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逃げた神々と迎撃魔王 第一部 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
レガト編

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終わりの見えないランダム探索

「なんだコレ?」


 墓地のような地下道が終わったと思ったら、ぶにょぶにょした粘体の通路に変わった。


「レガト、駄目だよ。足が沈んで進めない」


「水を凍らせて渡る事は出来るけど、とてもじゃないけど魔力が持たないわ」


 深層にあたるエリアはスライムの巣のような場所だった。

 例の如く引き摺って運んで来た素材の中から、リザードンブロスの矛を取って通路をついてみる。僕の倍以上の長さの矛でも底に付かない。


「この中ジワジワとだけど水分とか奪われるみたい」


 ダンジョン内全体が魔物?超巨大な粘性の魔物なのか罠となのかわからないけど、入らなければ問題ないみたいだ。


 水分だけでなく何でも吸収するのか、沈めた部分の握り手の部分や矛の先が溶けたように崩れていた。


「悔しいけど対処方法が見つかるまで、これ以上は進めないな」


 僕達は攻略を断念した。このダンジョンはその後何度か行って挑戦してみたが、遺跡群もランダム、そこから先の地下道もランダムで、わかったのは溶岩の海に、毒の沼と毒の霧の漂う地などバリエーションも様々だ。


「進めるだけ地下墓地はマシな方だったわね」


 ランダムでダンジョン構造が変わるとわかって、シャリアーナがぼやいていた。発見者、そして攻略達成者になりたいようだ。


 ここは運が良ければ鉱山ダンジョンもあって、銀、金、ミスリルにアダマンタイトまで見つかる。

 そこまで辿り着くのが難しいけれど運良く楽に進める組み合わせの日もあるかもしれない。


 密林ダンジョンについては領主様側が管理するのが正解だ。

 ハズレを引いたのに、中で探索を粘られてしまうと効率悪いので、領主権限で信頼ある冒険者達で目的にあやせて回した方が稼ぐ事が出来るからだ。


 素材や鉱石を運び出せる量も限度があるからね。


 僕達は最近はどうせ引き摺るからと、ソリのような荷台を持って獲得したものを運んでいる。

 ダンジョンから出た時、荷台ごと荷車に乗せるので便利なんだよね。何度も探索を続ける内に、トロールの駐屯地も拠点としての形は出来てきた。


 正式に新ダンジョンの存在も発表されて、ダンジョン名は『ラグーンの熱帯林』とつけられた。

 発見者はシャリアーナと『星竜の翼』のメンバーだ。


 そして駐屯地の管理はそのまま辺境伯の四男と騎士達が任せられ、ズリッチ達も守備隊として、領兵隊入りを認められた。

 いつ魔物に襲われるかわからない中で実際に魔物と戦い拠点を築いてみせた為罪はそれを持って帳消しとなったのだ。


 彼らの弟妹も性根を入れ替え兄達を支えていたので自由の身になった。


 僕達は駐屯地に拠点を持てたので普段はゴブリン戦隊に守らせてある。

 流石にラクトス達とズリッチ達だけでは厳しい。拠点の防衛力の向上になるからと、領主様も了承してくれた。



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