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追加される試練?

注意!

あまりに筆が進まず、やむなく頭空っぽにして執筆した結果、ちょい下ネタ成分が多めとなっております。

下ネタ苦手な人、ごめんなさい!

 目の前には三柱の神がいる。

 レーレンだけならわからなくもない。何せ遊びを司る神だけあって、割りとゆるい条件で地上に出て来たりするし、戯神の試練は表現こそ神との直接対決になるが、その実レーレンが満足するまで一緒に遊び続けるようなものだから。

 だが他の二柱はどうだろう?

 見た目を除いてレーレンの双子とは思えないくらい有能で、魔剣やらゴーレムやら色々作れちゃうレーレイ。そしてコーデル王国の神五柱のうち、男性信者数ナンバーワンを誇るおっぱい、えっと……う、うぇな、うぃに? ……地神!

 どちらもレーレンと比べるのが烏滸がましいくらいには直接会う難易度が高い筈だ。それなのにそれがレーレンっておまけ付きで同時に会えるなんて、どう考えてもおかしい。

 ええ、正直言って面倒事の予感しかしませんとも。世界樹の果実を受けとる為だけに神界に呼び出される筈がねぇ!


「くっ! 俺に何をさせるつもりだ!?」

「え? 別に何も……あ、そうだ。せっかくだしレーレンにあげるとっておきのおやつでも作って貰おうかな?」

「グハッ……墓穴掘ったぜ!」

「ぶー! セコいぞレーレイ! 戸棚の三段目の隠し扉に入れてあるお団子を大人しく渡せー!」

「あんたなんでそんなこと知って……ああ! たまに少なくなってる気がしたらやっぱりあんただったのね!」

「うぇ!? な、ナンノコトカナー?」


 おやつを巡る兄弟の争いは、たとえ神であっても変わらないのか。なんて庶民的な神々なんだ。


「ふう……とりあえずレーレンにお説教している間に私達が満足のいく品を世界樹の果実を使って作ってもらおうかな。他の材料はあっちの倉庫から適当に使っちゃっていいからねー」

「うわーん! バルムンク伯爵助けてー!」


ピコン!

《シークレットクエスト・神々のお茶会》

報酬

アイテム 食神印の移動キッチン

称号【神話級おやつクリエイター】


達成条件

世界樹の果実を使用して、レーレン、レーレイ、ウェネアを満足させるおやつを作りだせ!

※※※注意!※※※

このクエストは破棄できません

クエスト終了まで通常エリアへの帰還が無効化されます



 ロープでぐるぐる巻きにされながら連行されて行くレーレンに、何故かシンパシーを感じる。しかし手助けするのは面倒なので、おもむろにレーレンに近づきバルムンク伯爵の仮面を装着させる。


「やったな! 今日からお前がバルムンク伯爵だ!」

「あれぇ!?」


 バルムンク伯爵の仮面は、俺が装着していた時よりも強化されている。ネーム偽装効果はそのままに、変身機能を新たに搭載したのだ! 仮面を装備した状態で、「カモン、バルムンク!」と叫ぶとバルムンク伯爵の衣装も展開される優れ物。もちろん本物のバルムンクを素材に使用した『光る! DXバルムンク』だって付いてくる!

 このクオリティだ、遊びを司る戯神レーレンはさぞ喜んでくれることだろう。ふふふ、あまりの感動に涙を流しながらレーレイに担がれてドナドナされて行くぞ。


「さてと、それにしてもまた破棄できない試練タイプのクエストか……」

「美味しいおやつ期待してますぅ」

「……まあモンスターと戦う訳でもないしいいけどさ。あ、そうだ。地神の試練の報酬ってないんですか?」

「称号が追加されてる筈ですよぉ?」


 言われてステータスを確認してみる。すると称号の覧に、【地神の試練を越えし者】が追加されていた。でもなぁ……。


「これだけ?」

「はいぃ。それだけですぅ。しいて言うなら試練達成自体が報酬ってことに……」

「ならんわ!」

「ええ!? てっきり試練のコンプリートを目指しているのかと……ほら、他の方々だと精々一柱からの試練しか達成していないのに、貴方だけ三柱からの試練を達成してましたしぃ」

