第13回配信 濃いキャラクターとイベント予告
あの後飲み会は朝まで続いた。どうしてあいつらはあれだけ飲めるんだ?そして俺の家で飲んでいたから俺は最後まで強制参加。何度か帰れと言ったが酔っ払いに話は通じなかった。全員二日酔いで苦しめばいいと思う。
解散してから即爆睡。そして起きてから軽く飯を食った後はすぐにゲームにログインしている状態。我ながら見事にハマったものだと思ってしまうよ。
いつもの街の広場に登場!ログインする場所って変えられないのか?今は問題ないけどさ。ずっと同じ場所って言うのも不便だよな。今度白桜ぺディアで確認しよう。
まずは冒険者ギルドに行って姐御に東の森のゴブリン無限湧きについて聞こうかね。まさか黎まで情報収集してるとは思わなかったからな。俺も多少は情報を収集しておかねば。
「そこな幼女、止まるでおじゃる」
ギルドに向かおうと思ったら声をかけられた。言葉使いで既に嫌な予感がするのは俺の気のせいか。とりあえず相手を見て判断しよう。よし声をかけた奴の方に振り向くぞ。はい、どん!
まず目に入るのは顔面白塗りに麻呂眉。服装は立烏帽子に深緋色の狩衣か?手には扇子を持っているが…。
なに?このコメディで出てくる平安公家みたいな格好の人は?特技は蹴鞠ですか?
「麻呂の名前は余麻呂朕でおじゃる。お主が最近話題の幼女でおじゃろう?」
「よまろちん……」
すみません。キャラの情報量が多すぎるんですけど。どうすればいいすっか?あと話題の幼女って何すか?
「麻呂の様な高貴な者を見たのは初めてでおじゃろう。そのように固くなってしまっても麻呂は気にしないでおじゃるよ。麻呂は優しい故の」
好奇な者の間違いじゃないっすか?
「此度は某という東蝦夷が幼女を崇めるためにロリコンドリアなるチームを作ったと聞いたでおじゃる。それがどのような幼女かと思うて興味が出たのでおじゃる。それ故今日は麻呂自ら足を運んで物見に来たのでおじゃるよ」
扇子持っておほほほほって笑ってるよ。これがここに来たのは某が原因ってことか?
それにしてもまた随分濃いのが来たなぁ。ガン決まりのRP勢だよ。なんでこんなキャラにしたんだよ?それにどうしよう。なんか某と同じ匂いがするんだよなぁ。見た目の方向性とかRPしてるとかだけじゃなくてさ。なんていうかな、中身が同じ匂いがするんだよな。まぁ、見た目のインパクトはこっちの方が強いけどさ。某が霞むレベルだよ。
「ふむふむ、お主もなかなか見所がありそうでおじゃるがまだまだ麻呂達の敬愛するルピルピ様には及ばぬようよのう」
ルピルピってあの属性山盛り腕白幼女のことか?
「これでは麻呂達早熟な王国の方が全ての面において圧倒的でおじゃるな」
「ろりーたきんぐだむ……」
物凄いパワーワード入りました。はい、今確信しましたこいつは間違いなく某と同類だ。
そしてまだ会った事のないルピルピ君よ、これが近くにいるのかい?それはとても大変なことなんだろうよ。心を強く持てよ。何かあったらおっさんが相談に乗ってやるからな。泣くんじゃないぞ。
で、さっきから返事する暇がないぐらいにマシンガンおじゃるトークを続けられてるんだけどさ。ちょっとこれをどうにかして欲しいんだけどさ。お願い、誰か助けて?
