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逃げた神々と迎撃魔王 第一部 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
学校編

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卒業

 アリルさんと母さんはヒルテを連れてロドスのダンジョン『不浄の闇』へ潜っていった。

 アリルさんがいるとわかってから、ベネルクト皇子の訪問が止まらないために、ダンジョンへ逃げたのだ。


 ヒルテは涙目だったけど、夜魔の力をダンジョンから戻ってくるのに使うんだとか。ミラさんが来てから怠けていたので、良い運動になると思うよ。


 僕達も学校の休みに合わせて各自パーティーを組んで『ロドスの地下牢』へ挑んでいた。

 慣れた初期メンバーと違って技量や連携はうまくいかない。


 でもリーダー役は例え苦手でも交代でやってみるようにした。

 ダンジョンもそうだけど、きな臭い争いに巻き込まれた時に、各自が部隊を率いる事もあるかもしれない。


 何せ、『不死者殺し』アリルと、『双炎の魔女』レーナが僕らのクランに加入したのだ。有事の際に上級冒険者が指揮官になる事はありうる。


 二人の加入に元『龍帝の旗』のカルジアを入れて上級冒険者の数が三人いる、なんとも贅沢なクランになってしまった。


 その名に恥じないクランにするためにも、全員がもう一段階上を目指そうと決めた。

 学科も各自、兵科を加えて指揮についても頑張って学んだ。


 あと、どこで聞きつけたのか、アリルさんの追っかけの女冒険者達が僕達のクランに入れてくれと土下座して来た。

 アリルさんの事となると狂いそうなので断りたかったけれど、冒険者としての節度は守る約束で加入が決まった。


 皇子様達のクラン入りはアリルさんが睨むので断固断った。

何を考えてるのか謎な皇子様だよね。



 そしてあっという間に三年が過ぎ、僕は十二歳になろうとしていた。


 訓練学校には入学式はあっても卒業式はない。

学びたい人は追加授業料を払って残るし、充分だと思ったのなら一年でも辞めて行く人もいるからだ。


 入学時に入学費用に三年分の授業料が前払いで徴収されるため、きっちり三年通うのが一般的になっていた。


 僕たちも学びたい事はまだまだあったけれど、そろそろ冒険者として活動再開したかった。拠点はこのロドスの邸のまま、遠征も組もうという事で意見は一致した。


 ちなみにアリルさんに逃げられ傷心のベネルクト皇子は帝都へと帰っていった。

 奇妙な縁だけど、悪い人達ではなかったので、彼らの領地のダンジョンに行く時は挨拶くらいはしに行こうと思った。


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