「逆ですから! 俺としてはむしろ神々なんかとは関わり合いになりたくないくらいなんです!」

「うぅ、どうしましょう……。タダで世界樹の果実を貰うのは神としていけない気がしますしぃ、何か報酬になる物を準備しなくちゃですよねぇ? でもいきなりそんな物思いつかないしぃ」

「ほーん、代わりの報酬ねぇ? そんならその体で払ってもらおうかいのォ?」

「か、体で、ですかぁ……?」

「そや。神様ええ乳しとるけぇのぉ、それを心行くまで堪能させて貰おうか?」

「そ、それはぁ……ひ」

「ひ?」

「一揉みだけ、なら……」

「マジかよ」


 思わず真顔になる俺。最近茶番成分が不足していたせいで、途中から悪ふざけに走ってしまったが、なんと乳神様から……じゃねぇ、地神様からまさかのOKがもぎ取れてしまった。

 あのアイシャさんの物にも匹敵するボリュームに、この手で正面から合法的に挑めると言うのだ。男として、いや(おとこ)として引く訳にはいかない。

 しかし……しかしだ。本当に揉んでしまっていいのだろうか? いかに本人もとい本神同意のもととは言え、ハラスメントコードに引っ掛かって垢BANされるんじゃないか? そんな不安が俺の中から拭いきれない。たかがおっぱい一揉み、されどおっぱい一揉みだ。ゲームを始めてからもっとも慎重な決断が今要求されている。

 俺のとれる選択は二つ。揉むか、揉まぬか。揉んで垢BANの恐怖に怯える日々を過ごすか、揉まずにその手に出来た筈の感触を想い枕を濡らすかだ。やって後悔するか、やらずに後悔するか……これはそう言う問題だ。

 当然俺の脳内勢力は二分化され、激しい争いを繰り広げるに至った。しかし戦況は五分と五分、同じ自分で争っているのだから決着がつく気配もない。

 ここまでの思考時間、僅か0.2秒。しかしこのままではいつまでもこの状況が続き、俺と地神様の間に気まずい沈黙が訪れてしまう。その前になんとかこの脳内の拮抗状態を打ち破り、正しき答えに辿り着かねば!

 くそっ! この状況を打破する為には誰か俺以外の意見が必要だ! 誰か、誰かいないのか!?


「はっ! そうか、その手があったな」

「えっ、あのぉ……?」

「ちょっと失礼」


 聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥だと言う。ならば聞こうじゃないか。俺の行いの是非を……この世界の絶対にして公平なる法の番人に!

 いざ、GMコールッ!!

《こちらGMコール担当Navi-02です。本日はどうされました?》

「地神の試練をクリアした結果、地神様のおっぱいを揉んでもいいことになったのですが、おっぱい揉んでもアカウントはBANされませんか?」

《はい?》

「地神の試練をクリアした結果、地神様のおっぱいを揉んでもいいことになったのですが、おっぱい揉んでもアカウントはBANされませんか?」

《えっ、あの、しょ、少々お待ちください! ただいまログを調べますので! ええ……? 何がどうしてそんな事に……うわ、本当に許可もぎ取ってるし》


 緊張の一瞬だ。この結果次第で、この手がおっぱいに届くかどうかが決まる。おお、神よ、GMよ! 願わくばこの手におっぱいを!


《えーっと……上の者に確認を取りますのでもう少々お待ち下さい》

「はい」


 ふっ、焦らしてくれるじゃないか。いいぞ、いつまでだろうとも待ってやるさ。待っている間に、どの一揉みがもっともおっぱいを楽しめるか考えよう。貴重な一揉みだ、真剣に吟味せねば。

 ここはやはり正面から行くべきか? それとも背面から……いや待て、そもそも片手でなのか両手を使っていいのかでも話は変わってくるぞ。くっ、なんて贅沢な悩みなんだ!


