レーナの加護
母さんとアリルさんは魔法の効果を試すために、ロドスのダンジョンに潜る事になった。
母さんの調べたい事の半分をアリルさんがかわりにやってくれたので、久しぶりに一緒に冒険する事になったのだ。
僕は二人について行けそうにないので、ラグーンへ行くつもりだ。
ヒルテも僕について来るという。
なんかいつの間にか世話係みたいになってるけど、もっと自由にしてほしいと思う。
ベルクおじさん達はここに留まり、新規ルートについての検討を行う。
サンドラさんも後からラグーンへ行くつもりだそうだ。
「攻略終えたらわたし達もラグーンへ行くから、ヒルテの言う事をちゃんと聞くのよ」
母さんはそう言って僕とヒルテにアリルさんと同じ腕環を渡した。
「それが砕けたり壊れたりすると、わたしの所まで転移するから扱いには気をつけてね」
「転移って、腕環が?」
「あなた達が、よ」
アリルさんのも同様らしい。僕とヒルテは魔法が使えるからか、それだけで済んだ。
ヒルテとか戦うメイドみたいにすれば格好いいのに。
サンドラおばさんやベルクおじさん達が集まって来たので、みんなで食事をした。
忙しいはずのギルドマスターまで来て母さんと僕に話しかける。
アリルさんの急激な力の変化が母さんのせいだと気づいたのだろう。
探るような目に母さんは気にもしてない。
魔法の加護の力を母さんが使えるのは知っていたからだろう。
長年効果を失わないアリルさんへの加護の力に、驚愕しつつ心配している目にも見えた。




