パックの開封とデッキ作成
ちょい短めです
メンバーが揃いライト達がファフニール討伐へと赴く中、俺は1人別行動をすることにした。皆には悪いけど今日はもうファフニールの顔を拝みたくないからな。
だが俺の代わりにセレネが皆に着いていった。どうやら装備を着けた状態で実際に戦ってみたくなったらしい。セレネが俺の目の届かない所で戦うのは少し不安だが、ライト達と一緒ならLv3くらいまでは安全だろう。
さて、1人ファースに残った俺が何をしているのかと言うと……パックの開封作業だ。つい50万コル分も買っちゃったせいで開けるだけでも一苦労だぜ。
「おっ、いきなりSRとは幸先がいいな」
この調子でどんどんレアカードを当てていこう。
黙々と、ただひたすらにパックを開封していく。後で探しやすいようにカードの種類毎に分けて重ねるのも忘れない。
「んぉ!? LRなんてあったのか!」
カード名は運命の巫女。バトルには向かないが、凄まじいサポート効果をしている。とりあえずこのカードはデッキに内定だな!
そんな調子で次々とパックを開けていき、最終的にLR3枚、SSR16枚、SR43枚になった。
開封が終われば次はデッキ作成だ。LRはどれも単体の性能だけでゴリ押せるパワーカードなので全て採用する。
色々カードを見比べていて気が付いた事なのだが、SSRは強力な分コストが重い。そして各カードのコンセプトに沿ったデッキでこそ輝き、一発逆転の切り札になり得る場合が多いみたいだ。
そんな中でコンセプトに縛られず、かつ強力なカードを選んでみたところ、意外な事にドロップでゲットした7つ頭の災厄のカードが候補に残った。
召喚方法は他のカードと比べて格段に面倒なのだが、一度場に出せさえすればLRにも匹敵する性能をしている。ってよく見たらSSRじゃなくてURじゃんこのカード!
パックからはURなんて出てこなかったし、ドロップ限定のレアリティなのか?
まあ強ければなんでもいいや。カードゲームとは言え一応神との戦いになるんだし、神に敵対的なカードの一枚や2枚仕込んでおいたほうがいいだろう。
後はバトルとサポートのバランスを見ながら入れたいカードをピックアップして、そこからデッキの枚数まで減らして行けば……。
「やっと出来た!」
ピン刺しのカードが少し多めなので事故りそうな予感がしないでもないが、この前使ったゴブリンデッキよりは強いと思いたい。
「ニャー」
「ん?」
セレネはライト達とファフニール周回に行ってる筈じゃ……なぬ? もう2時間近く経っているだと!? どんだけ集中してデッキ組んでたんだよ俺。これで弱かったら笑うしかねぇな。
「お帰りセレネ。首輪の性能はどうだった?」
「ニャフン」
「ドヤ顔ってことはバッチリだったてことか?」
「ニャ」
「えっ、それって……」
セレネがおもむろに影から引っ張り出したのは、なんとバルムンクだった。それも2本。
セレネよ、お前もか……!
「え~? ライリーフは午後も別行動なのかよぉ」
「悪いなマロン。ちょっと終わらせておきたいクエストがあるんだよ」
「ライ、クエストって例のカードのか?」
「おう。さっきやっとデッキが組み終わったんだ」
「ふーん。俺も後で買ってみよっかなぁ」
「なら余ってるカード使うか? 今度対戦しようぜ」
そう言えばプレイヤーイベントサポートシステムなんて機能が実装されてたな。どうせ対戦するなら人集めて盛大にやってみるか?
「……バルムンク争奪杯、なんてどうだろう?」
「お前の頭の中で何をどうしてそんな事になったのか分かんねーけど、もし開催するなら俺は全力で優勝狙うとだけ言っておこう」
「クックックッ、勝てるかな? カードすら持っていないお前が、レアカードハンターのこの俺に!」
「やってやるさ! たとえレアカードが当たらなくたって!」
「その意気や良し! ではここにスプレッドモンスターズ、バルムンク争奪杯の開催を宣言する!」
「いや、今開催しちゃ駄目だろ。大会なら告知して人集めなきゃ」
「確かに。とりあえずイベント申請だけしておくわ。開催は日曜な」
「OK」
「貴方達、本当に普段からそんな事してるのね……」
「始まりと終わりが唐突過ぎて混ざれなかった。残念」
フィーネ……無理にこんなしょうもない事に混ざろうとしなくてもいいんだぜ? もっと分かりやすく悪役ムーヴしてる時とかに混ざってくれれば十分だからさ。
「ライリーフ、アタシもカードゲームは得意だぜ!」
「ならマロンも参加するか? バルムンク争奪杯」
「うん!」
マロンの参戦表明を皮切りに、なんやかんやで皆カードゲームを始める事になった。
これで最低でも6人の参加が決定した訳だが、他のプレイヤーは何人くらい集まるのかねぇ?




