。

 あなたはシャリアーナを守ればいいじゃないの。


 えっ、もしかしてレガトの事がスキスキなの?大声で否定するあたり、怪しいわよね。


 リグが騒がしいから、私まで怒られた。うるさいのは脳筋(リグ)だけなのに。


 ロドスのアリル邸は無駄に広くて嫌になるわ。だいたいあの人、食べてお風呂入って寝るだけなのに、百人は軽く住めるような豪邸なんて、いらないでしょうに。


 レガト達は喜んでいたけど、私一人でこんな所の掃除無理だよ。孤児院の子達を何名か呼んでほしいくらいね。


 ‥‥レーナの私遣いの荒い件について、レガトに訴えてみました。


 流石レガト、私の為にすぐに出来る女のミラを呼んで、私達の専属にしてしまったわ。

 領主の息子もレガトの偉大さに気づいて態度を改めているし、人がどんどん増えて困っちゃうわ。


 ミラを呼んで優雅なティータイムを増やせるはずなのに、ミラが次から次へと仕事を振るから前より忙しいんですけど?


 シャリアーナの為に修業中の侍女見習いのシルディが来てくれて、私は久しぶりに至福の時間を味わう事が出来た。


 ミラとシルディのおかげで素敵なメイド日和が続くはずだったのに、どっかのバカ皇子のおかげでアリルがキレてレーナが巻き添えになり、私も何故か巻き込まれた。


 何が楽しくて薄暗いダンジョンに籠らないといけないのよ。絶対レーナってば、私の能力なんてあてにしてないのに。

 御主人様のレーナが出来ない事が、私には出来るなんてありえない。


 だから早く地上へと返して下さいと、そう懇願したのだけど、レガトと違ってレーナは私への情愛が深いから離してくれなかった。ついでに拳骨を魔力でもらった。自分の魔力で自分の頭を殴られるのって、二重に痛いのよ。


 私の魔力で私に拳骨の痛みを与えているだけだから暴力じゃないんだけど、私の魔力耐性の高さを簡単に突破して、ほんの一瞬で一点集中で魔力を拳骨の形にして空気を硬化させるとかガードだって間に合わないわよっ。



 どうしてこの恐ろしい魔女の事を、世間が騒がないのか不思議で仕方ないわ。



 アリルと二人きりだとレーナが実力抑えないから、巻き添えになる私はたまらない。

 レガトがおかしいのは、ほぼ貴女のせいだからね?

 いつの間にか小悪魔三兄妹にも七つの宝珠の腕環が着いていたし。



「にょぉゥ! 」


「ぎひぃィ! 」


「ぴぎゃぁ! 」


「ぢゃわぅ! 」


 私と私に巻き込まれた三兄妹は、暗闇に蠢く不死者の群れの中に放り込まれた。


 あのねレーナ様、深淵を軽く越えた 暗黒階層って夜魔の目を持ってしても見通せない闇なの。

 このレベルの不死者の魔物相手には影にも潜めないし、そもそも暗黒の中に影なんてないのよ。


 死地ってまさにこういう状況をいうのよ、レガト。Aランクパーティーに一回殺された程度は、まだまだお子様って感じね。


 私達が餌のような扱いになってる間に、レーナとアリルが次々と間引く。

 アリルも浄化の攻撃力はあるけれど防御はそこまで高くなくて、宝珠が黒く染まってゆく。


 アリルの浄化の力は天性の才能なんかじゃなかった。 

 こうして何度も死線を越え擬似転生を繰り返し過ぎたせいで、自ら鍛え上げた力になってるんだもの。


 ただ、これって私達が御供えものになってませんか。


 レーナの答えは沈黙、つまり肯定。

レーナ様って鬼畜(ステキ)過ぎるわ。


「わたしの前で殺させない」 なんてみんなの前では言っていたのに、私たちしかいない中だと、生命すら武器にし囮にするんだもの。


「わたしのいない所は駄目なの」


 こんな状況なのに叱られました。なんか可愛い言い方だけど、言ってる事は危ない女よ。

 あれっ、えっでも私、悪くないよね?


 どこまで続くのかわからない『不浄の闇』で私も立派にただの夜魔の王女から、夜魔の不死女王になりました。

 不女死じゃないよ、不死の女王よ?






















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