周囲を見渡すが全員視線を逸らしやがる。ちくしょう、前もこんなのあった気がするぞ。
本当にどうしようこれ。くそぅ、モンスターなら一発殴ってやるのに。
「今宵の目的はこれで達成できたでおじゃるよ。麻呂はこれで帰るでおじゃるよ。麻呂に出会えた幸運を噛み締めるでおじゃるよ。おほほほほ。」
え〜、余麻呂朕が笑いながらいなくなりました。俺は何も返答しておりません。噛み締めるのは幸運ではなくもっと苦い何かだと思います。結局あれが一人でず〜っと話しておりましたよ。それにしても強烈なのが出てきたな。
はぁ、すっごい疲れた。なんだろう、メンタルを鉋でダイレクトに削られた感じがする。
あ〜、とりあえず冒険者ギルドに向かうか。そのうち夢に出てきそうでやだなぁ。おほほほ笑いながら延々と追っ掛けられるやつ。早く記憶から消去しよう。大丈夫俺は忘れられる。おっさんってのは忘れられる生き物なんだから。
冒険者ギルドはいつも人がいるなぁ。他のギルドとかってどういう感じなんだろうな。今度見学にでも行ってみようかな。流石にギルドメンバーじゃないから即帰れはないだろう。
姐御はいるかな〜。お、おっさん2号と話してるな。近くに行って様子を見るか。邪魔なら時間を置いてまたあとで来よう。
「ん、澪じゃないか。今日はどうしたんだい?また訓練でもするかい?」
ニヤリと笑う姐御。なんだろう捕食者に狙われた被食者の気持ちにさせられるんですけど。
「それじゃ、僕はこれで」
「あぁ、じゃあ、それはすぐに張り出しておいておくれ」
おっさん2号が奥に戻っていく。何か気を遣わせたかな。すまんな2号よ。
「訓練もお願いしたいんだけど、その前に聞きたい事があってさ」
「何が聞きたいんだい?答えてやれることは答えてやるよ」
流石姐御。男前だわ。
「東の森のゴブリンが無限湧きしてんじゃないかって数がいたんだけどあれって何?」
「どこでそれを知ったんだい?」
姐御の目付きが鋭くなる。気のせいかな?周囲の温度が若干下がってませんか。
「いや、東の森で実際に遭遇したんだよ」
「なんだい、体験者か。それなら別にいいか」
姐御の表情が元に戻る。こころなしか気温も戻ったような気がする。
「まぁ、もう発表するから今私から言っても問題はないね」
発表とな。
「あんたが見たように今東の森のゴブリンが異常に増殖している。これは数日前から色んな冒険者からの報告が上がってるね。最初は原因不明だったんだがね。ついさっき神からの御告げが来たんだよ」
神からの御告げ?急に宗教的なやつ?
「これだよ。見てみな」
姐御に紙を渡される。
「え〜、なになに。東のゴブリンが大量発生し始まりの街プエブロに向かっている。プレイヤーは協力しこれを撃退せよ」
ってこれイベントの告知じゃないか。神って運営のことかよ!まぁ、確かにゲームの世界においては運営=神だよな。
おっ、メニューのお知らせでイベント告知が来てる。メニューのお知らせで情報が追加されてるの初めて見たな。
改めて確認しておくか。
第4回イベント ゴブリン討伐 開催
開催日 ○月✖️日 土曜日
時間 18:00
参加対象者 プレイヤー全員
内容
東の森でゴブリンが異常発生している。このゴブリンがスタンピードを起こし始まりの街プエブロに襲い掛かろうとしている。プレイヤーは協力してスタンピードからプエブロを守れ。
※プレイヤーのレベルによって参加するエリアが変更可能です。より高レベルのエリアだと報酬のグレードが上がります。自分のレベルに合ったエリアでイベントに参加することをお勧めします。
注意事項
このイベント中はデスペナルティがなくなります。死に戻ると全ステータスUPのバフ効果が付きます。ただし死んだ回数によってクリアランクが下がりイベント報酬が少なくなりますのでご注意ください。
ほぉ、イベントか。開催日は休みだな。よし参加しよう。それにしてもデスペナなしだけど死んだら報酬減か。
レベルで参加エリアも変更可能と。俺はそんなにレベル高くないから初心者エリアみたいな所で戦うのかな。
「ありがとう姐御」
姐御に紙を返す。
「澪は参加するのかい?」
「それは勿論」
ニヤリと笑ってしまう。姐御たちNPCにとっては街をモンスターに襲われるかもしれないっていう非常事態かもしれない。しかし申し訳ないが俺たちプレイヤーにとってこれはある意味で祭りだ。これは参加しますとも。
「いい顔するじゃないか。じゃあ、無様な真似を晒さないように私が鍛えてやるよ」
「お、おぅ。ありがとうございます」
姐御の獰猛な笑み。格好いいけどさ。これからこの人にボコられるかと思うと少し尻込みしてしまう俺は悪くないと思う。
「姐御たちはこの時はどうするんだ?」
「ん?私たちかい?私たちは街の中で防衛することになるね」
「姐御は出て行かないのか?」
この人ならゴブリンに突っ込んでって楽に殲滅しそうな気がするんだけど。
「神の御告げでアンタたちぷれいやーがヤレって言ってるじゃないか。だから私たちは出れないのさ」
なるほど。そういう設定なのね。
「今回は大きな戦いになりそうじゃないか。私が基本的な闘い方からきっちり仕込んでやるからね。行くよ澪」
「よろしく頼むよ。姐御」
この前アーカイブで確認した動きの荒さもあったからな。ここで修正出来る様にしないとな。
「それじゃやろうかねぇ」
姐御が両手斧を一振りする。結構離れてるのに風圧で俺の前髪が揺れてるんですけど。今気軽に振っただけですよね。俺の全力より早かったと思うんですけど。
「これから大きな戦があるんだ。いつもより気合入れなよ」
そうだな。これから楽しい祭りがあるんだ。やるからには全力で楽しまないとな。楽しむためだったら俺は全力で準備をするぞ。
フードを被ってバトルアックス振り回す。大きい武器を振り回すとそれだけでテンション上がるよね。よし準備完了だ。
「いいねぇ。気合十分じゃないか。まずはあれからどれだけ強くなったか見せてもらおうか」
これはかかって来いってやつだな。ではお言葉に甘えてこちらから行かせてもらおうかな。
「おりゃあああ!!」
無理っす。何この人?どうすれば勝てるの?というか勝たせる気ある?
