古代遺跡
「ダンジョンに当たりってあるの?」
「あるよ。効率良く稼ぐ事が出来るダンジョンは当たりだよね。あとは、土地の需要に対して必要なものを供給してくれるとかね」
その他にも冒険者自身の能力の相性の善し悪しも当たりに感じる。まあ当たり外れは結局の所、探索する冒険者自身の感想に過ぎない。
「ここが当たりなのは古代遺跡だからさ。ほら」
こうした楽しみがあるなら、僕にとっては全部当たりなんだよね。通路に変わった道の先には神殿の入口のような建物があり、いくつもの古代遺跡群に続く。
「冒険者に取って一番嬉しいお宝が眠っている可能性が高い。そういうところなんだよ、遺跡系はね」
聞いた話しだから確証はない。それに危険な罠や強力な魔物がわんさかいたり、竜系の番人やアンデットなどがいたりと、見た目と裏腹に攻略難度が高いのが特徴だ。
見えるから余計欲しくなり、死の罠に誘い込むようなものだ。橋が崩落して引き返せなくなる罠などもあり、進むには勇気もいる。
「アルプ、インプ、罠がないか調べながら進んで。ケルプ、君はスーリヤについていてくれるかい」
前後を小悪魔達に見張ってもらう。罠の解除は出来ないけれども、いたずら小悪魔だけに発見は得意なのだ。
後ろにも警戒する。罠に限らず急に石像が動き出して不意を付くことだってあるからね。
「リグ!スーリヤ!後ろ!」
思った側からスタンドアーマーが動き出す。ゴーレムやガーゴイルの一種で石像や銅像など種類は豊富で、強い。
間一髪かわすことは出来た二人を飛来したガーゴイルの焔が襲う。
ホープがスーリヤのフォローに入り、メニーニが特製鎚でリグの前に回り横殴りにスタンドアーマーを叩きつけた。
硬度の高い魔物の為、メニーニの槌のように、一点に重量が加わる武器は相性がよさそうだ。
ハープとリグも殴りつける。メニーニの一撃より効果は薄いがバランスを崩せる。
スーリヤとシャリアーナは相性が悪いので下がって警戒する。アミュラとリモニカも下がって牽制を行った。
イルミアは魔法で守りを固めるために待機している。
「ガーゴイルには核がある。そこを狙え」
魔法生物系には魔晶石とは別に核がある。生命体とする魔力の供給源で外したり壊れると本体を倒せる。
ガーゴイルは胸の中央、スタンドアーマーはおそらく頭だ。メニーニとホープのメイスで壊してゆく。
鉄や鋼鉄などになるにつれて、硬くより強くなるので先は厳しい。
「核壊したら砂みたいになっちゃった」
そこに残るのは魔晶石と魔物時に由来する金属の固まりだ。石像なら石、金ならば金と。
石の塊都銅の塊はいらないから置いてゆく。うん、これ鉱山じゃないけど鉱石得られるよね。
いま出てこられても倒せないけれど、高級素材とかのスタンドアーマーいたら凄く稼げそうだ。
宝箱もお約束どおり魔物が擬態していた。アルプが騒ぐが、触れない限りは擬態し続けるようだね。
「イルミア、目の前に壁を作れる?」
僕はイルミアに頼み土魔法で壁を作ってもらう。そしてアルプに触ってもらい、即アルプを引っ込ませる。
ダミーボックスは突然噛み付いて来るが壁に阻まれぶつかった。
回りこんでいたメニーニとリグが殴りつけるとあっけなく倒せた。




