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撮影会

なんとレビューが書かれていました!

ありがてぇ……。



 人に見られるのは恥ずかしいということなので、荒れ地の先にある森に俺達は移動した。


「リリィー?準備できたかー?」

「ちょ、ちょっと待て!この装備思ってたより際どいんだけど!?」

「はっはっは。気のせい気のせい。マントもあるんだし恥ずかしがることないって」


 そう、確かにマントはある。追加分の装備を作る時、その事実に俺は絶望した。だが逆に考えたのだ。マントの下からからチラリと覗く素肌、これってポイント高いのでは?と。しかし普通に面積の小さい装備を渡してもリリィが着てくれない可能性があった。

そこで匠の技が光る!天才的発想だと俺自身を褒めてやりたい。つまり、()()()()()()()を作ればいいじゃないってことだ!この方法ならリリィに装備を渡した時点での大きさは俺基準でありそれほど際どくはない。リリィが装備の真の姿を目にするのはメニュー操作で自動サイズ調整を行った瞬間って寸法よ!


「うぅ……こ、これでいいんでしょ!?」

「おお!めっちゃ似合ってるっすよリリィ!食べちゃいたいっくらいエロ可愛いっす!」

「わー!ふわふわで可愛いですね!私、きゅんきゅんしちゃいます!」

「私が男だったら惚れてる。ライ、ぐっじょぶ」

「うっはははは!俺の想像を遥かに越える完成度だぜ!惜しむらくはうなじと背中が見えない所か……」

「こ、これは凄まじい破壊力だな……うっ、紳士力が強制的に高まっていくだと……!?ライ、お前はなんて恐ろしい物を作り上げたんだ!」


 ん?心なしか俺を含めて皆のテンションが高い気がするが気のせいか?……まぁ、こんな素晴らしい光景を見たらテンションも上がるか。ひゃっほー!滾ってきたぜぇ!


「ま、待って皆!何で魅了状態になってるのよ!?」

「あはは!そんなのリリィが可愛いからに決まってるじゃないっすかぁ!」

「リリィちゃん……ちょっとだけ、ちょっとだけでいいの。ぎゅーってしよ?」

「もふもふ……ペロペロ……」

「ハァ……ハァ……ぐっ、み、魅了だと?精神系の状態異常か!リリィ、皆にキュアを掛けろ!俺もそろそろヤバいから早k……ペロペロォーー!!」

「キャー!?キュアオール!キュア!キュアキュアキュア!!」


 なるほど。それで皆のテンションが高かったのか。涙目でキュアを連射しながら逃げるリリィたんペロペロ。うん、なかなかいい画だ。マントが翻り背中もチラッと見えているし、ギリギリで中身を見せない絶対領域も素晴らしい!


「まさかこの装備のせいなの!?ってちょっと!何で魅了状態じゃないのにライ君まで追ってくるのよ!しかもなんでインナー!?」

「はっはっは!知らないのか?カメラマンは撮影の時脱ぐのがマナーなんだぜ!おっナイスアングル!んんっグゥレイトォ!」

「全然答えになってないじゃない!」

「はっはー!その表情も実にエクセレント!」

「「「「ペロペロォーー!!」」」」

「ひぃ!?ちょっと!ふざけてないで助けてよ!」


 う~ん?確かにこれはちょっと不味いかもな。女性陣はいいとして、ライトは抑えてやらないと最悪アカウント停止になりかねない。仕方ない、骨装備の威圧の眼光で動きを封じるか。この状態でも通るといいんだがなぁ……。


「変身!おらライト!垢バンされたくなかったらこっちを見ろ!」

「ペロペ――!?」

「クハハ、止めてやった俺に感謝しろよなライト!おーいリリィ?ライトは止めたからあとはそっちでなんとかしてくれー!」

「1人じゃ無理よ!他の皆もとめ……ぁ――」

「おいバカ!?お前まで目を合わせてどうする!」

「「「ペロペロぉ!」」」

「―――!?」


 



 詳細は伏せるが、実に素晴らしいスクショが撮れたとだけ言っておこう。


「うぅ……ぐすっ、もうお嫁に行けないわ……」

「まさかふわふわシリーズにもセットで発動するタイプの効果があったなんてな。いやー作った俺も驚きだぜ」

「ご、ごめんねリリィちゃん?」

「にはは、ちょっと気まずいっね」

「ご馳走様でした」

「はぁ……マジで危なかったぜ。ライ、止めてくれてサンキューな。てかその鎧改造したのか?前より禍々しくなってんぞ」

「そうか?俺は別に弄ってないんだけどな。再生するときにでも歪に直っちまったのかな?」

「尻尾の先に顔みたいなのが出来てる」


 ふむ、確かにそう言われると顔に見えないこともない。けどこれは、なんだったかな?えーっと……


「あれだ!丸いものが3つあると顔に見えるとか言う……ドッペラー効果、だっけ?」

「それサイレンのやつっすよね。プラシーボ効果じゃないっすか?」

「ぐすっ、それも違うわ。たぶんシミュラクラ現象のことね」


 しゅみゅらっ……しゅめ……。

 顔に見える現象はそんな名称だったのか!1つ賢くなったぜ!