前回よりは多少強くなったと思ってたんですよ。狼君も倒したしね。なのに何?この隔絶した実力差は。
「まぁ、以前よりは強くなったし動きも良くはなってるな」
そうは言ってくれますが姐御。まだ余裕ありますよね。汗一滴もかいてないし。
「そう言ってくれるのは嬉しいんだが全然良い所がなかったな。俺が弱いのかそれとも姐御が強いのかどっちだ?」
「ん?そんなの簡単だ。澪が弱くて私が強いんだよ」
そんな気はしてたけどはっきり言われると結構来るものですね。どっちもですか姐御。
「まぁ、澪が弱いというか、ぷれいやーは全員弱いね」
ほっ?プレイヤー全員が弱いですと。
「まぁ、澪も含めてだけど、あの成長速度は驚くけどね。それでもまだ弱いね」
断言しますね。まぁ、俺が弱いのは理解出来るがプレイヤー全員とは。
「姐御ってレベル幾つなんだ?」
自分で聞いてなんだがNPCってレベルあるのか?
「私のレベルは98だね」
たっか!カンスト寸前じゃないっすか。そりゃ、俺じゃ相手にならんわ。まさに幼女の手を捻るかの如く遊ばれてたんだな。
「ちなみに冒険者ギルドで独り立ち出来たと言える最低限の実力はレベル50からだからな」
「50!?」
それなら俺たちプレイヤーは弱いって断言できるわ。俺まだレベル10台だし。しかしトッププレイヤーのレベル帯って今どれくらいなんだろう?後で白桜に聞いてみよう。
「まぁ、凄い速度で成長してるのは確かだけどね。これからに期待してるよ」
うす、頑張ります。
「これから澪たちはゴブリンの討伐があるんだろ。気合を入れなよ。なに失敗しても私たちが何とかしてやるから安心して行って来な」
俺たちが失敗してもNPCがこんだけ強いんなら街には被害はないな。よくあるやつだと失敗したら街に被害が出るとかあるけどそれがないのはちょっと気が楽だな。しかしだ。
「かなりゴブリンの数が出てくると思うけど姐御たちだけで大丈夫なのか?」
いくら強くても恐ろしい数が雪崩れ込んだら流石にキツくないか?
「あぁ、大丈夫だよ。私たち冒険者ギルドだけじゃくて各ギルドからも人が出てくるだろうからね。」
防衛に回るNPCも多いのか。それは安心だな。
「それに各ギルドには化け物みたいな奴らがいるから大丈夫だよ」
姐御から化け物って言われるNPCって何?それって人間ですか?どっかの魔王とかじゃないんですか?
「さて、休憩はここまでにしてもう少しやろうか」
いや、ちょっと化け物の人が誰だか教えてくれません?気になるんですけど。
「ほら、行くよ!」
「えっ?あっ、ちょっと。ぎゃぁああああ!!」
その後滅茶苦茶ボコられました。レベル98って聞いた後ですよ。身構えてしまっても仕方がないと僕は思うんですよ。
あっ、結局化け物については教えてくれませんでした。聞く余裕がなかったとも言うがな。
名前 澪
種族 人間 女性
LV13/1↑
職業 メイン 戦士LV8/1↑
サブ ーーーー
ステータス
HP 411/64↑
MP 43/ 12↑
STR 175/ 48↑
VIT 83/12↑
DEX 77/10↑
INT 24/2↑
MIN 36/4↑
AGI 71/13↑
LUC 89/9↑
スキル
斧術LV8
LV1 斧装備時攻撃力UP小
LV2 アーツ:ビートダウン習得
LV3 斧攻撃モーション短縮極小
LV4 斧攻撃時ノックバック耐性小
LV5 斧装備時ステータスUP小 アーツ:ウッドブレイカー習得
LV6 斧装備時STR UP小 攻撃力UP小
LV7 斧攻撃時ノックバック効果追加小
LV8 斧装備時攻撃力UP小
EXアーツ:ハチェット習得




