表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
112/285

ストレージはこまめに整理しよう

「土産よーし、追加の食材よーし」

「ニャー、ニャーゥ」

「うっし、それじゃ帰るか。セレネ、しっかり掴まってろよ?」

「ニャウ」

「リターンホーム!」


 これ、研究者のジョブの初期スキルなんだけど転移って本当に便利だわ。

 ホームへの一方通行にしか使えない縛りはあるけど、戦闘中以外なら一部の特殊フィールドを除く何処からでも一瞬で帰れるって所が割りとチートじみてる。


「ニャー」カリカリ

「散歩に行きたいのか? 今ドア開けてやるからなー」


 あ、ここはホームとしての最低限の機能だけを持たせた仮設ホームね。ボロいベッドが置いてあるだけのログアウト専用施設と言ってもいい。

 作業現場の近くに建ててあるが、建設の工程が進めば容易に解体して場所を移せるなかなか便利な作りになっている。


「んじゃ、いってらっしゃい」

「ニャ」


 ドアを開けて上げたらシュタタっと走り去って行った。セレネは元気だなぁ。

 さーて、俺は何やろうかな。ホームの建設作業を進めるか、それともライト達に渡すアイテムを作り始めるか?

 んー、どっちにしろ一旦手持ちのアイテムの整理から始めなきゃダメか。自動収集のスキルは便利だけどほっとくとストレージがゴミで溢れるからな。


「石ころに枝に骨の欠片……見事にゴミばっかりだな」


 ふっ、石ころがメインウェポンだったのはもう昔のことよ。せめてパワーストーンになってから出直してくるんだな。


「ん? なんだこのチケット……」



アイテム

謎のクーポンゴールド ――

異なる理、異なる真理

世界の果てにて眠り続けるは無限と夢幻の調なり

今宵、窮極の門は開かれん

夢のような時間を貴方に

―異次元出張スペースマッサージサービス 銀の鍵―



「こふっ」


 宇宙人の最後の探し物じゃねーか!

 俺は全力ダッシュで宇宙人を探し回った。






「おお、まさかこれを見つけてくれるとは思わなかったぞ! しかも夢にまでみたゴールドクラスチケット……。私は今猛烈に感動している!」

「いいから早く引き取ってくれよ。こんなアイテム俺には扱いきれない」

「本当に貰ってしまっていいのかね? ゴールドだよ? 凄いんだよ? 後で返せと言われても返さないからな?」

「あーはいはい」

「むふ、むふふふふ……今夜がとても楽しみだ。触手を念入りに洗っておかねば」

「マッサージだよな?」

「マッサージだとも」


 ……セーフってことにしておこう。どのみち触手と触手でSAN値がピンチなことには変わりはない。たとえそこに多少のいかがわしさが加わっていたとしてもな。


「宇宙は人類には早すぎたんだ……」


 ……気を取り直してアイテムを作るか。最初は練習がてらライトの鎧から作っていこう。


 使えそうなアイテムはオークウルフの毛皮くらいか。組み合わせるとしたら何がいいだろう?

 んー、手持ちだとどうしてもモンスター系の素材が偏るな。ほとんどヴィルゾーヴ由来の高レアアイテムかファース周辺の雑魚mob素材しかないってどうなのよ?

 一応錬金術の上位変換でギリギリ使えそうなアイテムに変換は出来るけど、それも俺がゲットしたことある物以外に変えようとすると途端に要求数が跳ね上がってゴミが出来る確率まで増えやがる。


「ま、ライトのだし適当でいいだろ」


 オークウルフの毛皮を鞣し、レザーアーマーに仕上げる。

 これだけだとアルバスが着けていた物の劣化版にしかならないのでここからいつも通りの魔改造だ。

 手持ちの原石の中からルビーを探しだして研磨する。いい感じに形を整えたら、次はレザーアーマーに金属パーツを追加して台座を作成しルビーを嵌め込む。

 む、見た目結構格好いいな。革の上を金属パーツが幾何学模様を描き、胸の中央に付けられたルビーから赤いオーラがうっすらと流れているように見える。

 ここから下手に弄るとダサくなりそうだし、革の部分の色をちょっと弄って完成でいいや。さて、性能はどんなもんかな?



アイテム

堅狼の革鎧 ★★★

DEF150 耐久値500/500

火属性強化・小

堅牢なオークウルフの毛皮を鞣して作られた革鎧

緋色のオーラは炎の力を高める



 おお、レア度低めなのにかなりDEFと耐久値が大怪鳥のマント並みに高いぞ!

 ……ん? この場合鎧並みにDEFが高いマントの方ががおかしい、のか?

 あ、鎧と言えば転聖龍鎧の再生がもう終わってるんだった。さっそく確認せねば!



アイテム

転聖龍鎧・ドラグディザスター ☆☆☆☆☆☆☆

DEF280 STR+120 MND-250 耐久値-

転生 MP自動回復・大 ダメージ反射・小

対神・小 

怨嗟の呪縛から解き放たれし聖なる鎧

浄化の過程に龍帝の力が紛れ込んだことにより、神に連なる者に対して与えるダメージが増加し受けるダメージが軽減される

壊される度により強く生まれ変わる

転聖龍鎧・ドラグディザスターⅡ ☆☆☆☆☆☆☆

DEF300 STR+150 MND-280 耐久値-

転生 MP自動回復・大 ダメージ反射・小

対神・中 爆発ダメージ軽減

怨嗟の呪縛から解き放たれし聖なる鎧

爆発による破壊で新たな姿に生まれ変わった



 いいね! 数値の伸びはそこそこだけど、追加で能力が増えるのはかなり嬉しい。たとえそれが活躍の場面が少なそうな能力だったとしてもだ!


「ライ坊ー、帰って来たのかい? ちょっとこっちに来ておくれー!」


 フォル婆が呼んでるみたいだ。他のメンバーのアイテムはまた今度作るとしよう。

 アイテムを片付け外へ出る。


「フォル婆、なんか用?」

「来たねライ坊。神様がお呼びだよ」

「神ぃ~?」


 ハァ……また面倒なことになりそうだ。

いつも読んで頂きありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] いあ、いあ!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