豊富な資源
ジャイアントローラーの住処を拠点に、僕達は探索範囲を広げてゆく。
魔物によっていくつかの道が出来ていて、開けた場所には魔物の巣があった。
蜂蜜狩りと呼ばれるハニーワスプの巣は、良質の蜂蜜が得られるので食堂のおばちゃんに話しを持って行けば依頼が舞い込みそうだ。
「レガト、これ」
リモニカが足跡に気づく。ゴブリンやオークよりもかなり大きい。
「トロールだね。前に見たやつより大きい」
餌が豊富なのか、少なくとも五匹は群れている。
「水場にはリバースネイクがウヨウヨいたし、手入れの問題じゃないな」
洞窟タイプのホール型ではなくて、フィールド型ダンジョンかもしれない。山の中の場合見分けがつかず、いつの間にかダンジョンに足を踏み入れてる事が多い。
今日は川沿いを中心に探索を進めただけで、この魔物の数だ。
ラグーンの北側は壁も厚く高いからって、あまりに放置し過ぎてる気がした。
中央貴族のせいで大規模クランに注視させられているけど、ゴブリンの巣を含めて魔物を使って何か狙ってる気もする。
裏切りとまでは言わないけど、北の森に行かないように誘導していたものがいるはずだ。そいつはきっと僕らが目障りになる。
全く持って面倒臭い話だよ。僕はただ探検をしたいだけ、楽しみたいだけなのに。