《……お待たせいたしました》

「っ!」


 どうだ? どうだったんだ? 上からの判断とやらは俺にどんな回答を用意したんだ!?


《今回に限り、その、揉んでもいいそうです……》

「ヤッターーーァ!!」


 我、試練を乗り越えたり! ここに勝利は確定した! いざ行かん、神々の住まう双山へ!


「お待たせしました。GMからの許可もゲットしたので、不肖ライリーフ、地神ウェネア様のおっぱい……揉ませて頂きますッ!」

「は、はいぃ……お手柔らかにお願いしますぅ」


 ふふふ、お手柔らかにだと? 柔らかいのはおっぱいの方だぜ!

 おっと、焦りは禁物だ。先ずは両の手の平を合わせ、ただひたすらに祈る。心からおっぱいを楽しむ為には心を鎮めなければならない。そうすることで、おっぱい以外の余計な物が視界から消え失せ、周囲の音も次第に小さくなっていく。

 音も消え去り匂いも感じなくなったとき、両手の触覚は限界を超えて研ぎ澄まされる。今よりこの手はおっぱいを揉む為だけに存在する器官となったのだ!

 この機会に巡り会えたことへの感謝を込めて、ゆっくりと手を伸ばす。

 タラリ、と汗が一筋垂れた。向かい合ってみて初めてわかるこの圧倒的存在感。まだ触れることすら出来ていないにも関わらず、まるで大地を押しているかのような圧力を両手に感じる。

 無論、そんな物は気のせいであり、俺の両手はゆっくりと、しかし確実におっぱいへと進んでいく。

 あと50センチ、あと40センチ、あと30センチ!


「ぬぅっ……!?」


 ここにきてさらに圧力が大きくなる。磁石が反発しあうように、俺の両手を遠ざけようと力が働いているようだ。

 いや違う! 俺がおっぱいから離れようとしている!? バカな! この俺がおっぱいを恐れたとでも言うのか!? 目の前にあるのは神々しいおっぱいじゃないか! それの何を恐れると……はっ!

 しまった、おっぱいに集中しすぎるあまり、俺は無意識の内におっぱいを信仰してしまっていたのか。俺はおっぱいを恐れたのではない、畏れていたのだ!

 クク、しかしタネが割れればなんてことはない。集中の度合いを一段引き下げればいいだけのことよ!

 匂いと音が世界に戻り、それに伴い俺の両手もまたゆっくりと前に進むようになった。

 あと20センチ……10センチ……5センチ!

 今、至福の一揉みをこの手に抱かんッ!


「ウェルカムおっぱ――ひぎょ!?」


 唐突に飛来した金属製の鎖により俺は吹き飛ばされ、さらに動きまで封じられてしまった。

 こ、この鎖はまさか!? 先程レーレイがレーレンを捕らえるのに使っていた物か!


「ねえ、おやつも作らずに何してんのさ」

「ちょっと試練の報酬をですね……」

「は?」

「いやその、揉んでもいいってウェネア様も言ってましたし……」

「……本当なのウェネア?」

「体で払えって言うからしかたなくぅ……」

「そう。でも私が来たからにはそんな事許さない」

「そんな! これはGMの許可だって得ているんだぞ! 横暴だー!」

「代わりのあげるからそれで我慢なさい」


 ぐいっとレーレイに頭を捕まれ、持ち上げられる。なんだ? まさか代わりに自分ので我慢しろって言うのか? 残念だがロリっ娘のちっぱいは今はお呼びじゃな――

 むにゅん。


「!?」


 な、なんだこの柔らかさは!? 俺が目を瞑った一瞬の間に成長したとでも言うのか!? 急いで目を開けるとそこにあったのは――

「……これは」



おっぱいマウスパッド・ウェネアモデル ☆☆☆☆☆☆

技神レーレイの作りあげた渾身の一品

地神ウェネアがモデルになっている

その触りごごちが本物と一緒なのかどうか

それは製作者であるレーレイしか知らない



「それあげるからさっさとおやつ作って」

「れ、レーレイぃ! いつの間にこんなもの作ったのぉ!? 貴方も無言で顔埋め続けないでくださいぃ!」

「ちょっと夜更かしした時に……反省はしてるよ?」

「ふぅ……本物に触れる機会を逃したのは残念でならないが、今回はこれで我慢するとしよう。さすがは技神と言ったところか。今度これの製法を教えてくれ、ティルナートの鞘作りに役立ちそうだ」

