第33回配信 クマさんフルボッコ配信 その3
「ちょっと待ちたまえ君たち!!」
ちっ、ゴブプリが置いてかれてるのに気づいてしまった。このまま放置安定だったのに。
「結構早く気付いたわね」
「一応あいつも進化してるってことだな」
「基本がゴブリンしてる状態だからトータルでもマイナスじゃないか」
「人類がいくら退化してもゴブリンにはならないのだけどね」
ゴブプリの進化の系譜とか見てみたいな。
3人で話していたらゴブプリがすぐ後ろに来ていた。
「ゴブプリの騎獣結構早いな」
「兜は特別なのさ!」
ただの名状し難い馬のようなものじゃなかったんだな。
「騎獣って種類によって速度とか違うのか?」
他人の騎獣なんてあまり気にしてなかったけど実際どうなんだろう。
「違うわよ。種族だったり個体差とかも結構あるみたいよ。乗り心地とかもあるみたいだしね」
流石白桜。其処ら辺はしっかり調べているみたいだな。
「乗り心地だったら竜子さんが最強だろうな」
うちの竜子さんはモッフモフのフワッフワだからな。
「……それは否定できないわね」
白桜は騎獣の背に立っている状態だ。あれはあまり乗り心地はよくないだろうな。
「俺の騎獣もモフモフではあるぞ」
虎ちゃんが騎獣を撫でる
「あ〜、確かに?」
ライオンだからな。モフモフではあるよな。
「ちょっと毛並みはゴワついてるけどな」
確かに見た感じフワフワ感はないな。
「つまり野生的ってことかしら?」
「ブラッシングしたら良くなるかな」
「ライオン用のブラシってあるのかしら?」
「騎士団に戻ったらあるか聞いてみよう」
フワモフライオンになったら乗せてもらうかな。
おっと竜子さんから不機嫌な気配が。浮気かこの野郎って感じか?
違うんだ竜子さん。竜子さんがNO1なのは間違いないんだ。だけどデッカいフワモフに埋もれてみたいという欲望がちょっとあるだけですよ。浮気なんかじゃないんですよ!!
走っていると眼前に狼の群れが見えた。
「狼か。そこそこ数が群れてるけどどうする?」
今回の目標はクマさんだからな。幸いまだ向こうは気づいてないみたいだから無視することも可能だな。
「熊の前にちょっと戦って慣らしておくのもありね」
「普通にやれば消耗もしないだろうからやっとくか」
2人はやる気のようだな
「よし。クマさんの前の準備運動と行くか」
「ははははははは!僕と兜を止められるものはいないのだよ!」
ゴブプリが急に速度を上げて狼の群れに向かって走っていった。
「おい、本当にあいつ進化してんのか?」
毎度お馴染みの自爆特攻なんだが。
「むしろ騎獣に乗ったことで機動力が出た分状況的には悪化しているわね」
これは退化したということで良いのか?
「ゴブリンとしては進化したって事で」
それは進化とは言えんでしょう。
あまりにもの出来事に呆気を取られていたらゴブプリの騎獣が狼の群れの中突っ込んでいった。
「僕と兜は人馬一体なのさ!」
狼の群れがゴブプリに襲いかかる。複数での同時攻撃や時間差攻撃。お手本的な集団攻撃のオンパレードだ。
いつもならここで即ボコ死で終了。なのだがなんと今は狼の攻撃を難なく避けていた。
うん。ゴブプリの騎獣がね。
「しかも攻撃してるな」
ゴブプリの騎獣が後ろ足で後方にいた狼を蹴り飛ばしている。当たった狼が吹っ飛んでいるので威力はかなり高いみたいだ。
ゴブプリも勢いよく棒っ子を振り回している。全く当たってないけどな。しかし本人は満足そうではある。
狼も本当の敵が分かったのか騎獣をメインに攻撃し始めている。ゴブプリは完全に無視されている。
本人は狼に無視されているのに全く気付いてないようで当たらない棒っ子を振り回している。
で、俺たちは狼の索敵範囲外で見ているわけだが。
「あれはどうするのが正解だと思おう?」
「放置だな」
「放置ね」
「だよなぁ」
あれの中に入るのはちょっとね。
まぁ、それはそれとしてだ。
「ちょっと気になることがあるんだけどさ?」
物知り白桜先生に確認したい事があるのだ。
「何?」
「騎獣って戦闘に参加出来るっけ?竜子さんの場合だと戦闘になると参加しないで少し離れて見てるだけなんだけどさ」
クマさんをタイマンで張り倒せると聞いてるけど戦ってる所は見たことないな。いつも戦闘になるとちょっと離れたところでお利口さんに待ってるもんな。
ちょっと離れてちょこんと座ってる竜子さんはかなり可愛い。あれを見るがために戦闘する価値はある。
「確かに騎獣が戦闘に参加するなんて聞いた事ないわね」
「乗りながら戦闘は出来るけど騎獣が戦うなんてのは俺も聞いた事ないな」
3人で狼の群れと戦うゴブプリON騎獣を見る。
「戦ってるよな」
「戦ってるわね」
「騎獣が戦ってるな」
戦う騎獣。そしてその上にいるゴブプリは爽やかな笑顔で当たらない棒っ子を振り回している。
「何か条件があれば騎獣でも参加出来るのかしら」
騎獣が狼の攻撃を避けている。群れによる多彩な攻撃が一発も当たっていない。
「まぁ、あれだけが特別ではないだろう」
そして動きの止まった狼に的確に蹴りを入れて倒している。
「存在がバグの騎獣だからそれも同じ存在という可能性も……」
3人で狼の群れに対して無双している馬?とずっと当たらない棒っ子を振り回すゴブプリを眺める。
「「「否定は出来ない」」」
そのまま狼の群れはゴブプリの騎獣が倒してしまった。
「どうだい見てくれたかい?僕の輝かしい活躍を!」
ゴブプリがこちらに戻ってくる。ドヤ顔になっているのが腹立たしい。騎獣はというと最初から熱苦しい表情のままで全く変わっていない。
「あぁ、(騎獣が狼を倒すのを)しっかり見ていたぞ」
「えぇ、凄い(騎獣の)活躍だったわね」
「うん。(騎獣は)強かったんだな」
「そうだろう。はっはっはっは!」
爽やかな笑顔でいるが俺たちの言ってることは理解してないんだろうな。
「とりあえず次狼が出たらお前は騎獣から降りて戦えよ」
「そうね。次もこれだと誰が戦ってるのかわからなくなるものね」
「ふっ、ついに僕が兜から降りて戦うべき相手がくるのだね」
降りた方が騎獣は強くなりそうな気がするな。コイツの役目は錘のついた胴着みたいなもんなんじゃないのか?
虎ちゃんと白桜と視線が合う。2人とも黙って頷いてくれる。うん。俺と同じ意見みたいだな。
ゴブプリが機嫌よく話しているがまぁ、無視でいいだろう。
さて、本命のクマさん探しつつ近場の狼でも狩ろう。道案内頼むよ竜子さん。




