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逃げた神々と迎撃魔王 第一部 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
レガト編

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ダンジョンの発見者

 巨大な芋虫の魔物ジャイアントローラー、大型の鳥の魔物トリアケロー、川蛇と呼ばれるリバースネイク、大きな蜂蜜の魔物ハニーワスプ、上半身がリザードマン、下半身が四足の蜥蜴のリザードン、集団で襲ってくる大きな蟻アーミーアントと、このフィールド型ダンジョンは魔物の種類が豊富だ。


 極めつけは大きな象の魔物エビルマムートで、遠距離から獲物を魔法で拘束したかと思うと、十Mを越える巨体で突進したり踏み潰したりする。


 大型の魔物にありがちな地揺れに密林の倒された木々が邪魔して足場も悪くなるため、群れに遭遇すると詰むと言われるくらいだ。


 僕らが戦ったのは通常サイズの単体だったが、それでもかなり苦戦した。

 今日はダンジョン探索初日だから、なるべく接敵したときには戦う事にした。

 大型の魔物は魔力も高くてタフで、当たり前だけど、大きいという事がそのまま武器になると思い知らされた。


 エビルマムートを倒した所で僕らは荷物もいっぱいになったので帰還する。

 このあたりでは採れない薬草や魔力草や果実も取れたのが嬉しい。


 まだ他の種類魔物はいそうだけど、慣れない環境による精神疲労でミスすると危険に陥るからね。


 トロールの駐屯地、僕らはトロールと戦った場所をそう呼ぶ事にした。

 荷車はそこに隠して置いてある。


 馬は置いておけないので、自力で引いて帰る事になるが、大量の荷物を載せられるので持って来て良かった。


「ダンジョン攻略でクランを作るわけわかるわね」


「ん、設営と効率化が大事」


 スーリヤとアミュラが素材の詰まった袋を荷台に置きながらダンジョンの感想を話していた。


「ギルドに報告を入れれば人は来るだろうけど、鉱山の二の舞いは避けたいからね。

今回は領主様に直接動いて自分達の利権は自分達で守ってもらおう」


 辺境伯に話しを通して、領兵隊にトロールの駐屯地を確保してもらう。

 領主側の利益の取り分を大きく割り当てれば、冒険者が来ても利益は失わずに済む。


「抜け道を作って稼ぐにしても、手間と人員が掛かり過ぎると思う。

それと、公的にダンジョン発見を告げる事で、シャリアーナの名が上がる」


 ギルドに先に報告すると『星竜の翼』 の名が先に来てしまい、その一員としてシャリアーナもいた事になる。


 辺境伯のもとで公的に報告すると、シャリアーナが『星竜の翼』 の冒険者達と一緒に達成した、に変わる。

 僕達の名声はさほどかわらないので、主役の座をシャリアーナへ持たせた方が得になるわけだ。


 彼女がこの先どうなるかはわからないが、ダンジョンを発見したものとしての名声はずっと残る。


 それに邪な企みを考え過ぎて、目の前にあった名声を得るチャンスを失った中央貴族は悔しがるだろう。







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