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保安装置を強化しろ! 

 南部線が開通し、我がヤマシタ鉄道の運営する路線の長さは飛躍的に伸び、それにともなって運行する旅客と貨物、双方の運転本数も増大してきた。特に港を擁するキエシャ辺境伯領に線路が伸びたことで、貨物の取扱量が飛躍的に増えた。


 さて、そうなると問題になってくるのが、列車の運転本数増加と比例して上がる事故発生率を、如何に低く抑えるかだ。


 開通当初の日に数本の時代は、線路の閉塞区間を区切って、その中に進入する列車を物理的な通行手形で限定する通票(タブレット)方式を採用していた。


 しかしこの方式の場合、確かに簡単な原理で安全性を高められる一方で、閉塞区間を長めに取らないといけないし、安全性を高めるために複線とした区間のメリットを、充分に発揮できない欠点があった。


 そこで、トセの街の発電所も安定稼働し始めたので、一部区間で色灯式信号機を採用することにした。これは言うまでも無く、現代でも使われている青・黄色・赤色を組み合わせた電気点灯式信号機のことだ。


 これ以前も、信号機としてはタブレット方式と併用した、腕木式信号機を採用していたけど、見にくいという欠点があった。特に夜間は、夜光塗料を塗っていたとは言えだ。


 これが電気式の色灯式なら、暗闇でもはっきりと見える。


 ただし、まだ稼働している発電所の発電力が小さい上に、信号機に使う電灯の生産も始まったばかりなので、特に運転本数が増加して危険性が増しているトセ中央駅周辺区間で、試用することにした。


 ちなみに色灯式信号機の仕組みは案外単純で、事前に線路に微弱な電気を流しておき、その区間に列車が進入して電気を短絡すると、信号機が赤になる。そして徐々に信号機から離れていくことで、黄色、青色の順番で変わる。


 この列車が線路上にあって、電気を短絡することで作動する方法は他に踏切でも使われている。


 この踏切も、信号と合わせて該当区間にある3カ所を電化することにした。列車が接近すると電気式の鐘が鳴り、警告灯が発光する仕組みのものだ。ただし、遮断桿を降ろすには電力が足りないので、これまで同様、遮断桿を降ろして旗振りをする踏切警手を置くのは変わらない。


 それでも、音と光によって、今まで以上に危険を周知することにはなる。


 この信号機や踏切も、ゆくゆくは全線に設置し、さらに駅構内の分岐器などで使用する構内信号機も電気式に置き換える。現在は全て人力の旗とランプの点灯でやっていて、死者こそ出てないが転倒などによる負傷者は出ているからね。


 とは言え、こんなのまだまだ序の口。いずれは自動列車停止装置や自動列車制御装置、列車無線なんかも開発したい。


 車両の方も自動連結器の採用や、車両の鋼体化など、より安全かつ性能の良い車両にすれば、もっと多くの人や貨物を、安全かつ快適に運ぶことが出来る。


 とはいえ、ここはそれを実現する技術も工業も育っていない異世界。だから出来ることから、一歩ずつだね。


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