「さてリリィ?皆も落ち着いた所で撮影会を始めようか」

「え!?さっきスクショ撮ってたじゃない!」

「いやぁ、俺はさっきのも躍動感溢れてて好きだぜ?でも一応人に見せるやつだし、ちゃんとポーズとって撮影した方がよくないか?」

「それは、そうね……」

「よし、決まりだな!」

「言っておくけど、撮ったスクショは確認させてもらうわよ?もちろんさっきのも含めてね」

「……おう、もちろんいいぞ?」


 くっ、検閲が入るのか!今のうちに思考操作でダミーのフォルダを作成し、本命のお宝達を逃がしておかねば!





「で、やっぱり脱ぐのね……」

「当たり前じゃん。カメラマンだぞ?」


 被写体を前に溢れ出すリビドーを解放し、最高の一瞬を切り取り永遠とする。それがカメラマンというものだ。脱がなきゃ何も始まらないよな?


「はぁ……まぁいいわ、暗くなる前に終わらせましょ?」

「OK任せろ!それじゃまずは好きにポーズをとっていってくれ。……いいじゃんいいじゃん!よし、その木に寄りかかってくれ。太陽の光が眩しいなぁって感じの表情で……いいねぇ。最高だぜ!次はしゃがんで上目遣い行ってみようか……おぅファンタスティック!ははは!リリィも乗ってきたな!次のポーズは―――」





「ふふふ、リリィってば嫌がってた割に始まるとノリノリっすね」


ワンダフォー!


「私達にペロペロされて吹っ切れたんだと思う」


アメイジーングッ!!


「ライリーフさんもスキル使って空中からのアングルまで再現するとか気合い入り過ぎですね」


エキサイティーング!!!


「なぁ……撮影ってこんなにうるさいもんなのか?会話の間に聞こえてくるライの声で内容が入ってこないんだが」


サイケデリックゥーッ!!!?


「たぶん、違うんじゃないですかね?」

「だよなぁ」



「ハァ……ハァ……、リリィ、おかげで最高の画が撮れたぜ!ありがとな!」

「そ、そう?ならよかったわ」

「ああ、完璧だ。確認してくれ」

「……ふーん?な、なかなかよく撮れてるのね」

「だろ?特にこの『荒ぶる鷹を鎮める乙女』のポーズとかおすすめ」

「それってそんな名前だったの……?ねぇ、こっちのフォルダはなにかしら?」

「ん?それは俺が連れ去られた島の風景とか撮ってあるフォルダだな」

「へー。ちょっと見せてもらってもいいかしら?」

「おう、いいぞ。衝撃の光景のオンパレードだから覚悟し、ろ……?」


 あれ?俺がお宝ショットを移したのってこのフォルダじゃなかったか?い、いかん!早く囮フォルダに誘導せねば!


「あ、そうだ!その前に逃走してるときのスクショも確認してくれよ!ほら、こっちのフォルダにはいってるからさ!」

「んー、別にいいかな?さっきもちゃんと可愛く撮ってくれてたし信用してあげる。それよりも先のフィールドの方が気になるもの」

「そ、そうかぁ……嬉しいなぁ……」







その後、当然のようにお宝ショットは発見され削除されてしまったとさ。ハァ……。

いつも応援ありがとうございます。

どうやらスタミナが切れたのではなく、ギャグ、コメディ要素が少ないことによる酸欠だったようです。

今回とかめっさスラスラ書けました。

作者は戦闘と日常会話とシリアスな描写がすこぶる苦手ですからね!

次の詰み要素までには改善しておきたい所です。



おまけ

ふわふわ装備のセット効果

・魅了のふわふわ

ふわふわを目にした相手を確率で魅了状態にする。装備者への好感度が高いと確率上昇

この効果で魅了されている相手からの攻撃で一切ダメージを受けない。

・ふわふわらびっとそうる

AGI、STR上昇・小 MP自動回復・小

異性(兎)からモテる

・もこもこの守り

耐寒、耐熱効果・中 物理ダメージ半減


プリティ・ダイヤモンドさんに感知されただけあって割りととんでもない一式装備になっている。

ただし基本的な防御力は初心者装備に毛が生えたような物なので性能を過信してはならない。

アイドル系ジョブとの相乗効果で無限バフとか出来たりするのはナイショだ!

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