「え、てぃっぷーの鞘? なんで?」

「あいつおっぱいにハマってな。収まった時におっぱいの感触がする鞘が欲しいとか言ってんだよ」

「ふーん? じゃあそれの製法もおやつの報酬につけてあげるね」

「サンキュー」

「なんで平然と会話続けてるんですかぁ!? ちょっとぉ! 無視しないでくださいぃ!」


 ……

 …………

 ………………


 あー疲れた。結局おやつを五品も作らされたぜ。まあ今回は良い物貰えただけマシだけど、やっぱり神とはなるべく関わりたくない。って言ってもこの国の神でまだ接触してないのってあと一柱しかいないんだけどな。たしか魔法の神だっけか? 生活魔法しか覚えてない俺には無縁そうで助かるね。


「おうライ坊や。こんな所におったか」

「ん? ジュリペさんどうしたの?」

「どうしたじゃなかろうが。従業員達の面接が終わったんで、お前さんを探しとったんじゃ」

「ああ、忘れてた」


 そう言えばジュリペさんに面接丸投げしてたんだっけ。でもこれはけっしてサボりではない。社会経験に乏しい俺なんかと違ってじい様達の方が人を見る目があると思っての采配だ。適材適所、別に自分で面接するのが面倒だった訳じゃないんだからね!


「あれ? 面接終わったんなら別に俺行く必要なくない?」

「ん、まあそうなんじゃがな。一応ライ坊はここのオーナーじゃろ。どうしても顔合わせがしたいっちゅう(もん)がおってのぉ」

「めんどくさ」

「まあそう言うな。優秀そうじゃったし、いっそ右腕にして業務を丸投げするって手もあるぞ」

「あーそれいいね。どうせ俺あんまこっちにいないし」

「じゃろう? だから会うだけ会ってやってくれんか」


 てな訳でその人が待たされている場所まで移動することに。部屋に入ると、何故か跪いた体制で件の人物が待ち構えていた。

 おい、ジュリペのじい様よ? 優秀そうな人じゃなかったのか? 俺から見た第一印象は変な人だぞ?


「えっと、俺と会いたいって言ってたのは貴女であってます?」

「はい。是非ともこの素晴らしい施設を個人で保有する御方にお目通りしたく思った次第です」

「そうですか。まあここの建物は殆どブラウニーさんが建てた物だから別に俺が凄い訳じゃないんですけどね」


 跪いて待ち構えていたからちょっと構えてしまったが、そこまで変な人じゃない、か? しかしなんだろう。ふよふよ頭で揺れるうさ耳はどこかで見たことあるような……。声もなんだか聞き覚えがある気がする。


「ここで働くことができる喜びを胸に、明日より業務に励もうと思います」

「それは助かります。暫く働きぶりを見て、問題がなさそうなら貴女に俺のいない期間の責任者になってもらおうかと思ってまして」

「それは本当ですか! ……なぁ!?」

「ん? ああ!」


 こちらの発言に驚き、ついに顔をあげたこの人物。俺はこいつを知っている! そしてこいつも俺を知っている!


「お前は!」

「貴方は!」

「バニーちゃん!」

「ライリーフ・エイルターナー!」


 とんでもない人物を雇ってしまったかもしれない。

500字までに掛けた時間、約二週間

それ以降、四時間

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― 新着の感想 ―
前にもあったけど 兄と妹なら兄弟ではなく兄妹  兄と弟だったら兄弟だったがね
[一言] あらどこで何してるんだと思ったら
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