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逃げた神々と迎撃魔王 第一部 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
ガウツ編

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試練は後からやってくるもの

 深層から戻ろうとする『海竜の咆哮』のメンバーに立ち塞がるかのように、今回はじめての遭遇となる大型の魔物がそこにいた。


 深層に入ってすぐにウルバットと戦った大きな部屋に一つ目竜と呼ばれる地竜の亜種がいたのだ。


 ダンジョンの魔物は死ぬと体内の魔力が固まり魔晶石をつくる。

 魔晶石を取り出すと灰のようにサラサラになって散るため、素材が必要なら先に取ってから魔晶石を取り出す。


 放置しても次第に魔晶石が割れ消えるが、魔物を倒したまま放置すると他の魔物が餌を求め集まってくるので基本的には回収するか、魔晶石を壊す。


 地竜も餌を求めて徘徊しているのだろうか、その巨体でダンジョン内を移動出来るのかと震えながら思った。


 俺達の帰路は一つ目竜の居座る先だ。お腹を空かせているのか、こちらの心の準備が整う前に地竜が吼えた。


「これは?!」


 仲間達の足が止まる。ドラゴン系の吠え声は精神異常を引き起こすが、一つ目竜の声はウルバットのように音で圧が生じていた。


「地系の重力魔法のようなものかもしれない」


 エルヴァが苦し気に伝える。地竜らしく土属性の魔法が得意なのか、動きを封じて喰らうつもりなのだろう。


 これならウルバットなども飛んでいられず落ちる。多分ここは一つ目竜の餌場だ。


 ウルバット達にも相性がいいが、別な意味で一つ目竜にも都合がいいのだ。帰路にあらわれた俺達はついでに喰うだけで、餌がなくなれはわまた別の所へ行くのだろう。


 しかし一つ目竜は先手を取って獲物を捉えた。仲間達は全く動けなくないが、身体にかかる重力の負荷でかなり鈍い。


 みんなと違って俺が冷静なのは、何故か効いていないからだ。何というか咆哮の後、若干身体が浮き気味になって皆とは別な歩きづらさがある。

 重いはずなのに軽いから、脳がパニックになっている。


 クロードが女神様の鎧の素材についてアルミナタイトは浮遊銀とかなんとか言っていたのと関係してそうだが、今は目の前に迫る一つ目竜を何とかしないといけない。


 ラングの指示でエルヴァとキャロンが魔法攻撃の準備をして、クォラとウロドのパーティーのソロンが弓を構える。


 動きを鈍らされた以上、近づかれたら防戦は厳しいと判断して、火力を集中させる気だ。弓使いは一つ目竜の特徴でもある額の目を狙う。


 サイクロプスと呼ばれる一つ目巨人と、弱点は同じだと考えられた。魔法も竜族には効きづらいので、同じ箇所を狙っている。


 魔法の発動に合わせて矢が放たれる。タイミングはピッタリで、二本の矢とふたつの炎が一つ目竜の顔面に当たる。


 動けないのをわかって、油断したのかダメージを与えた。ただ倒すには至らず、一つ目竜は怒りの咆哮を上げる。


「もう一度だ!」


 怒りながら加速してせまる一つ目竜に対し、ラングはもう一度攻撃を指示した。気休めにしかならないが、他の仲間達も予備の武器を抜き投げつける。


 一つ目竜は意に介さず真っ直ぐ突っ込んでくる。このままでは喰われる前にぶつかって大ダメージを受けてしまう。


 俺は更に身体の軽さを感じたので仲間達の前へ踊り出る。言葉のあやではなく、うまく動けずスピンしてしまった。


「ガウツ?!」


 仲間達が叫ぶ。


 俺は一つ目竜に向けて腰の手斧を力一杯投げつけると、結果を見ずに背中のオーガの斧を手にする。


 手斧は地竜の硬い鱗を裂き、二本共に刺さる。


 一つ目竜の吠える度に身体の軽さが戻るので、跳ねてみたら身体がそのまま地竜へ向かって飛んだ。


 わけのわからないまま俺は斧を振り降ろす。地に足がついていないので腰砕けな感じだったが斧の重量はしっかり働き一つ目の首ごと叩き斬った。

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