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主人公、王都へ行く

ポイント、アイテム共に回収完了

ここから更新ペースを元に戻せるように頑張ります!

 いつものように登校しようとすると、玄関先で光介が待ち構えていた。


「エイリアン!」

「その第一声酷すぎない?」


 俺達は普段、登校するタイミングがバラバラだ。帰りはともかく朝まで合わせることはねーだろ、とは光介が言い出したことだった気がするのだが、エイリアンの情報欲しさにその理念を曲げたらしい。


「昨日から気になって眠れないんだよ! 情報はよ!」

「なるほど、それで朝っぱらからそんなにテンション高いのか」

「宇宙はいつだって浪漫に溢れているからな。テンションだってガンガン上がるってもんだろ!」

「発見者として言わせてもらうけど、あんまり良いもんじゃないぞ?」


 手に入ったアイテムは格好いいヘルメット以外ほぼ危険物だったし、地球は狙われている!な展開まで待ち受けている。ついでに宇宙人はババ専だと教えてやった。


「宇宙人、未来に生きてんな……」

「そんな未来には行き着きたくないけどな」

「はー、なんか最後の情報で気が抜けちまったわ。これは数式というなの子守唄でぐっすり眠るっきゃねーな」

「今日の1限って数学だっけ。なんか前回、次は小テストやるとか言ってなかったか?」

「げっ、そうだった! やべー眠くて頭回んねーよ……そうだ!リアルでエイリアン攻めてきてくれればテストやらなくて済むんじゃね?」

「たかが小テストごときで地球を危機にさらすなよ……」







 案の定追試を食らった光介を置いて学校から帰りゲームにログインすると珍しい人がファースに来ていた。


「あれ? バルザさんじゃん。何でファースに?」

「久しぶりだな、ライリーフ。ここに来たのは仕事のためだ。お前さんの知り合いだからと俺が来ることになったんだよ」

「んん? 何で俺の知り合いだとファースに派遣されるんだよ。 あんたアドベントの衛兵だろ?」

「ここには転移門がないからな。1番近いアドベントから人員が選ばれたんだ。そして俺はお前さんの顔を知ってるから人相書きを使う手間が省けるって訳だ」

「人相書き……なぁ、それって俺が捕まるとかそう言う話だったりするのか?」

「ははは、察しがいいなライリーフ。だが、捕まるって表現は少し違うぞ。お前さんには王城への召喚命令が出されている」

「召喚命令……!?」


 俺は何か王様に目をつけられるような事をやらかしてしまったのだろうか?

 災厄復活、古代兵器の紛失、それともエイリアンの件だったり……

 うーん、ヤバいな。思ったより心当たりが多いぞ? 叔父さん直伝の逃走術零の型を今度こそ披露することになるかもしれない。


「牢に繋がれるような事にはならんだろうから安心しろ……ってお前さんは金がないからと宿代わりに牢へ入るような奴だったな。はっはっは!」


 ……たぶん牢に繋がれないってのは本当のことなのだろう。ここに来たのがバルザさん1人って辺りがその証明だ。

 さっきバルザさんが言ったようにファースには転移門が存在しない。βのラスイベで壊されて以来、人が減ったからなのかそのまま放置されているらしい。なのでアドベントまでは徒歩での移動になる。なので衛兵がプレイヤーより遥かに強いとは言え、本気で逃がさないようにするなら後2、3人は連れてくると思う。


「なら、おとなしく連行されますか……」

「だから捕まえる訳ではないと言っているだろうに。あぁそうだ、猫も連れてこいと言われていたな。お前さんのペットか?」

「ペットっつーか眷属だな。しかし何でまたセレネも連れてこいってことになるんだ?」

「ははは、猫に大層な名前を着けたもんだな。そこら辺は俺にも分からん。とりあえず連れてこいとだけ命じられたからな」

「ふーん?」


 俺だけなら話も分かるのだが、セレネまで連れてこいと言うのは理解できない。

 そもそもなんでセレネの事を知っているんだ? ワールドアナウンスがNPCにも聞こえるものだと仮定すれば俺の名前が広がっていることは納得だ。でもセレネの名前は出てないし、名前が出たとしても猫だとは分からないと思うんだが……あ、ソフィア経由か。

 たしかソフィアは俺が猫じゃらしDXに目を奪われているときに王都から呼び出しを食らって帰っていった。休暇中に呼び出されるとか騎士も大変だなぁと思ったものだ。

 これでセレネが猫だと知られている事には説明がつくが、やはり呼び出される原因は分からない。


「ま、行けば分かるか。バルザさん、セレネ探してくるからちょっと待っててくれ」

「早くしてくれよ? こっちはデートの予定を潰されてるんだからな」

「デート……え? ヒルクさんとマジで付き合い始めたのか!?」

「ん、ま、まぁな」


 おっさんの照れ顔とか誰得だよ。

 しかしゲームの中とは言え俺の手でリア充を生み出してしまったなんて……屈辱的すぎる!


「くっ、リア充滅ぶべし! 相手がヒルクさんじゃいまいち羨ましいとは思えないけどとりあえず滅ぶべし!」

「おいおい、お前さんが紹介してくれたんじゃないか……」

「うるさい! 全世界のリア充スレイヤーに震えて眠れぬ夜を過ごすといい!」

「俺は基本的に夜勤だから夜は眠らんぞ」

「そう言う話じゃねぇから!」

「それよりデートの埋め合わせに何をすればいいか一緒に考えてくれないか? なにぶん馴れてなくてな」

「はっはっは、そんなこと俺が知っているとでも? 答えはこの拳に聞きやがれェ!」

「そぉい」

「ペギャ!?」

「いきなり殴ってくるなんて危ないだろ?」

「ニャー?」

「お? お前さんがライリーフの猫か。女神の名前なんてつけてるだけあって美人さんだな」

「ニャフン」

「それじゃちょっとライリーフと一緒についてきてもらえるか?」

「ンニャ」

「ははは、お前さんはご主人様と違って賢いんだなぁ」




 こうして無謀にも衛兵に素手で挑んだ俺は、結局簀巻きにされてアドベントまで運ばれたのだった。

覚えていない方もいると思うのでバルザさんとヒルクさんの紹介


バルザ

アドベントの衛兵

主人公にギルドまでの道を教えてくれた。

人生で初めて彼女が出来て若干浮かれている。


ヒルク

チュートリアルクエストの依頼主

なんやかんやあって学界追放はどうにか免れた。

バルザとの結婚に向けて女子力を磨いている。

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