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逃げた神々と迎撃魔王 第一部 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
レガト編

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アリルさんは改造チート人間

 アリルさんは母さんのために、大分無茶をしていたようだ。


「腕環のおかげで生命は助かったわ。でも、こんな魔法が存在するなんて聞いたことないわよ」


 アリルさんは母さんに腕環を渡す。

『不死者殺し』の異名を彼女は持つ。 しかし異界の勇者達が戦いの中で起きた事を吹聴すれば、アリルさん自身が不死者だと言われかねない。


「いや実際そうなんだけどさ」


 アリルさんはため息をもらす。事実なので誤魔化す気もないようだ。


「夜魔族の中には吸血鬼族のように不死に近い存在はいますから大丈夫ですよ」


 ヒルテが軽く励ます。彼女も心臓や脳を潰されない限り、再生するらしい。

 母さんの腕環と違い、魔力がある限りと条件付きになるそうだが。


「でもこれも限度回数あるからら自動で回復するようにしておくね」


「えっ?!」


 母さんはアリルさんが何か言う前に魔法で腕環をパワーアップさせてしまった。

 母さんとしては『異界の勇者』達にアリルさんが殺されかけた事や、実際七回も亡くなった事にかなりショックを受けたようだった。


 腕環の蘇生は限度回数を越えると魔力でもう一度制限解除されるようにしたらしい。

 発動回数まで自動回復するとか、もう死なないのと同じ気がする。

 アリルさんを倒すには腕環を破壊するか、蘇生を使い切り制限解除される前の刹那に殺し切るしかない。


 母さんは、その辺りの対策どうしようとか、死の罠を発動する檻に囚われたらどうしようと呟いていて更に魔改良するつもりでいた。


『異界の勇者』達の強さから考えると、母さんの魔力を上回るような力の持ち主には敗れる。

『異界の神』とか相手には付与そのものも封じられる可能性だってあった。


 アリルさんはもう充分だと言うけど、母さんは納得するまで試行錯誤を続ける気だ。


 現に父さんの形見の剣にも新たに四属性の魔力を込めて、アリルさんの意思で魔法剣として使ったり、魔法の矢として飛ばせるようにしたらしい。


 アリルさんは、母さんによってどんどん超人化が進む。

 アリルさん自身、能力が引き出されて覚醒しているようにも見えた。




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