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逃げた神々と迎撃魔王 第一部 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
学校編

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新年祭と入学準備

 学校が始まるのはちょうど新年祭の時、僕が九歳になる日からだ。

 この国、というよりムーリア大陸周辺はみんな新年祭を待って一つ歳を重ねる。新年祭前日に生まれても一歳になるし、翌日に生まれると次の歳まで歳を取らない事になる。


 年齢制限をするような職業では公平性に差が出る事もある。

でも、年齢に関しては曖昧な所ばかりなので気にしている人は少ない。


 公都の職業訓練学校に入ると、式典の後にお祭りが開催される。

 学校だけに限らず大半の所が、みんな朝から感謝の祈りを捧げる。


 商店街では稼ぎ時でこの時期の気合の入り方が違う。新年祭を楽しむ為に、前々から近隣の街や村の人々が集まり、新年祭が過ぎても滞在している人々が大勢いるからだ。


 公都ロドスのような大都市ほど賑わうため、余計に人々が殺到する。

 この時期は冒険者も馬車の護衛や、街の警備などに駆り出され大忙しとなる。


「急に人が増えのってそういうわけか」


 僕達は混雑し始める少し前についたので良かった。


「宿屋とかどこも一杯で野宿する人も多いんだって」


 料金も割増になるため、馴染みの宿のない冒険者や旅商などは痛い出費に泣きをみるらしい。


 ラズク村では祭事なんて一度もなかったので僕としては楽しみだ。


 冒険者の仕事はしばらくお休みだ。

Dランクパーティーになったけれど、護衛の仕事や警備の仕事は依頼側から断られるからだ。


 実力よりもわかりやすい見た目重視という事だ。いちいちトラブルになって対処するのも手間がかかる。

 それなら実力不足でも見た目でトラブルを未然に防いでくれた方が断然助かるという事だ。


「だから滅びないのね、ああいう輩」


 スーリヤが、冷めた目で三人の女の子に絡んでいるむさ苦しい冒険者の男達を見ていた。


「同業者同士だから放っておきなよ」


 見覚えある子達なので僕は見なかった事にした。仲間達は僕の行動に疑問のようだ。


「あいつら確か‥‥」


 シャリアーナやリグも見覚えあったようだ。


 アリルさんの弟子だなんだと騒いでいるので、男達は諦めて逃げた。本人は帝都に向かっているからいないはずなんだけどね。

 気づかれて逆にこっちが彼女らに絡まれそうなので僕も逃げた。


 せっかく時間あるのでみんなでそのまま商店街をふらつき、学校で使う教材などを用意する。

 新年祭の準備に忙しいお店の人達も新しく学生となるとわかると、親切に必要なものを教えてくれた。







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