ロドスの新邸
お約束の学校編。
ラグーンからロドスへの道中はロモロス馬車組合の宿屋を利用した。
大部屋じゃなくて、四人部屋を三つで。
ヒルテがリグと何か揉めていたけれども、関わると負けるからスルーしたのはいつもの事だ。毎晩騒がしくなりかけ、リモニカとシャリアーナに怒られていた。
お尻や身体が痛くならないように開発したクッションで馬車の旅を楽しみつつ、公都ロドスに到着した。
僕達は荷物があるのでそのまま母さんの用意してくれた家に向かう。アリルさんと二人だけなのに随分と大きい邸だった。
「金級冒険者、それも若く有能な方だから待遇には気を使っているはずよ」
銀級はギルドに金級は国に待遇を約束されるという話しは事実のようだ。
とくにアリルさんは他国でも知名度が高いため、好待遇で迎え入れていると諸外国にアピールする必要もあるらしい。
公爵夫人の依頼をかなりこなした為か、信頼性も高いのだと思う。
貢献度や手柄で領主にもなれるのだから、家くらいは安いものかもしれない。
邸の周囲は飾り付きの高い鉄柵に囲まれていて、門から入ると小さな小屋があった。馬車は左手側に専用厩舎がある。厩舎の建物脇には馬を放せる草地が木の柵で囲われていた。
右手側には庭園と屋根の付いた休憩所があり、小さな泉から水が湧き出ている。人の多いロドスに時々見られる憩いの場だ。
建物は玄関ホールから扇状に広がり中央に客間と大広間、右が食堂や倉庫、左が洗い場や湯場やトイレになっていた。
玄関ホールから二階へは幅の広い階段があり、客室、寝室、図書室などがある。三階は屋根はあるけど吹き抜けになっていた。
裏手には邸で働く使用人用の建物、果樹林、解体場のようなものがあった。
「殆ど使われてないみたいだけど、手入れとか依頼するのかな」
「孤児院では全部自分たちでやっていたからね」
「ヒルテ、何か聞いてる?」
「お二方共、殆どダンジョンにいたのと、家事は得意ではないのでギルドに依頼をかけてました、と」
うん、わかるよ。母さんは家事はともかく料理だけは何故か苦手だった。
アリルさんも旅やダンジョン巡りで、家にとどまり続ける事なんてなかったからね。
「維持費用や使用人を雇う費用はお二方の口座から出すよう言われております」
「何なら私が公爵家から出すわよ。多分お父様からも出ると思う」
それは面倒なので断るつもりだ。依頼報酬は貰っていたし、シャリアーナ達はもう仲間だ。
クランを立ち上げた後に、資金援助してもらえる方がありがたい。ラグーンでそういう事を学べた。
部屋などは、後で決める事にして僕達は湯場でお湯を沸かして旅の汚れを落とした。
シャリアーナ達は公式の場で着るドレスや、正装に着替えていたけど、僕達は冒険者らしく、グレムバイパーの鎧で揃えた。
ギルドより先に公爵邸へ向かい報告に向かう為だ。




